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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z03
管理番号 1106542 
審判番号 不服2001-10813 
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-25 
確定日 2004-10-18 
事件の表示 商願2000- 14020拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として、平成12年2月21日に登録出願、その後、同13年2月14日付け手続補正書により、指定商品を「クリーム」に補正されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『トルマリンの持つ力』の意味を認識させる『TOURMALINE POWER』の文字を二段に書してなるものと、品番・規格等を表示する記号・符号として一般に使用されている2桁のローマ字を中黒で結んだ『T・P』と、『きれいなクリーム』を意味する『PURE CREAM』及びこれらの下に横線を引いた下に『T・P ピュア クリーム』の文字を書してなるから、これを本願指定商品に使用しても、単に『トルマリンの持つ力を利用した不純物のないクリーム(状の商品)』程の意味を認識させるにすぎないから、これを指定商品中、例えば『トルマリンを原材料としたクリーム』に使用しても、これに接する需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識できないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「TOURMALINE」と「POWER」の欧文字を二段に書し、少し空間をあけてその下に横線を挟んで「T・P PURE CREAM」と「T・P ピュア クリーム」の文字を書してなるものである。
〔I〕 まず、上部の「TOURMALINE」と「POWER」の欧文字を二段に書してなる文字部分についてみると、その構成中「TOURMALINE」の文字部分は、「トルマリン。宝石の一種。電気石。」(リーダース英和辞典 研究社発行参照)を、「POWER」の文字部分は、英語で「力」を意味する語である。
1) そして、この「トルマリン」には、微弱電流を永久に発生続け、発生するエネルギーが遠赤外線効果を有すること、その周囲にマイナスイオンであるヒドロキシルイオンが形成され続けること等の特質があり、クリームに使用したとき、この特質により、体内の細胞を活性化し正常な状態にもどす力を発揮する等の効果を有することから、現在では、以下に示すように、トルマリンを配合したクリ-ムが販売されている実情にある。
(i) 「自然派コスメ 美の原点へ」のホームページ(http://www.cosme2000.jp/ormalin/cream.html)に紹介されている商品「トルマリンクリーム」の「成分表示」には「トルマリン」の記載がある。
(ii) 「アミティ化粧品」のホームページ(http://ww.curio-city.com/chonest/7808/144088.html)における「ビセキEXクリーム80g」の商品説明に、「奇跡のトリートメントクリームの登場です。・・・この超微粒子トルマリンクリーム!・・・他のトルマリン配合のクリームとの大きな違いは、トルマリン自体が持つマイナスイオン効果に加え、クリーム自体が特定の振動数でふるえており、その振動は体内細胞と共振共鳴し、体内の細胞を活性化し正常な状態に戻す働きをする点です。お肌がみるみる元気に、プリプリに!」の記載がある。
(iii)株式会社カザマのホームページ(http://www.kazama-ct.co.jp/iomoist.html)、「トルマリンハンドクリーム100g」の商品説明に、「独自のトルマリン処理製法により、マイナスイオンの力だけでなく、それぞれの成分が持つ特性を最大に引き出しています。」、及びその配合成分表示中に「トルマリンマイナスイオン水」の記載がある。
(iv)「アットマークベル.jp」のホームページ(http://www.atmarkbell.jp/beauty/0036/top.html)、商品「キュエル・フェイスリフトエマルジョン」の商品説明に、「キュエルなら、60秒で小顔やピチピチ肌になれちゃう?!話題のEMSクリームは、マッサージすることで、たるんだ表情筋やお肌に働きかけ、リフトアップ効果が抜群です!さらに、60秒の経絡マッサージをすることにより、トルマリンの微弱電流が顔の下に張り巡らされた約30種ものデリケートな表情筋を刺激して、フェイスラインを整えてくれます! ・・・美肌+ナイトクリームとして使えます。」の記載がある。
そうすると、トルマリンには、上記特質から発揮される力があるといえ、また、その構成中の「POWER」の文字部分は、英語で「力」を意味する語として一般に広く知られた語であることからみて、「TOURMALIN」と「POWER」を二段に書した部分は、意味の上で結びつきやすく、「トルマリンの持つ力」の意を表示する一体的なものと理解される場合が十分あるといえる。
