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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z03
審判 全部申立て  登録を維持 Z03
審判 全部申立て  登録を維持 Z03
審判 全部申立て  登録を維持 Z03
審判 全部申立て  登録を維持 Z03
管理番号 1100192 
異議申立番号 異議1999-91342 
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-10-05 
確定日 2004-07-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第4301323号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。  
結論 登録第4301323号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第4301323号商標(以下「本件商標」という。)は、「タケ麗姿」の文字を横書きしてなり、平成10年7月15日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類,歯磨き」を指定商品として平成11年8月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立の理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(甲第3号証ないし甲第6号証は、「麗姿」の商標に関する登録出願関係の写しであって、証拠の目録中の表示と異なるから、以下、「甲第3号証は甲第13号証、甲第4号証は甲第14号証、甲第5号証は甲第7号証、甲第6号証は甲第8号証」とそれぞれ置き換え、同じく、「甲第7号証、甲第8号証及び甲第10号証は甲第10号証ないし甲第12号証」と重複しているから、「甲第7号証は甲第10号証、甲第8号証は甲第11号証、甲第10号証は甲第12号証」とする。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
申立人は、昭和62年5月26日に「株式会社オフィスタケ」として設立され、平成9年2月3日に「株式会社タケ」と商号変更し、化粧品、衣料品、装身具、インテリア用品、日用品雑貨、医薬品、医療用品、医薬部外品、栄養補助食品などの輸出入及び製造販売ならびに通信販売を業として営む。
甲第2号証(申立人商業登記簿謄本全部事項証明)に示されるとおり、本件商標は、申立人の商号である「タケ」を含む商標である。
本件商標にあっては、その指定商品において申立人の取扱商品と混同は避けられず、商標として登録されるべきではない。
さらに、甲第13号証(取引基本契約書)及び、甲第14号証(商標権者の商業登記簿謄本全部事項証明)に示されるとおり、商標権者と申立人は従前から取引関係にあったが、申立人の商号であることを知りながら、本件商標登録に当たり申立人の何らの承諾を得ずに出願したことは、商取引の信義則に反するばかりか、申立人の人権を著しく侵害するものと推測される。
(2)商標法第4条第1項第10号について
甲第7号証は、申立人が販売する商品の雑誌掲載広告であり、平成6年3月24日発行の週刊文春に掲載されたのを始めとして、平成6年61件・平成7年23件・平成8年59件・平成9年34件・平成10年16件(平成10年3月まで)の宣伝効果により、需要者において広く認識されていたことを示すものである。そして、その宣伝広告の随所に申立人の前身である「オフィスタケ麗姿事業部」の掲載があることから、既に申立人を指し示すものとして、需要者に広く知られていることを示すものであり甲第8号証はその商品パッケージ・カタログである。その宣伝効果を顕著に示すものとして、業界紙である平成8年12月12日付け「通販新聞」(甲第10号)においては、申立人が平成6年2月より通信販売を開始したこと、女性誌に通販広告を出稿したこと、「サボン麗姿」に認知度が高まったこと、クレンジングやローションや美容液などをアイテムに増やしたことなどの結果において売上が倍増したことなどが掲載されている。さらに、南美希子さんをはじめ複数の芸能人の愛用者がいることから、テレビや雑誌などで紹介されたのをきっかけに、問い合わせや購入希望者が殺到し、申立人及びその取扱商品の知名度が広範囲に及んでいることを示すものである。また、申立人は平成8年5月からクレンジング、ローションや美容液を拡充し、「QMS(フェイシャルトリートメントシステム)」を発売するなどの記事から、その指定商品においても、商標権者、申立人の取扱商品は同一又は類似である。
なお、現在における周知著名性は、平成11年8月14日付日本経済新聞に掲載されている(甲第11号証)ところであるが、「サボン麗姿」・「サボン麗姿ゴールド」において人気を博していることから周知著名である。
さらに、甲第9号証に示されるとおり、取引先からの需要者証明などから広く著名性を有していることは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、宣伝広告において、申立人が自己の営業名称で、「オフィスタケ麗姿事業部」や「タケ麗姿事業部」を使用し、取扱商品に「麗姿シリーズ」、「麗姿」、「サボン麗姿」及び「サボン麗姿ゴールド」を多用した結果、当業界における取引者や需要者において周知著名性を有していおり、先に示した甲第7号証、甲第10、11号証においても申立人及び取扱商品の周知性は明らかである。したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第16号について
商標法第4条第1項第16号については、具体的申立理由の記載はない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
前記甲第7号証、甲第9ないし第11号証により、申立人が使用する「麗姿」の著名性については示したとおりであるが、商標権者は、申立人が、その営業において使用する商標の通信販売において得た著名性を利用して自己の売上増加を目論見、また、申立人の販売を妨害するために本件商標登録をしたものである。従前から申立人と商標権者は、製造者と販売者の関係にあった。これはいわゆるOEM契約(委託者のブランドで製品)といわれる販売方式であって、製品を大量生産し供給することによるコスト・ダウンがまず考えられ、自社ブランドによる販売力が弱い場合には魅力的である(甲第12号証)。当初販売力が弱かった商標権者が申立人と契約をしたものであるが、申立人の取扱商品の周知性の向上に及び売上の増加に伴い、商標権者は申立人の用いる商標を用いて、自社販売による売上増加を企て、一方申立人のブランド使用を差止めるなどの行為により、営業を妨害しようとするものである。
