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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z03 審判 全部申立て 登録を維持 Z03 |
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管理番号 | 1106892 |
異議申立番号 | 異議2002-90107 |
総通号数 | 60 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-12-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-02-18 |
確定日 | 2004-11-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4524532号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4524532号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4524532号商標(以下「本件商標」という。)は、「フィトモイスチャア」の片仮名文字と「PHYTOMOISTURE」の欧文字を上下二段に書してなり、平成12年12月19日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同13年11月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要旨 (1)本件商標「フィトモイスチュア(PHYTOMOISTURE)」は、「植物」の意味を有する英語である「PHYTO」の語と、「潤い」の意味を有する英語である「MOISTURE」の語に、その日本読みをカタカナで「フイトモイスチュア」と記載してなるものであることは明らかである。 (2)しかるに、本件商標とその指定商品との関連を鑑みるに、「フィト(PHYTO)」の語は、「フィトコスメティック」をはじめ「植物成分を配合した化粧品」を意味する語として普通に使用されているものである(甲第1号証ないし同第3号証)。 (3)また、「モイスチュア(MOISTURE)」の語は、「モイスチュアクリーム」や「モイスチュアミルク」をはじめとした「保湿効果を有する商品」を意味する語として普通に使用されているものである(甲第4号証及び同第5号証)。 (4)すなわち、「フイト(PHYTO)」の語と「モイスチュア(MOISTURE)」の語からなる本件商標「フィトモイスチュア(PHYTOMOISTURE)」は、これをその指定商品に使用するときは、「植物成分を配合した保湿効果のある商品」を直感させ、その商品の原材料、品質を表す標章に過ぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものである。 (5)また、万一本件商標「フィトモイスチュア(PHYTOMOISTURE)」を、「植物成分を配合した保湿効果のある商品」以外の本件商標の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「植物成分を配合した保湿効果のある商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずる恐れのあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものである。 以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきものと考える。 3 当審の判断 本件商標は、前記のとおり、「フィトモイスチャア」「PHYTOMOISTURE」の各文字を上下二段に書してなるところ、下段に書された「PHYTO」の語は「植物」を、「MOISTURE」の語は「湿気、潤い、水分」等をそれぞれ意味する英語であり、上段に書された片仮名文字は、前記英文字の表音文字と認められる。 そこで、登録異議申立人(以下「申立人」という。)提出の甲各号証についてみるに、「インターネット上の各社ホームページの写し」(甲第1号証)によれば、「PHYTO(フィト)」の語は、例えば「フィト・コスメティックで素肌美がよみがえる植物の力を活かした画期的な化粧品……」「フィト(植物)の力を凝集した、グラスフィールの化粧水って?」「主保湿成分に多糖類とフィト(植物)エキスを採用。……」等の如く、植物成分を配合した商品であることを表す語として使用されていることが認められること、「1993 cosmetics in japan 日本の化粧品総覧」(甲第5号証)によれば、「MOISTURE(モイスチャア)」の語は、「モイスチャアフォーム」「モイスチャーパック」「モイスチャーマスク」「モイスチャーローション」「モイスチャアミルク」「モイスチャーエッセンス」「モイスチャージェル」等の如く、商品の名称に冠して保湿効果を有する商品であることを表す語として使用されていることが認められること、及び、「化粧品の表示に関する公正競争規約集」(甲第4号証)によれば、「化粧品の表示に関する公正競争規施行規則」の「備考」中「4.種類別名称等に用途を表す名称をつけることができる。用途名称は、エモリエント、モイスチャー、保湿、シェービング、マッサージ、男性用、子供用、肌性等をいう。(例)エモリエントクリーム、モイスチャーミルク、保湿ローション、……」と記載されていることが認められる。 以上のことを総合勘案すると、化粧品業界において、保湿効果を有する商品を表す場合の用途名称である「MOISTURE(モイスチャア)」の語は、多くの場合「種類別名称等」に冠して使用される実情にあることが認められるところである。 そうとすれば、本件商標は、「モイスチャア」「MOISTURE」の各文字に化粧品の「種類別名称等」と認められない「植物」を意味する「フィト」「PHYTO」の各文字を冠してなるものであるから、その構成中の「モイスチャア」「MOISTURE」の各文字は、前記でいう用途名称に当たらず、本件商標全体として「植物の潤い、植物の水」程度の意味合いを生ずるとみるのが相当であって、本件商標をその指定商品中、例えば「化粧品」について使用しても、それに接する取引者、需要者は、申立人が主張する「植物成分を配合した保湿効果のある化粧品」であることを直ちに認識することは困難といわなければならない。 そして、他に、上記認定を左右するに足りる証拠は見当たらない。 してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものともいえない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する |
異議決定日 | 2004-10-14 |
出願番号 | 商願2000-136416(T2000-136416) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(Z03)
T 1 651・ 13- Y (Z03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 伊藤 三男 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 宮川 久成 |
登録日 | 2001-11-22 |
登録番号 | 商標登録第4524532号(T4524532) |
権利者 | 有限会社ティー・シー・ファルマ |
商標の称呼 | フィトモイスチュア、フィトモイスチャー |
代理人 | 持田 信二 |
代理人 | 古谷 馨 |
代理人 | 溝部 孝彦 |
代理人 | 義経 和昌 |
代理人 | 古谷 聡 |