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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 010
管理番号 1108186 
審判番号 取消2003-30668 
総通号数 61 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-01-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-05-22 
確定日 2004-11-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第3365697号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3365697号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年10月30日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第10類「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器」を指定商品として、平成9年12月12日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
商標法第50条第1項の規定により本件商標の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べた。
1 本件商標は、甲第1号証の公報の通りの欧文字「SHIMPULSE」の態様からなり、第10類「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器」を指定商品として、上記の手続の経緯にて登録されている。
2 請求人の調査によれば、本件商標は、上記の指定商品のいずれについても継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないこと、及び、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 また、本件商標は登録第3365697号原簿(甲第2号証)より明らかなように、平成15年5月21日現在のところでは、上記商品に対し他人に専用使用権設定若しくは通常使用権を許諾した形跡もない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出している。
1 本件商標の使用事実
本件商標は、取消に係る指定商品中「医療用機械器具」について使用されており、その事実を登録商標の使用説明書(1)及び(2)について提出の証拠(乙第1号証、乙第2号証)により、以下の通り立証する。
通常使用権許諾書・単独申請承諾書(乙第3号証)に示す通り、佐川オフリン印刷株式会社は平成13年9月20日よりこれまで本件商標権について通常使用権の許諾を受けている。
更に、伸公エスピーインパルス株式会社は、同社の閉鎖登記簿謄本(乙第4号証)に示す如く、平成13年9月30日株主総会の決議により解散しているが、その営業の全部は、平成13年9月20日付け営業譲渡契約書(乙第5号証)に示す如く、佐川オフリン印刷株式会社に譲渡されており、佐川オフリン印刷株式会社はその営業を引き継ぐ者である。
(1)登録商標の使用説明書 (乙第1号証)
(イ)使用に係る商品 「人工骨および人工股関節」
本件商標の使用に係る「医療用機械器具」は、添付の商品写真に示す通り、「人工骨及び人工股関節」である。尚、これらの商品が「人工骨及び人工股関節」であることは、株式会社医学書院発行「系統看護学講座 専門9 教師用 成人看護学6」の第95〜96頁(乙第6号証)を参照すれば明白である。
(ロ)本件商標の使用
添付の写真に示す通り、本件商標と同一の商標が伸公エスピーインパルス株式会社の会社案内の各頁に鮮明に付されており、同会社案内の第3頁に「ShimPulse製品群」として前記商品写真と同一の人工骨及び人工股関節の商品写真が鮮明に記載されていることから(写真の左下部)、取引書類であるカタログに相当する会社案内において、これら商品について使用されていることは明らかである。
(ハ)商品の展示事実
本件商標を使用した前記商品「人工骨および人工股関節」が実際に展示された事実は、例えば、株式会社松浦機械製作所の従業員の辻本道秀氏の証明書により、平成14年11月2日に東京ビックサイトで開催された第21回日本国際工作機械見本市会場の同社ブースにおいて(乙第7号証)、人工関節の製作を行っているナカシマプロペラ株式会社(乙第8号証)の従業員の清水氏に対し、前述の会社案内を用いて同会社案内に掲載された「人工骨および人工股関節」の商品説明を行っている事により立証する。
(2)登録商標の使用説明書 (乙第2号証)
(イ)使用に係る商品 「人工骨および人工股関節」
本件商標の使用に係る「人工骨および人工股関節」は、添付の図面に示す通りである。
(ロ)本件商標の使用
添付の写真に示す通り、「人工骨及び人工股関節」を包装する段ボール箱には、本件商標と同一の商標が鮮明に付されており、これら商品について本件商標が使用されていることは明らかである。
なお、当該段ボール箱には、伸公エスピーインパルス株式会社の名も付されているが、これも前述の会社案内と同様に、大量に印刷されていた段ボール箱を営業と共に引き継いだ佐川オフリン印刷株式会社が継続して使用していたためであり、容易に訂正可能な書類である見積書は、伸公エスピーインパルス株式会社の印刷のまま、佐川オフリン印刷株式会社の訂正ゴム印を押して使用している(乙第9号証)。
(ハ)商品の引き渡しの事実
本件商標を使用した前記商品「人工骨および人工股関節」が実際に引き渡された事実は、例えば、株式会社佐川オフリン印刷株式会社滋賀工場より、前記のナカシマプロペラ株式会社メディカル事業部清水氏に宛てて送られた佐川急便の平成15年5月7日付けの送り状控、同便に同封された佐川オフリン印刷株式会社の従業員の山谷光夫氏の送り状、及び引き渡された大腿骨ボックスガイドの図面(ナカシマプロペラ株式会社の設計したものを株式会社佐川オフリン印刷株式会社が製造)により「人工骨及び人工股関節」が前記段ボールを用いて引き渡されていることを立証する。
2 むすび
以上の通り、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、本件審判請求に係る指定商品中「医療用機械器具」について使用されているものであるから、本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。
よって、答弁の趣旨通りの審決を求めるものである。

第4.当審の判断
本件審判において被請求人より提出された乙各号証(登録商標の使用説明書、前商標権者「伸公エスピーインパルス株式会社」の会社案内、同社の閉鎖登記簿謄本、通常使用権許諾書・単独申請許諾書、商品の送付伝票、営業譲渡契約書、見積書等)を総合すれば、本件商標権の通常使用権者(現商標権者)と認め得る「佐川オフリン印刷株式会社」が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件商標の指定商品中の「医療用機械器具」に属すると認められる「人工骨及び人工股関節」について使用していたことが認められる。
しかして、上記被請求人の提出に係る乙号証(送付伝票、見積書等)に記載されているの日付からすれば、本件審判請求の登録(平成15年6月18日)前3年以内に本件取消審判の取消に係る指定商品に属する「医療用機械器具」についての使用と認め得るものである。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「人工骨及び人工股関節」について、使用されていたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本件商標

審理終結日 2004-06-17 
結審通知日 2004-06-21 
審決日 2004-07-05 
出願番号 商願平7-112886 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (010)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 久美枝高野 義三 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
宮川 久成
登録日 1997-12-12 
登録番号 商標登録第3365697号(T3365697) 
商標の称呼 シムパルス 
代理人 徳岡 修二 
代理人 武石 靖彦 
代理人 志賀 正武 
代理人 村田 紀子 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 高橋 詔男 
代理人 渡邊 隆 

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