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審決分類 審判 一部無効 称呼類似 無効としない 009
管理番号 1096607 
審判番号 無効2003-35281 
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-07-08 
確定日 2004-04-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4167933号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4167933号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成8年9月11日に登録出願され、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム,動力付床洗浄機,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」を指定商品として、平成10年7月17日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2722334号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年3月27日に登録出願され、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成9年7月4日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出している。
1 請求の理由
(1)請求の根拠
本件商標は、引用商標と商標の構成が類似し、且つ本件商標の指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、引用商標の指定商品「写真」と類似するため、本来、商標法第4条第1項第11号を理由に拒絶されるべきであったにもかかわらず登録されたものであるから、無効とされるべきである。
なお、請求人の出願に係る商願2001-99564号(「Goo Parts」及び「グーパーツ」を二段に書した商標)に対し、本件商標を引用して拒絶理由が通知されていることから、請求人は本審判を請求することについて利害関係を有するものである。
(2)無効理由について
本件商標は、「G」「O」「O」の欧文字を斜め下方に連続させて配置しており、若干の図案化がされてはいるものの、単に「G」「O」「O」の各文字を太字にし、且つ文字相互を連続させているにすぎないから、全体として「GOO」の欧文字によって構成されていると認識することができ、「グー」の称呼を生じさせる。
また、甲第3号証は、インターネット上で本件商標が使用されているものをダウンロードし印刷したものであるが、ここでは、本件商標を使用する際、本件商標の下段に「Wonder GOO」の欧文字を配し、しかも、所々に「ワンダーグー」なる称呼が示されている。また、本件商標の下段に、さらに、「Wonder」と「GOO」の欧文字を二段に書し、「GOO」の文字部分を大きく示して強調した上で使用している場合も存する。このような本件商標の現実の使用態様をみるならば、本件商標の権利者自身、本件商標が需要者に「GOO」の文字から構成され「グー」と称呼されるとの認識のもとで本件商標を出願し登録を受けているものと思料することができる。この点からも、本件商標が「グー」の称呼を生じさせることは明らかである。
一方、引用商標は、「GOO」の欧文字を普通の書体で書してなるものであるから、当然に「グー」の称呼が生じる。
よって、本件商標と引用商標は、いずれも「グー」の称呼を共通にする相互に類似する商標であると考えるのが相当であり、また、本件商標の指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」は、引用商標の指定商品「写真」と類似の関係にある。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に関して、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当することが明らかである。
よって、請求人は請求の趣旨のとおり、本件商標の登録を無効とすることについての審決を求める。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、請求人の第一の主張の第1の誤りとして、本件商標の構成文字は「G」「O」「O」の文字と認識し得ず、本件商標を公平・冷静に観察するならば、「COO」、「UOO」、「U∞」、「U8」等、様々な見方ができると主張し、恰も本件商標の先頭(上部)の文字が、欧文字の「G」ではないかのような答弁をしている。
しかしながら、被請求人の上記のような答弁は明らかに妥当性を欠くものといえる。
そこで、まず、欧文字「G」の特徴を検討してみると、本来、欧文字の「G」は正式に記したならば、「C」の文字の右下側端部に「T」を付してなるが、当該「T」の縦棒及び右側の横棒を省略して、「C」の右下側端部に内側へ水平に折れ曲がる横棒を設けて「G」と記すこともごく一般的に行われている。ちなみに本件商標の引用商標として掲げた登録第2722334号も「G」と記されているし(甲第4号証・甲第5号証)、被請求人が本件商標の現実の使用に際し、本件商標と併記している「Wonder GOO」も「G」と記している(甲第3号証)。そして、上に述べたことに照らして考えるなら、欧文字「G」の最も特徴的な部分は、欧文字「C」の右下側端部に内側へ水平に折れ曲がる横棒を設けている点にあるといえる。