2) 加えて、クリームを扱う業界において、トルマリンの持つ力を表示するときに「トルマリンパワー」の語を実際に使用している事実も以下のとおり認めることができる。
(i)「Sea Bridge」(http://www.sea-bridge.co.jp/shopping_venus.html)のホームページの商品「クリームドゥヴィーナス」の紹介に、「美しさを届ける"ちから" トルマリンパワーまるで顔が彫刻されたかのようにキュッと引き締まるヴィーナスの名にふさわしいクリーム 究極のリフトアップ <クリーム ドゥ ヴィーナス>30ml 25.000円(税別)」の記載がある。
(ii)TMプランニングからの美容・ 健康・おしゃれ・便利の商品がいっぱいのホームページ)(http://www.tmplan.gr.jp/tm4584.htm)の「プリナスホットスキンクリーマ『ホッティートルーマー』」の商品説明中、「トルマリン含有クリーム『ホッティトルーマー』はマッサージをしながら塗るだけでトルマリンパワーの遠赤外線とマイナスイオンで心地よい温熱効果を体感できます。」の記載がある。
3) さらに、「トルマリン」を、商品の原材料、品質表示と認めている以下の判例がある。
(i)東京高裁平成11年(行ケ)第410号の判決(平成12年6月13日判決言渡)において、「現に、トルマリンを原材料に使用しその特質を利用したせっけんや化粧品を含む多岐に亘る商品が開発され、トルマリンの特質を利用した特別な効能のあるものとして宣伝され、あるいは、販売されている…『TOURMALINE SOAP』『トルマリンソープ』の文字は、商品の出所を表示する商標としてではなく、むしろ、『TOURMALINE』と『トルマリン』の部分が、商品の原材料や品質を表示したものであり、全体として原材料にトルマリンが使用されその特質から生じる効能を有する石けんを表示しているものと認識するであろうと容易に推認することができる」と認定している。
以上のことよりすれば、本願商標の構成中、上部の「TOURMARIN 」と「POWER」の文字を二段に書してなる文字部分は、「トルマリンの持つ力」程の意味合いを容易に理解させる語にすぎず、自他商品識別標識としての機能を有さない部分ということができる。
〔II〕 つぎに、下部の「T・P PURE CREAM」及び「T・P ピュア クリーム」の文字部分についてみると、その構成中「T・P」の文字部分は、商品の品番・規格等を表示する記号・符号の一類型として認識されるにすぎないもの、その構成中「PURE」及び「ピュア」の文字部分は、「純粋な、まじりけのない」を意味する語であって、商品の品質を表示するにすぎないもの、そして、その構成中「LCREAM」及び「クリーム」の文字部分は、「クリーム」を意味する語にすぎないものであるから、下部の「T・P PURE CREAM」及び「T・P ピュア クリーム」の文字部分は、全体として、自他商品識別標識としての機能を有しない部分と認められる。
そうすると、本願商標は、下部、上部いずれの構成文字部分にも自他商品識別としての機能を有する部分がなく、全体として、単に、「トルマリンの持つ力による効能があるまじりけのないクリーム」程の意味合いを理解させるにすぎないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品中、上記意味合いに相応する商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者が、単に上記意味合いを理解するに止まり、何人の業務にかかる商品であるかを認識することができないものと認められ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると認められるものである。
おって、請求人は、「書籍やインターネット上のホームページにおいて『トルマリンパワー』の語句が記載・表現されている事実があるとしても、本願商標はその文字全体で特定の語義を有さない一連の造語と認識される。」旨主張しているが、本件については、上記のとおり判断するのが相当と認められるから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲 本願商標

審理終結日 2004-08-10 
結審通知日 2004-08-13 
審決日 2004-08-26 
出願番号 商願2000-14020(T2000-14020) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 津金 純子
内山 進
商標の称呼 ツアーマリーンパワー、ティーピーピュアクリーム、テイピイピュアクリーム、ピュアクリーム、ツアーマリーン、パワー、ティーピーピュア、ピュア、トルマリン 
代理人 奈良 武 

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