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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y11 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y11 |
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管理番号 | 1106845 |
異議申立番号 | 異議2003-90760 |
総通号数 | 60 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-12-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-11-21 |
確定日 | 2004-10-15 |
異議申立件数 | 3 |
事件の表示 | 登録第4703312号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4703312号商標の指定商品中「家庭用電熱用品類」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4703312号商標(以下「本件商標」という。)は、「魔法瓶」の文字(標準文字)よりなり、平成15年3月6日に登録出願、第11類「電球類及び照明用器具,ガスストーブ,その他の火鉢類,給水加熱器,その他のボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,暖冷房装置,便所ユニット,浴室ユニット,家庭用電熱用品類,洗い場付き浴槽,シャワー器具,洗面台及び洗い場付き浴槽,浴槽,浴槽がま,その他の浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,汚水浄化槽,家庭用汚水浄化槽,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用椅子」を指定商品として、平成15年8月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立の理由 (1)登録異議申立人「松下電器産業株式会社」の申立理由 登録異議申立人は、本件商標はその登録に係る全指定商品について取り消されるべきであると申し立て、その理由を次のように述べている。 本件商標は、その指定商品中例えば「内外二層のガラスまたはステンレスの間を真空にした魔法瓶構造を有する電気ポット,同構造を有する電気コーヒー沸かし」等との具体的関係において、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するというべきであり、本件商標を、上記「内外二層のガラスまたはステンレスの間を真空にした魔法瓶構造を有する電気ポット,同構造を有する電気コーヒー沸かし」等以外の商品に使用する場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)登録異議申立人「タイガー魔法瓶株式会社」の申立理由 登録異議申立人は、本件商標はその登録に係る全指定商品について取り消されるべきであると申し立て、その理由を次のように述べている。 本件商標の指定商品に対して、「魔法瓶」との商標を付した場合、需要者は、魔法瓶構造を有していない商品についても、当該魔法瓶構造を有し、優れた保温機能を有する製品であるとの誤認を生じることは明らかであるから、本件商標は、「商品の品質に誤認を生ずるおそれがある商標」であり、商標法第4条第1項第16号に該当する。 また、本件商標の指定商品を「魔法瓶構造を有する商品」に限定したとしても、「魔法瓶」との名称は、魔法瓶構造を示す一般的な用語となっているから、本件商標は、「その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」であり、商標法第3条第1項第1号に該当する。 (3)登録異議申立人「象印マホービン株式会社」の申立理由 登録異議申立人は、本件商標はその登録に係る指定商品中「家庭用電熱用品類」について取り消されるべきであると申し立て、その理由を次のように述べている。 本件商標は、これをその指定商品「家庭用電熱用品類」中の「魔法瓶の機能を有する電気ポット」に使用する場合、「魔法瓶の機能を有する電気を利用して加熱したり保温をする電気ポット」であることを認識させるに止まり、単に商品の機能、構造、効能等の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別機能を有するものとは認められない。また、本件商標を、「魔法瓶の機能を有する電気を利用して加熱したり保温をする電気ポット」以外の商品に使用するときは、商品の品質についての誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 3 本件商標に対する取消理由の要点 当審において、平成16年5月14日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。 登録異議申立人松下電器産業株式会社、タイガー魔法瓶株式会社及び象印マホービン株式会社の提出に係る甲各号証によれば、「魔法瓶」(内外二層のガラスまたはステンレスの間を真空にし、熱の伝導・対流・輻射の程度を少なくした構造を有し、中に入れた液体の温度を長時間保つようにした瓶)の構造、用途を兼ね備えた「電気ポット」「電気コーヒー沸かし」が製造、販売されている事実が認められる。 してみれば、本件商標は、「魔法瓶」の文字よりなるものであるから、本件商標をその指定商品中「魔法瓶構造を有する電気ポット・電気コーヒー沸かし」に使用するときは、該商品の構造、用途、品質を表示するにすぎないものといわざるを得ないものであり、また、前記以外の「家庭用電熱用品類」に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、その指定商品中「家庭用電熱用品類」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見 商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。 5 当審の判断 本件商標は、上記3で述べたとおり、その指定商品中「家庭用電熱用品類」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。 しかしながら、本件商標は、上記商品以外の本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、同法第43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2004-08-27 |
出願番号 | 商願2003-17808(T2003-17808) |
審決分類 |
T
1
651・
13-
ZC
(Y11)
T 1 651・ 272- ZC (Y11) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 守屋 友宏 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
富田 領一郎 小川 有三 |
登録日 | 2003-08-22 |
登録番号 | 商標登録第4703312号(T4703312) |
権利者 | 東陶機器株式会社 |
商標の称呼 | マホービン |
代理人 | 中村 仁 |
代理人 | 福田 進 |
代理人 | 藤田 邦彦 |
代理人 | 藤田 典彦 |