このような欧文字「G」の特徴を前提として本件商標をみると、本件商標の先頭の文字は、若干の図案化が施されているものの、「C」の文字の右下側端部が内側へ水平に折り曲げた横棒を有している欧文字「G」の特徴が明確に表されている。よって、本件商標の程度の図案化であるならば、これに接した需要者、取引者は、当該文字が欧文字「G」であると認識するであろうことは容易に想像することができる。
また、被請求人は、本件商標の先頭の文字を「C」や「U」にも見えるかのごとく主張しているが、欧文字の「C」及び「U」は、いずれも上述した欧文字「G」の特徴(「C」の下方端部に内向きの水平横棒が設けられている点)を有していないのであるから、このような主張も妥当性を欠くことは明らかでる。
さらに、被請求人は、「G」に続く「O」「O」を数字の「8」や「∞」等の様々な見方ができると主張しているが、一般に、先頭の文字が欧文字の「G」と認識できたならば、それ続く文字も欧文字であるととりあえず想像し、先頭の文字とそれに続く欧文字の結合がよほど不自然でない限り、当該文字は欧文字であるとそのまま認識し、記憶すると考える方が自然である。
(2)次に、被請求人は、請求人の第一の主張の第2の誤りとして、モノグラム商標を例にあげ、『「G」「O」「O」の欧文字より構成されていると認識することが、「グー」の称呼を生じることに直結するものではない』との答弁をしている。
確かに、文字をモチーフとした商標であっても、その図案化の程度が高く、すなわち、モチーフとした当該文字がもはや文字とは認識できない程度にまで図案化されているのであれば、その商標を本来の文字どおりに称呼することはできないといえるかもしれない。
しかしながら、商標が文字から構成されていると認識できる限りにおいては、たとえそれに若干の図案化が施されていたとしても、一定の称呼は生じるはずである。
この点、被請求人は、乙第1号証を掲げ、文字をモチーフとした商標が、当該文字どおりに称呼されなかったと主張しているが、当該審決の理由には、当該文字が我国国民に馴染みのない“クロイスター・ブラック”という特殊な書体によって構成されているため、我国需要者等が当該文字を文字として認識できず、故にその文字に対応する称呼を生じないとしているのであって、これを本件商標の図案化の程度についての問題と一緒に考えることはできないはずである。また、被請求人は、乙第2号証を掲げて同様の主張をしているが、当該審決の理由に示した判断は、「ムーンクラフト」を一連で把握するか、あるいは「ムーン」と「クラフト」の部分を分離して把握すべきかを示したもので、これも本件商標の図案化の程度と同様に考え得るものではないと解される。さらに、被請求人が乙第3号証として掲げたものに至っては、後に商標登録無効審判が請求され、当該審判において「Mitsui」の文字は「ミツイ」の称呼を生じるとの判断がなされ、当該商標登録が無効とされている(甲第6号証・甲第7号証)。
思うに、文字をモチーフとした商標が当該文字のとおりに称呼されるべきか否かは、当該文字の図案化の程度を基準とすべきである。そして、当該文字について、仮に若干の図案化がなされていたとしても、未だ文字と認識できる以上、当該文字からなる商標は、その文字に伴う通常の称呼が生じると考えるべきである。なぜなら、商標を構成する文字に、たとえ図案化が施されていたとしても、これに接した需要者が文字として認識できたなら、需要者はその文字にしたがってその商標を称呼することは当然だからである。
これを前提に本件商標の図案化の程度をみると、まず、本件商標の先頭の文字「G」は、隅角部の角をとって全体的に丸みをもったデザインとされ、かつやや太字で示されてはいるものの、「G」の文字の特徴である「C」の右下側端部を内側へ水平に折り曲げた横棒を有してなる点がみてとれ、依然として欧文字「G」と認識できる程度の図案化しかなされていないといえる。同様に「G」に続く文字「O」「O」も、やや太字で示されているに過ぎないから、これらの文字も依然として欧文字の「O」「O」であると直感できる。さらに、本件商標は、各文字を若干重ね合わせているもののこれも文字の認識を維持しつつ図案化する際に普通に行われる程度のものである。
そして、近時の商業広告等において、文字のデザイン化が多様に行われている事情に鑑みるならば、本件商標のように、欧文字に丸みをもたせ、これを太字で表し、かつ文字相互を若干重ね合わせる程度の図案化は、しばしば見受けられるものであって、この程度の図案化で本件商標の構成要素が文字とは認識されないとは到底考えることはできないといえる。
よって、本件商標の図案化の程度であれば、本件商標は欧文字「G」「O」「O」を構成要素とし、「グー」の称呼が生じることは明らかである。
(3)なお、過去の審決例をみても、例えば、文字を重ね合わせたものであっても文字として認識し得るとの判断が示され(甲第8号証・甲第9号証・甲第10号証)、また、丸みをもって欧文字を図案化したものでも文字として認識し得るとの判断もなされている(甲第10号証・甲第11号証・甲第12号証)。ちなみに、この審判で判断された文字の方が本件商標よりも図案化の程度が高いと見てとれる。さらに、過去の審決では、現在の商業広告の実情からすれば、文字に図案化がなされていても文字として認識できる以上、その文字に対応する称呼は生じるとの判断が示され(甲第9号証・甲第13号証・甲第14号証)、また、たとえモノグラム商標であっても図案化の程度が低ければ文字として認識し得るとの判断もなされている(甲第15号証・甲第16号証)。
