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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y293032 審判 全部申立て 登録を維持 Y293032 審判 全部申立て 登録を維持 Y293032 |
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管理番号 | 1100175 |
異議申立番号 | 異議2003-90764 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-08-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-11-21 |
確定日 | 2004-06-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4702182号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4702182号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4702182号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年10月4日に登録出願され、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年8月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の7件の登録商標を引用している(以下、これらの商標を「引用商標」と総称する。)。 (a)登録第2574060号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成3年2月28日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものである。 (b)登録第2685537号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成3年3月5日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年7月29日に設定登録されたものである。 (c)登録第3175529号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年6月29日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年7月31日に設定登録されたものである。 (d)登録第3185877号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年6月29日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年8月30日に設定登録されたものである。 (e)登録第2659294号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成3年11月15日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年5月31日に設定登録されたものである。 (f)登録第2649438号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成3年12月16日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録されたものである。 (g)登録第2602099号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成3年11月26日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年11月30日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、「サクラ」の称呼及び「桜」の観念を共通にするばかりでなく、桜の図形の描出方法を同じくし、図形中のアルファベットも何らかの関係を有するものと認識させる「TB」と「B」である。 したがって、両者は、非常に紛らわしく、需要者に誤認混同をきたすこと明らかな類似の商標であり、指定商品も同一又は類似のものである。 (3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 申立人は、平成15年9月にブランド名を「Pasco」に統一するまで、創業以来80余年にわたり、「桜マーク」を商品の「パン、菓子」に使用し続け、本件商標の出願日には、取引者・需要者の間において、広く認識されるに至っていたものであるから(甲第11号証ないし同第123号証)、本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれが非常に高い。 (4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)に示すとおり、図形部分もそれ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるところ、該図形部分は、桜の花びらの中に、やゝ斜めに表したアルファベットの「TB」の文字を配した構成からなるものである。 他方、引用商標は、別掲(2)及び(3)に示すとおり、桜の花びらの中に、特徴のある書体をもってアルファベットの「B」の文字を配した構成からなる図形をその要部とするものである。 そこで、両商標の図形部分を比較するに、両者は、いずれも、桜の花びらの図形を構成要素中に有しているとしても、桜は、我が国の国花であり、古来より、花王と称されているものであることから(岩波書店発行「広辞苑」参照)、一般にも極めて親しまれており、桜の花びらの図形は、商標としても採択され易い図柄であるといえる。そして、両商標の桜の花びらの図形部分は、格別特異な構成からなるものではなく、一般的に描写される形状の一類型とみられるものである。 そうとすれば、両商標の桜の花びら部分のみが格別に強い印象を与えるものとはいえず、むしろ、花びらの中の文字部分にも注意が注がれ、花びら部分と文字部分の全体をもって一体的な構成からなる図形商標として理解、認識され、記憶されるものというべきであるから、桜の花びら部分のみを捉えて取引に供されることはないものとみるのが相当である。 そして、花びらの中の文字部分については、本件商標にあっては、やゝ斜めに表した「TB」の文字からなるものであり、引用商標にあっては、特徴のある書体をもって表した「B」の文字からなるものであって、外観及び称呼のいずれにおいても別異のものであって、紛れるおそれは認められない。 してみれば、両商標におけるアルファベットを含む図形部分は、その構成全体から受ける視覚的印象を明らかに異にするものというべきであるから、これを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものというべきである。 また、本件商標の該図形部分からは、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、両商標の図形部分の称呼及び観念については、比較することはできない。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 (3)むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
(別掲) (1)本件商標 ![]() (2)引用登録第2574060号商標 引用登録第2685537号商標 引用登録第3175529号商標 引用登録第3185877号商標 ![]() (3)引用登録第2659294号商標 引用登録第2649438号商標 引用登録第2602099号商標 ![]() |
異議決定日 | 2004-06-01 |
出願番号 | 商願2002-89067(T2002-89067) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y293032)
T 1 651・ 26- Y (Y293032) T 1 651・ 25- Y (Y293032) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 津金 純子 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
柴田 昭夫 鈴木 新五 |
登録日 | 2003-08-22 |
登録番号 | 商標登録第4702182号(T4702182) |
権利者 | 多摩ビヴァレッジ株式会社 |
商標の称呼 | テイビイ、タマビバレッジ、ビバレッジ |
代理人 | 福田 鉄男 |
代理人 | 岡田 英彦 |
代理人 | 犬飼 達彦 |