(6)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号、同第16号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、「タケ麗姿」の文字よりなり、「タケ」と「麗姿」の文字は片仮名書きと漢字を用いて表されているとしても、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で外観上まとまりよく表され、これより生ずると認められる「タケレイシ」の称呼も、5音という音構成であり、冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼しうるものである。
また、「麗姿」の文字についてみると、申立人差出し上申書(平成12年12月15日 添付書類1、平成13年10月23日 添付書類1,2)の商標使用差止等請求事件の判決(登録商標「和漢研」「麗姿」の二段書き)(東京地方裁判所 平成9(ワ)26980号 平成13年5月15日判決言渡、東京高等裁判所 平成12年(ネ)5798号 平成13年10月31日判決言渡)の判決には、「・・・・・本件登録商標については、そのうち『麗姿』部分のみからは出所の識別標識としての称呼・観念を生ぜず・・・・・」(東京地方裁判所 判決第44頁第1行目及び第2行目)があること、及び「うるわしいすがた」の意(広辞苑第5版)があることからすると、本件商標の構成中の「麗姿」の文字部分は、その指定商品「せっけん類、化粧品」等との関係において識別力が極めて弱いといえるものである。
したがって、本件商標は、「タケ麗姿」全体で一体不可分の造語商標と認識されるとみるのが相当である。
(2)商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号を適用するにあたり、株式会社組織の法人にあって法人の名称から「株式会社」の文字を除いた部分が、同号にいう「他人の名称の略称」に該当し、他人の商標登録を阻止するためには、その略称が著名であることを要するところ、申立人の名称から「株式会社」を除いた「タケ」の部分が申立人の著名な略称として、本件商標の登録出願(平成10年7月15日)以前より著名であったと認めるに足る証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、他人の名称又はその著名な略称を含むものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第10号について
異議申立書によれば、申立人は化粧品、衣料品、生鮮食品などの通信販売をしていた(甲第2号証及び甲第14号証)こと、「麗姿(やや図案化している)」なる商標を登録出願して拒絶されたこと、本件商標の登録出願前1994年(平成6年)3月頃より、週刊誌、雑誌、新聞に、「サボン麗姿」に関した記事が掲載された(甲第7号証)こと、商品パッケージ・カタログに「麗姿」なる商標が使用された(甲第8号証)こと、取引先からの需要者証明書(甲第9号証)があること等が認められる。
しかしながら、甲第7号証は、申立人が販売する商品の雑誌、新聞等の掲載広告の表形式一覧表と数葉の広告内容を示す書証であり、一覧表には「雑誌名、掲載号、タイトル、掲載商品、掲載内容」等の項目を設け、各項目について表形式で記述されているにすぎない。加えて、数葉の書証を、上記一覧表に記載の広告内容を示す広告の一部と捉えるとしても、雑誌の発行所、雑誌名、発行年月日等が必ずしも明らかになっておらず、「麗姿シリーズ、麗姿、サボン麗姿、サボン麗姿シリーズ」商標(以下、これらを一括して「申立人商標」という。)及び商品がいかなる態様で示されていたのか等、具体的内容を把握することが困難であり、かつ、申立人商標の付された商品販売実績を示す証拠も何ら示されいない。
申立人は申立人商標を多用し、周知著名性を有しているというが、
(ア)商標権者(代理人;西込明彦及び渡邉俊太郎)(以下「商標権者提出」という。)提出の取引基本契約書・代理店取引契約書(乙第8号証)によれば、平成8年当時、申立人及び商標権者は、「有限会社ちえの輪」を総代理店とする「サボン麗姿」取引に関する同一企業グループの構成員であったことが認められる。
(イ)申立人以外の前記企業グループの一員と認め得る者による「麗姿」に関する新聞広告がされた事実(商標権者提出の乙第6、10、12号証)が認められる。
(ウ)商品パッケージ・カタログ(甲第8号証)には、商標権者が製造元として表示されていること。
(エ)本件商標は、一体不可分の造語商標として認識されること。
等の事実を併せ考えると、申立人商標が本件商標の登録出願時に「せっけん及び化粧品」に使用されていたことは認められるとしても、本件商標に接する需要者・取引者は、申立人のみを連想、想起することなく、「有限会社ちえの輪」を総代理店とする同一企業グループ全体を連想、想起すると判断するのが相当である。
そうすると、本件商標は、商標権者がその指定商品について使用しても、その登録出願時に申立人のみの業務に係る商品を表示するものとして、需要者間に広く知られるに至っていたとはいえない。
(4)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
本件商標は、一体不可分の造語商標であり、かつ、請求人のみの業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者に広く知られていたといえないことは、上記のとおりであるから、他人の業務に係る商品であると商品の出所についての混同を生ずるおそれがある商標といえず、これをその指定商品に使用しても不正の目的をもって使用をするものともいうことはできない。
(5)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、前記したように、一体不可分の造語商標とみるのが相当であるから、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。
(6)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第16号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
異議決定日 2004-06-16 
出願番号 商願平10-59761 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (Z03)
T 1 651・ 222- Y (Z03)
T 1 651・ 271- Y (Z03)
T 1 651・ 25- Y (Z03)
T 1 651・ 272- Y (Z03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 伊藤 三男 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
三澤 惠美子
登録日 1999-08-06 
登録番号 商標登録第4301323号(T4301323) 
権利者 株式会社和漢生薬研究所
商標の称呼 タケレイシ、タケ、レイシ 
代理人 渡邉 俊太郎 
代理人 小原 英一 
代理人 西込 明彦 
代理人 佐々木 弘 
代理人 瀬谷 徹 

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