(4)被請求人は、『本件商標は、店舗「Wonder GOO」の「シンボルマーク」であって、「グー」と読ませることを目的に開発されたマークではない』と主張するが、甲第3号証に示すように本件商標の現実の使用に際し、本件商標と「Wonder GOO」の文字を併記して使用している限り、その開発の意図に拘らず、本件商標に接した需要者・取引者は、本件商標を「GOO」の欧文字からなると認識することは当然のことであると解される。特に本件商標の図案化の程度であればなおさらである。
(5)また、被請求人は、『商標から生じる称呼を検討する場合、純粋にその商標の態様から判断すべきであり、その商標に関連する商標の使用態様等の他の情報を参考にすべきではない』とし、その根拠を我国商標法が登録主義を採用していることを理由としている。
しかしながら、これは明らかに我国商標法が採用する登録主義の意味を誤って解釈しているとしかいいようがない。すなわち、確かに我国商標法は登録主義を採用し、原則として出願された商標が一定の登録要件を満たしたならば商標登録を認めることとしているが、だからといって使用主義的な考えを一切否定しているわけではない。現実に我国商標法は、登録主義を前提としつつも、例えば、第3条第1項柱書で出願に際し、未必的とはいえ使用意思を確認し、また、第4条第1項第10号では未登録周知商標の保護をも考慮に入れ、さらには、第50条不使用取消審判を採用するなど、種々の点で使用主義的な考えを加味している。これは、そもそも商標は、現実に使用されてはじめて商標としての機能、すなわち、出所表示機能等の諸機能を発揮し得るという商標の持つ本質的な性質によるものである。
この点、本審判において問題となっている第4条第1項第11号もまさに商標のもつ出所表示機能を担保すべく、対比する商標が互いに商品の出所の混同を生じさせることのないようにした規定であって、この規定の類似判断においても現実の取引の実情が明らかな限り、これを考慮に入れて判断されるべきことは当然である。
ちなみに、出願された商標の審査過程で類否判断をする際に、現実の取引の実情が考慮されずになされることが多いのは、登録主義の下では、机上の審査によらざるを得ないため、事実上、現実の取引実情を考慮することが困難だからであって、それをすべきではないということではでない。むしろ、商標登録無効審判は、こうした登録主義下の審査の限界を担保すべく、当事者双方に新たな証拠を提出させ、当事者双方の攻防(主張・立証)に基づいて判断することをも目的の1つとしていると解される。
なお、上述のような考えに基づいて、すなわち、類似判断において、現実の取引の実情が明らかにされている限り、これを考慮して判断すべきことは最高裁の判例においても明らかにされている(甲第17号証)。
(6)よって、被請求人の主張は、明らかに誤りであって、本件商標と引用商標(甲第1号証・甲第2号証)との類似判断においても、被請求人による本件商標の使用態様が明らかになっている以上、これを考慮に入れて判断すべきである。故に、現実の使用において、「Wonder GOO」の文字を併記する本件商標に接した需要者・取引者は、本件商標を「GOO」の欧文字から構成され、「グー」の称呼を生じると認識することは明らかであり、このことからも本件商標と引用商標(甲第1号証・甲第2号証)とは相互に類似する商標であるといい得ることは明白である。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出している。
(1)本件商標と引用商標の態様
引用商標は、欧文字で「GOO」と横書きして成り「グー」の称呼及び「べたつく」程度の意味を有する英語と認められる。
一方、本件商標は、欧文字の「O」又は、ドーナツ状の輪を組み合わせ、煙りが立ち上る様にデザインして成るモノグラム商標であり、特定の称呼・観念を有していない。
(2)本件商標と引用商標の自然な比較
上記態様から、両者の外観における相違は明らかである。又、本件商標は、その態様から自然称呼を生じないモノグラム商標であるため、引用商標との間で称呼・観念上は相互に比較する余地がない。
よって、本件商標と引用商標とは、その外観・称呼・観念を異にするため、常識的に考えるならば両者は非類似である。
(3)請求人の主張
第一に、「本件商標は、「G」「O」「O」の各文字を太字にし、且つ相互に連続させているに過ぎないので、全体として「GOO」の欧文字より構成されていると認識することができ、「グー」の称呼を生じる。」と述べている。
第二に、「本件被請求人のホームページから、被請求人自身、本件商標が需要者に「GOO」の文字から構成され「グー」と称呼されるとの認識の基で本件商標を出願し登録を受けていると思料されるので、本件商標から「グー」の称呼を生じることは明らかである。」と述べている。
(4)被請求人の主張(請求人の第一の主張について)
請求人の第一の主張には、2つの明らかな誤りがある。第1の誤りは、本件商標の構成文字を「G」「O」「O」の文字と断定したことである。
即ち、本件商標は、欧文字からデザインされたのか否かさえ不明であるにもかかわらず、構成文字を決めつけることはできないからである。又、請求人の特異な観察を正当化するのであれば、それなりの根拠があってしかるべきであると考えるが、この点についても何らの立証もされていない。実際に、本件商標を、公平・冷静に観察するならば、「COO」、「UOO」、「U∞」、「U8」等様々な見方をすることができる。今回の請求人の主張は、例ば「OO」・「∞」・「8」が恰も同じものであるかのような暴論と同様に、根拠のない主張と言わざるを得ない。
