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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z1937
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z1937
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Z1937
管理番号 1104864 
審判番号 不服2002-3130 
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-02-22 
確定日 2004-10-06 
事件の表示 商願2000-67823拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「外断熱・二重通気工法」の文字を横書きしてなり、第19類「合成建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,建造物組立セット(金属製のものを除く。)」及び第37類「熱絶縁工事,建築一式工事」を指定商品・役務として、平成12年6月19日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『外断熱・二重通気工法』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、該文字は、『外気を断熱する二重通気の工法』を認識されるものである。このことは、一般に報道されている『外断熱』『通気工法』等の新聞掲載記事からもいえるものである。そして、本願商標は、その指定商品(指定役務)との関係において商品(役務)の品質(質)・用途表示、すなわち『外気を断熱する二重通気の工法用』であることを示すものとして理解されるものと認められる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、『外気を断熱する二重通気の工法用の合成建築専用材料・プラスチック製建築専用材料等』及び『外気を断熱する二重通気の工法用の熱絶縁工事・建築一式工事』として認識され商品(役務)の品質(質)、用途表示として理解されるものであり、本願商標は、単に商品(役務)の品質(質)、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「外断熱・二重通気工法」の文字を書してなるものであるところ、構成中の「外断熱」は、「断熱層を構造体の室外側に施工すること」を意味し((株)彰国社「建築大辞典 第2版」)、「二重」の文字は、「2つ重ねること」の意味合いを表す語として一般的に使用されているものであって、指定商品・役務との関係からみれば「二重ガラス」、「二重床」「二重梁」(いずれも(株)彰国社「建築大辞典 第2版」)」のように用いられているものであり、また、「通気工法」の文字は、工法の一つを表示するものとして使用されているものである。
そうとすれば、これら二つの語を「・(中黒)」を介し一連に「外断熱・二重通気工法」と書してなる本願商標は、全体として、「断熱層を構造体の室外側に施工する工法と二重通気の工法」の如き意味合いを容易に看取させるものである。
そして、「外断熱工法」「外断熱通気工法」及び「二重工法」の文字が該業界において使用されている実情が、下記の雑誌、新聞記事情報等から伺われる。
(1)「建築知識」(株)エクスナレッジ 2004年6月号に「外断熱工法を選ぶ」のタイトルのもと、「外断熱工法の基礎-種類と特徴」に関する記事がある。
(2)日刊工業新聞 2004年3月19日 「飯田建築設計、浮き床二重工法で最高レベルの衝撃音対策等級取得」の見出しのもと、「飯田建築設計事務所が開発した高層建築物の浮き床二重工法『シンカ』が、国土交通省から住宅品質確保促進法の衝撃音対策で最高レベルの等級5を取得した。」の記載がある。
(3)日本工業新聞 2003年9月18日 「リクルートコスモス 首都圏の4物件で外断熱採用の2×4住宅」の見出しのもと、「リクルートコスモスは、首都圏で展開する戸建ての四分譲プロジェクトで、オリジナル断熱工法の『外断熱・外通気工法』を採用した木造2×4(ツー・バイ・フォー)住宅を販売する。」の記載がある。
(4)住宅新報 2001年8月14日 「3階建て外断熱の家『パオ・リーベ3』野村ホーム」の見出しのもと、「野村ホームはこのほど、木造3階建て外断熱の家『パオ・リーベ3(スリー)』を発売した。・・構造は木造軸組みプラス面構造プラス通気工法で、・・」の記載がある。
(5)日刊工業新聞 2001年8月2日 「トヨタ、SW工法の2階建て住宅に寒冷地仕様を追加発売」の見出しのもと、「トヨタ自動車はスチールフレームとウッドパネルを組み合わせたSW工法の2階建て住宅『Vieα(ヴィー・アルファ)』シリーズに、寒冷地仕様の『VieαK2(ケーツー)』を、追加発売した。・・・新商品は、標準タイプでは外壁だけに採用している『外断熱・外通気工法』を基礎部分や屋根にも拡大し、気密性能や断熱性能を高めた。」の記載がある。
(6)建設通信新聞 1999年3月17日 「新商品・高断熱二重防水システム屋根/元旦ビューティ」の見出しのもと、「元旦ビューティ工業は、防水性・対風圧性能を大幅に高めた『高断熱二重防水システム屋根』を開発した。・・同システムは、二重工法によって防水15年保証で・・」の記載がある。
してみれば、「外断熱」、「二重」及び「通気工法」の文字を一連に「外断熱・二重通気工法」と書してなる本願商標は、その意味合い、及び、前記(1)ないし(6)の実情も考慮すれば、これをその指定商品について使用しても、単に、「断熱層を構造体の室外側に施工する工法と二重の通気工法」の如き意味合いを、認識させるに止まり、これをその指定商品・役務中、上記文字に照応する商品・役務である「断熱層を構造体の室外側に施工する工法・二重の通気工法用の商品,断熱層を構造体の室外側に施工する工法・二重の通気工法による熱絶縁工事,断熱層を構造体の室外側に施工する工法・二重の通気工法による建築工事一式」に使用しても、単に商品の用途、品質、役務の質を表示するにすぎず、それ以上に商品・役務を識別するための標識とは認識し得ないものといわなければならないものであり、また、これを前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは商品の品質、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は本願商標は造語であり識別力を有するものであるが、仮に、識別力がない場合であっても、商標法第3条第2項の適用を受けることのできるものである旨主張し、資料1ないし40を提出しているが、本願商標が識別標識としての機能を有するとはいえないものであることは、前記認定のとおりであり、また、同法の適用を受けることができるのは、使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものであるところ、前記提出された証左によっては、本願商標が使用により識別力を有するに至ったものと認めることはできないから、これに関する請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-07-27 
結審通知日 2004-08-02 
審決日 2004-08-23 
出願番号 商願2000-67823(T2000-67823) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (Z1937)
T 1 8・ 13- Z (Z1937)
T 1 8・ 272- Z (Z1937)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 中束 としえ
宮川 久成
商標の称呼 ソトダンネツニジューツーキコーホー、ソトダンネツニジューツーキ、ニジューツーキコーホー 
代理人 柳野 隆生 

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