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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z29
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z29
管理番号 1108198 
審判番号 不服2002-9954 
総通号数 61 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-04-26 
確定日 2004-11-11 
事件の表示 商願2001-43216拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「マリンフィッシュコラーゲン」の文字(標準文字による。)を書してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成13年5月14日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同14年3月19日付け手続補正書をもって、第29類「コラーゲンを主原料とした錠剤状の加工食品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『マリンフィッシュコラーゲン』の文字を表してなるところ、『マリンフィッシュ』の文字は『海水魚』を意味し、実際、『魚から摂取されたコラーゲン』を使った食品が販売されている事実が認められることから、全体として『海水魚のコラーゲン』の意味合いを容易に認識させるので、これを本願指定商品中『海水魚のコラーゲンを主原料とする商品』に使用しても、単に商品の品質、原材料を表示したものとして把握、認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「マリン」及び「フィッシュ」の文字部分は、それぞれ「海の」及び「魚、魚類」を意味する外来語として親しまれているものである。また、その構成中の「コラーゲン」の文字部分は、「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種」を指称する外来語であって、その指定商品の関係からすると、商品の品質、材質を表示するものであるから、全体をして「海水魚の硬蛋白質(コラーゲン)」を認識するものである。
そして、「マリンフィッシュ」及びその英語表記である「marine fish」の文字が「海の魚」を意味するものとして使用されている実情は、例えば、以下のものがある。
(1)「海産魚 [marine fish]」の見出しのもと、「海水魚ともいう。」と記載している(丸善 食品総合辞典 丸善株式会社 平成10年3月25日発行)。
(2)「パブリシティ『遊canトーク』『第一回FM高知・ブルーエンジェルカップ ルアーコンテスト大会』」の見出しのもと、「マリンフィッシュの部は海で釣れた全ての魚が対象。」と記載している(高知新聞 夕刊 平成9年7月17日 4頁)。
(3)伊豆中央水産の「マリンフィッシュ・ギャラリー」のウェブサイトにおいて、「Marine Fishes」の見出のもと、海水魚の写真が掲載されている(http://f15.aaacafe.ne.jp/~ichthy/izuchuo.html)。
(4)「海水魚の掲示板」において、「ホワイトバード・ボックスフィッシュ」の写真が掲載され、「・・・マリンフィッシュとしては、紹介されてまだ日の浅い種類である。」との記述がある(http://woman.excite.co.jp/life/pet/pet_catalog/04/0015/0435)。
(5)西部ゆうえんちのウェブサイトにおいて、「わくわくランド」、「おもしろ水族館」との見出のもと、「海の宝石マリンフィッシュとアマゾンの猛魚たち」との記述がある(http://www.seibu-group.co.jp/rec/yuenchi/waku/)。
(6)「『海水魚入門』、『海水魚飼育を始めましょう』」との見出のもと、「・・・一言に海水魚と言っても様々です。サンマやイワシにブリ、ハマチ。これらももちろん海水魚ですが、ここでは観賞目的に適した熱帯の珊瑚礁に住むカラフルで、素敵な海水魚を取り上げます。また、魚では無く、海に生息する無脊椎動物もこの中にふまえて考えて行く事にしましょう。熱帯の珊瑚礁を泳ぐマリンフィッシュ。・・・」との記述がある(http://www.tim.hi-ho.ne.jp/asfur/txt/nyumon.html)。

加えて、近年、コラーゲンを豊富に含む魚のウロコ粉末は血管にコラーゲンを供給して動脈硬化を予防すると考えられ(ヘルスフード科学概論 株式会社成山堂書店 平成15年5月18日発行 104頁)、食品業界における健康食品ブームによって、海水魚から摂取した硬蛋白質(コラーゲン)が「フッシュコラーゲン」と称して取引上普通に使用されている実情は、例えば、以下のようなインターネットによるホームページの情報等により認めることができる。

(ア)ネットショップ楽天市場において、「海からの贈り物、キレイと元気をあなたに・・・ akao-collagen」の見出しのもと、「フィッシュコラーゲンは体内で18種類のアミノ酸となって体の中からきれいと元気をサポートします!」との宣伝文が掲載され、併せて商品が紹介されている(http://www.rakuten.co.jp/akao-collagen/493367/)。
(イ)ネットショップ「フィッシュコラーゲン・アルファがおすすめ!」のサイトにおいて、「1. フィッシュコラーゲン・アルファ の特徴 :フィッシュコラーゲン・アルファは、魚の鱗を原料に無味無臭化した高純度コラーゲンパウダーです。・・・」との記述がある。同じく、「2. フィッシュコラーゲン・アルファ の原料:フィッシュコラーゲン・アルファは、魚の鱗(スズキ目鱗)を原料にしています。・・・」との記述がある(http://www.idm-ne.com/aitem/fish_collagen/)。
(ウ)ネットショップ「Store-mix」フィッシュ・コラーゲンペプチドパウダーのサイトにおいて、「フィッシュコラーゲン徳用/プロテイン94%天然原料由来 フィッシュ・コラーゲンペプチドパウダー」の宣伝中に、「お店からのコメント:コラーゲンと言うとブタが多いですが、本品は魚から抽出されたアミノ酸ペプチドです。酵素処理により加水分解された魚由来のコラーゲンペプチドパウダーは、コラーゲン特有のアミノ酸に富みプロテイン食品として最適の製品です。・・・」との記述がある。
(エ)ネットショップケンコーコムの「フィッシュコラーゲン」のサイトにおいて、商品説明中に、「『フィッシュコラーゲン100%』は、マグロ由来のフィッシュコラーゲン100%粉末。添加物は一切使用していません。動物性コラーゲンに比べて分子量が小さいため吸収されやすく、コラーゲン特有の臭いが少ないのが特長です。・・・」との記述がある(http://www.kenko.com/product/item/itm_7021024072.html)。

以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からしても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「海水魚の硬蛋白質(コラーゲン)を主原料とする商品」であると認識し、商品の品質、原材料を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標を前記に照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、「たとえ、『マリンフィッシュコラーゲン』の文字が、『海、魚、コラーゲン』等の意味を想起し得るとしても、品質や品位、形状を表示するものとして普通に使用されている事実を見出せないので、自他商品識別能力を充分に有する文字である。」旨主張するが、商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから、この点の請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、種々述べているが、本願と事案を異にするので、この点の請求人の主張も採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-08-26 
結審通知日 2004-09-03 
審決日 2004-09-17 
出願番号 商願2001-43216(T2001-43216) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z29)
T 1 8・ 13- Z (Z29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 寺光 幸子福田 洋子 
特許庁審判長 小川 有三
特許庁審判官 早川 文宏
岩内 三夫
商標の称呼 マリンフィッシュコラーゲン、マリンフィッシュ 
代理人 小野田 芳弘 

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