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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117 |
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管理番号 | 1098381 |
審判番号 | 取消2003-30178 |
総通号数 | 55 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-07-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2003-02-14 |
確定日 | 2004-05-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1488505号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第1488505号商標の指定商品中、第25類「被服」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標登録の取消しの審判 1 本件商標 本件商標登録の取消しの審判に係る、登録第1488505号商標(以下「本件商標」という。)は、「ARA MAC」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年3月1日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同56年11月27日に設定登録、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ現に有効に存続しているものである。そして、指定商品については平成14年10月16日付けで、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」に書換登録されているものである。 2 本件商標登録の取消しの審判 本件商標登録の取消しの審判は、商標法50条により、本件商標の指定商品中「被服」について、登録の取消しを請求するものである。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても指定商品中「被服」について使用されていない。よって、当該商品に係る本件商標登録は、商標法50条1項の規定により取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)商標法50条は、商標の不使用について正当な理由がある場合を除いて、登録商標が審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者等により使用されていることを被請求人が立証しない限り、当該商標登録の取消しを免れない旨規定する。したがって、被請求人は、本件商標が前記期間内に商標権者等により使用されている事実も併せて立証する必要がある。しかし、乙第1号証及び同第2号証は、使用の時期及び使用主体について何ら立証するものではなく、本件商標の使用証拠としては不十分かつ不適法なものである。 (2)請求人が調査したところによれば、被請求人は「ARAMAC」なる店名の紳士服販売店舗を自己の運営する百貨店内に複数出店していたが、平成11年頃に当該店舗はすべて閉鎖され、その後すぐに、いくつかの在庫商品が他の流通経路に流出したようである。乙第1号証及び同第2号証として提出された写真中の商品及び包装用紙袋は、おそらくは前記閉店の際に残った在庫の一部と思われるが、被請求人が事業(当該商品の製造又は販売)を中止した後においては、たとえ被請求人が現在も在庫商品を所持していたとしても、文理上、当該行為は商標法2条3項に規定する商標の使用には該当しない。また、被請求人の統制が及ばない範囲において当該在庫商品が第三者により転売等されているとしても、当該事実のみをもって被請求人又は使用権者自身が登録商標を使用をしているということはできない。仮に、これらの行為が法上の使用として認められるとすれば、在庫商品を所持している限り不使用取消しを免れることとなり、商標法50条の規定の趣旨にも反すること明らかである。 (3)以上申し述べたごとく、被請求人による答弁は、商標法50条2項に規定する要件を満たさず、よって、同条の規定により本件商標登録はその指定商品中の「被服」について取り消されるべきものである。 第3 被請求人の答弁 1 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証を提出した。 2 被請求人の主張 本件商標は別紙添付の写真に示される通り、現に本件指定商品中の「ズボン」において使用されており、不使用を理由に取り消されるべきではない。 すなわち別紙添付の乙第1号証及び同第2号証において示される通り、本件商標は商品「ズボン」において商標を表したタッグをズボンに縫い付けることによって使用されており、また、この「ズボン」さらには他の被服を販売するに際して使用する包装紙にも本件商標が印刷されており、商品「ズボン」、その他の被服との関係において本件商標が使用されていることは明らかである。 よって本件商標は、商標権者によって商品「ズボン」等に使用されていることは明らかであり、不使用であるとする請求人の主張は何等理由がない。 第4 当審の判断 被請求人(商標権者)が提出した乙第1号証及び同第2号証によれば、本件商標が、本件取消請求に係る商品「被服」の範疇に属する商品「ズボン」に使用されていることは認められるものの、これらによっては、本件商標が、いつ、誰により使用されたのかが把握できない。 したがって、乙第1号証及び同第2号証のみでは、本件商標が商標権者あるいは使用権者により本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されているということはできない。 そして、被請求人は、この旨をいう請求人の弁駁に対して何らの反論・立証をしていない。 してみれば、被請求人は、本件商標を本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において使用していたことを証明したということができない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、その指定商品中の「被服」についての登録は、商標法50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-04-06 |
結審通知日 | 2004-04-08 |
審決日 | 2004-04-20 |
出願番号 | 商願昭52-13329 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(117)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 飯島 袈裟夫 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 宮川 久成 |
登録日 | 1981-11-27 |
登録番号 | 商標登録第1488505号(T1488505) |
商標の称呼 | アラマック |
代理人 | 大島 泰甫 |
代理人 | 杉山 直人 |
代理人 | 稗苗 秀三 |
代理人 | 阪本 英男 |
代理人 | 後藤 誠司 |
代理人 | 山崎 行造 |