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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z16 審判 全部申立て 登録を維持 Z16 |
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管理番号 | 1100191 |
異議申立番号 | 異議2001-90057 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-08-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-01-26 |
確定日 | 2004-07-14 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 登録第4427619号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4427619号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4427619号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年3月9日に登録出願、別掲(1)に表示したとおりの構成よりなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、同12年10月27日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)登録異議申立人「東洋紡績株式会社及び伊藤忠商事株式会社並びに株式会社デサント」(以下「申立人(東洋紡績等)」という。)の申立ての理由 (ア)本件商標は、申立人(東洋紡績等)の引用する別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成10年10月2日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計機,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、平成11年11月26日に設定登録された登録第4337960号商標(以下「引用商標1」という。)と外観、称呼、観念において類似の商標であり、かつ、指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (イ)引用商標1は、1886年創業の米国ミネソタ州の衣料品メーカーである件外「マンシングウェア インコーポレイテッド」(以下「マンシングウェア社」という。)が1955年頃よりゴルフウェア等に使用しているキャラクターであり、我が国においては、1960年代当初、申立人の一人である東洋紡績株式会社が独占的な使用許諾を受けて使用してきたものであるが、市場が確立した昭和60年にマンシングウェア社の所有する我が国における商標権の全てが申立人(東洋紡績等)に譲渡されたことで、市場占有率の高いゴルフ衣料等を中心として広範な商品に使用され、新聞、雑誌等のメディアを通じて盛んに広告宣伝された結果、今日では、マンシングウェア社及び申立人(東洋紡績等)の業務に係る商品を表示するものとして広く一般に知られているものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、申立人(東洋紡績等)の使用に係る引用商標1を想起させ、該商品が申立人(東洋紡績等)あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (2)登録異議申立人「ペンギン ブックス リミテッド」(以下「申立人(ペンギンブックス)」という。)の申立ての理由 (ア)本件商標は、申立人(ペンギンブックス)の引用する別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和55年12月23日に登録出願、第26類「学習用および教育用印刷物、その他の印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録された登録第2394805号商標(以下「引用商標2」という。)と外観、称呼、観念において類似する商標である。また、「PENGUIN」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年12月26日に登録出願、第26類「印刷物」を指定商品として、同60年12月25日に設定登録された登録第1830621号商標(以下「引用商標3」という。)と称呼、観念において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標2及び3の指定商品とは抵触するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (イ)引用商標2及び3は、書籍等をはじめとする申立人(ペンギンブックス)の業務に係る商品の商標若しくは申立人(ペンギンブックス)のハウスマークとして、世界的に著名なものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者をして、申立人(ペンギンブックス)の使用に係る引用商標2及び3を想起させ、該商品が申立人(ペンギンブックス)又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (ウ)申立人(ペンギンブックス)は、取消理由通知前の平成13年5月1日付けで、本件指定商品中「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,観賞魚用水槽及びその附属品」の登録についての異議申立てを取り下げている。 3 当審の判断 (1)本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなるところ、その蝶ネクタイや箒状の左右の眉毛部に著しい特徴があることよりして、これに接する取引者、需要者は、一見してこれを単なるペンギンとは見ず、ペンギンをモチーフにした一種のキャラクター的図形と理解するというのが相当である。 してみると、本件商標からは、単なる「ペンギン」の称呼及び観念を生じないものというべきである。 他方、引用商標1は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるところ、蝶ネクタイ・ベスト・上衣を着用し、翼及び脚部を大きく左右に拡げ、左を向いて立っている特徴を有する擬人化されたペンギンとおぼしき動物を漫画風のタッチで描写した図形よりなるものであるから、これよりもまた、単なる「ペンギン」の称呼及び観念を生じないものというべきである。 なお、申立人(東洋紡績等)提出の証拠によれば、引用商標1は、「ペンギンマーク」又は「蝶ネクタイをしたペンギン」の如く称されていることが散見できるとしても、これが単に「ペンギン」と称されている事実までは認めることができない。 また、引用商標2は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなるところ、これは目・翼・腹部、足等の全体の姿態が「ペンギン」の本質的な特徴を具備して描かれていることから、「ペンギン」の称呼及び観念を生ずるものというべきである。 さらに、引用商標3は、「PENGUIN」の文字を書してなるから、これより「ペンギン」の称呼及び観念を生ずるものである。 そうすると、本件商標と引用商標1及び2は、それぞれの特徴及びその全体の構成から受ける外観上の印象の著しい差異により、両者は、その外観において、判然と区別し得るものと認められる。 そして、引用商標2及び引用商標3よりは、いずれも「ペンギン」の称呼及び観念を生ずるとしても、本件商標と引用商標1からは、特定の称呼及び観念を生じないこと上述のとおりである。 してみると、本件商標よりは、単なる「ペンギン」の称呼及び観念を生じないにもかかわらず、これより「ペンギン」の称呼及び観念を生ずることを前提として、本件商標が引用商標1ないし3と類似するとの主張は、その前提を欠くものであり、採用することができない。 そうすると、本件商標は、引用商標1ないし3と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ないから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当すると認めることはできない。 (2)本件商標の登録出願時前に、我が国において、引用商標1がゴルフウェア等に使用されて件外マンシングウェア社及び申立人(東洋紡績等)の業務に係る商品を表示するものとして当該商品の取引者、需要者の間において広く知られるに至っており、同様に、引用商標2及び引用商標3が書籍等に使用されて申立人(ペンギンブックス)の業務に係る商品を表示するものとして、当該商品の取引者、需要者の間において広く知られるに至っているとしても、本件商標は、前述のとおり、引用商標1ないし3とは全く別異の商標であって、商標権者がこれをその指定商品に使用しても、引用商標1ないし3を連想又は想起させるものとはいえないばかりでなく、当該商品が件外マンシングウェア社及び申立人(東洋紡績等)又は申立人(ペンギンブックス)若しくは、それらと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというのが相当である。 してみると、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当すると認めることもできない。 (3)結び したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 ![]() (2)引用商標1 ![]() 注:色彩については原本を参照されたい。 (3)引用商標2 ![]() |
異議決定日 | 2004-06-28 |
出願番号 | 商願2000-31866(T2000-31866) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Z16)
T 1 651・ 271- Y (Z16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 飯島 袈裟夫 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 山本 良廣 |
登録日 | 2000-10-27 |
登録番号 | 商標登録第4427619号(T4427619) |
権利者 | ジャス・インターナショナル株式会社 |
代理人 | 村田 紀子 |
代理人 | 吉崎 修司 |
代理人 | 三枝 英二 |
代理人 | 中川 博司 |
代理人 | 三枝 英二 |
代理人 | 掛樋 悠路 |
代理人 | 武石 靖彦 |
代理人 | 掛樋 悠路 |
代理人 | 中川 博司 |
代理人 | 掛樋 悠路 |
代理人 | 中川 博司 |
代理人 | 三枝 英二 |