第2の誤りは、全体として「G・O・O」の欧文字より構成されていると認識することが、「グー」の称呼を生じることに直結すると主張していることである。
しかし、この請求人の主張は、明らかに現実に反しており、到底採用されるべき主張ではない。即ち、欧字モノグラム商標(被請求人は、本件商標が、いわゆる欧字モノグラムであると認めた訳ではない。)の場合、そのモチーフとなる文字が認識できたとしても、その文字に相応する称呼を生じるとは限らないからである。この被請求人の主張は、審決例でも裏付けられている。例えば「クロイスター・ブラック」と言う字体の「ELE」からなることは明らかであっても特定の称呼・観念を生じないとした審決(乙第1号証)、筆記体で明らかに「craft」と書かれていても「クラフト」の称呼を生じないとした審決(乙第2号証)、明らかに「Mitsui」と書かれていても「ミツイ」の称呼を生じないとした審決(乙第3号証)等多数の判断例が存在している。
したがって、本件商標の場合単に構成文字が認識されるのみでは足りず、例えば、「その文字が普通に使用されているか否か」「文字として描かれているか否か」等を判断しなければならない。しかし、本件商標は、上述の如く構成でさえも一義的に認識できないため、文字として普通に使用されていないことは明らかである。よって、請求人の第一の主張は採用できない。
(5)被請求人の主張(請求人の第二の主張について)
請求人の第二の主張は、誤りである。
まず、被請求人が「WonderGOO」なる店を経営し、この店の名称を種々の態様で使用していることは事実である。しかし、本件商標は、店舗「WonderGOO」の「シンボルマーク」であって、「グー」と読ませることを目的に開発されたマークではない。もし読ませることを目的に開発されたマークであるならば、誰でも一義的に構成文字を認識できる態様でデザインされたはずだからである。
更に、商標から生じる称呼を検討する場合、純粋にその商標の態様から判断すべきであり、その商標に関連する商標の使用態様等の他の情報を参考にすべきではない。我が国では、登録主義を採用するからである。
例えば、権利者の会社名から類推すれば「シルバー」の称呼を生じることがあるとも考えられるが、「シルバー」の称呼は生じないとした審決(乙第4号証)、一般に「ピーエスツー」と認識されそのように宣伝されているにもかかわらず、「ピーエスツー」の称呼を生じないとした審決(乙第5号証)等の判断例が存在している。
従って、本件商標についても、その構成態様から判断すべきである。この立場からすると、上述の如く、本件商標から「グー」の称呼は生じないものと確信する。
(6)まとめ
よって、請求人の主張はいずれも誤りであり採用されるべきものではなく、本件商標から「グー」の称呼は生じない。従って、本件商標は、引用商標との比較において、その外観・称呼・観念のいずれにおいても非類似であり両者は相互に非類似の商標である。
かかる主張は被請求人の独断ではなく、同様の立場かなされた審決は、上述の例以外にも多数存在している。例えば、乙第6号証ないし乙第13号証等多数の判断例が存在している。従って、本件商標についても上記審決例と同様の判断を求める次第である。
(7)結論
以上述べた通り、本件審判請求に係る登録商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず登録されたものではなく無効理由を有していない。

第5 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成は極めて図案化された態様で表されており、これに接する取引者、需要者がその特異な外観に強い印象を受け、その特長のある外観を記憶し取引に当たるとみるのが相当である。
そうすると、請求人の提出に係る甲第3号証を考慮しても、本件商標の構成全体よりは、直ちに「GOO」の文字を想起し、特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標とは、称呼、観念において比較すべくもない。
また、本件商標と引用商標とは、外観において容易に区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念において類似するものとすることはできない。
なお、請求人は、欧文字「G」の特徴を種々述べ、「本件商標の先頭の文字が欧文字『G』であると認識するであろうことは容易に想像することができる。」旨主張しているが、本件については、上記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用の限りでない。
また、請求人の提出に係る甲第8号証ないし甲第16号証の審決例は、本件と事案を異にするものであるから、この点に関する請求人の主張は採用の限りでない。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本件商標

(2)引用商標


審理終結日 2004-02-24 
結審通知日 2004-02-27 
審決日 2004-03-09 
出願番号 商願平8-102791 
審決分類 T 1 12・ 262- Y (009)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 薫
登録日 1998-07-17 
登録番号 商標登録第4167933号(T4167933) 
商標の称呼 ジイオオオオ、ゴー、グー 
代理人 涌井 謙一 
代理人 伊藤 浩二 
代理人 鈴木 正次 
代理人 山本 典弘 
代理人 鈴木 一永 
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