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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z29
管理番号 1096492 
審判番号 不服2002-20071 
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-15 
確定日 2004-04-07 
事件の表示 商願2001-78487拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ゼルンボン」の片仮名文字と「Zerumbone」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第29類「生姜を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・液状・ペースト状・カプセル状の加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成13年8月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『ゼルンボン』及び『Zerumbone』の文字を二段に書してなるところ、これは、インド、東南アジアに広く自生するショウガ(ハナショウガ)の根茎から抽出して得られる天然有機化合物の『Zerumbone(ゼルンボン)』を認識させるものであるから、これをその指定商品中『生姜を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・液状・ペースト状・カプセル状の加工食品』に使用するときは、これに接する取引者・需要者は『生姜から抽出したZerumbone(ゼルンボン)が含まれた商品』であると理解するにすぎず、単に商品の品質、原材料を表示したものであり、自他商品識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「ゼルンボン」「Zerumbone」の各文字を書してなるものであるところ、「ゼルンボン(Zerumbone)」の語については、共立出版株式会社1997年9月20日縮刷版第36刷発行「化学大辞典5 縮刷版」の「ゼルンボン(zerumbone)」の項に「・・・ショウガ科 Zingiber zerumbet Smithの根茎の精油中に存在する。・・・」との記載が認められる。
そして、インターネットにおいて、例えば、「沖縄県保健食品開発協同組合」の開発した商品「強化春ウコン」の説明資料(http://www.yakusou.jp/download/04.pdf)中、「白ウコン」の項には、「学名Zingiber zerumber Smith 英名Shampoo gingerまたはWild ginger 別名ハナショウガ インド原産といわれるショウガ科の多年生植物で、東南アジア一帯から広く南太平洋や沖縄諸島に分布し、沖縄ではムザヌウッチンと呼ばれています。・・・白ウコンは特に膵臓によく、糖尿病には大きな効果を発揮する品種といわれています。そのほかに、高血圧、痛風、疲労回復、水虫にも効果があるそうです。・・・紫ウコンと同じく、クルクミンはほとんど含まれていませんが、「ゼルンボン」という精油成分を含んでいます。京都教育大学理学科有機科学研究室の報告によりますと、白ウコンの精油成分の約80%は、このユニークな骨格を持つ「ゼルンボン」という化合物で出来ているとのことです。」との記載が認められる。
また、「ゼルンボン」についての研究がなされており、例えば、近畿大学農学部のホームページでは、次のような記載が認められる。
「・・・それは、ハナショウガ(Zingiber zerumbet Smith)であり、その主成分であるゼルンボン(zerumbone)であると考えています。・・・この植物を選んだ理由は以下の通りです。1・ハナショウガの生育が非常に容易で、大量生産が可能なこと 2・主要成分であるゼルンボンが精油中に80%も含まれているため、大量に入手できること 3・ぶつ切りにしたハナショウガ根茎を水蒸気蒸留するだけでゼルンボンの精製を行うことができること 4・ゼルンボンは室温で、メントールや樟脳のように固体で得られる(融点:約68℃)こと これらは大きな産業に発展させるための非常に大きな利点となります。・・・」(農芸化学科:http://www.nara.kindai.ac.jp/nogei/kobunshi/zerumbone2.htm)
「また、ゼルンボンはHIV抑制効果、抗癌効果、抗炎症効果など、重要な生理活性を有していることも分かってきました。これは、ゼルンボンのもつ二重共役系が重要な役割を果たしていると予想されます。現在、ゼルンボンを様々な化合物へ変換することによって、新たな医薬品の開発にも力を注いでいます。・・・」(農芸化学科:http://www.nara.kindai.ac.jp/nogei/kobunshi/zerumbone6.htm)
さらに、インターネットにおいて、京都大学大学院農学研究科 食品生物科学専攻 教授 大東 肇氏の基調講演「食品の機能成分に関する最近の動向:がん予防を中心に」(「http://www.jst.go.jp/chiiki/miyazaki/yokou/kichoupro.pdf 」「http://www.jst.go.jp/chiiki/pdf/miyazaki.pdf」)のなかで、次のような記載が認められる。
「・・・以上のような経過で種々検討された結果、現在のところ、東南アジア産ショウガ科植物由来の1'-acetoxychavicol acetate(ACA:ナンキョウ)とzerumbone(ZER:ハナショウガ)、および柑橘由来のaurapetene(AUR:主としてナツダイダイ)ならびにnobiletin(NOB:ウンシュウミカンなど多様な柑橘類)の4種の化合物が高く評価できるがん予防成分として生き残っている。・・・」(http://www.jst.go.jp/chiiki/miyazaki/yokou/kichouyoushi.pdf)
上記の実情よりすると「ゼルンボン(zerumbone)」は、「ハナショウガの精油中の成分」であり、昨今の健康食品ブームの中、様々な研究・開発がなされる商品の原材料(成分)と認められるものであることをうかがい知ることができる。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ハナショウガの精油成分であるゼルンボンを原材料(成分)とした商品」であると認識し、商品の品質、原材料を表示したものと理解するにとどまるものであるから、結局、商品の品質、原材料を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、「・・・この有機化合物『Zerumbone(ゼルンボン)』は、例えば『アミノ酸』、『ビタミン』等のように一般にも使用され得る上位概念の名称ではなく、無数に存在する化合物中の周知度の著しく低い特定の一化合物に過ぎないため、将来においても一の有機化合物にすぎない『Zerumbone(ゼルンボン)』が需要者等に知られることとなる蓋然性は全くありません。このことは、従来から健康や美容に必須のものとして『アミノ酸』や『ビタミン』が需要者・取引者によく認識され、使用されているにもかかわらず、これらの下位概念、例えば『イソロイシン』等の名称は需要者・取引者に全く知られておらず、このような下位概念に属する物質名の名称を用いて取引が行われることが通常でないことからも明らかであります。」と述べて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、「ゼルンボン(zerumbone)」の文字が「ハナショウガの精油中の成分」の名称であり、商品の原材料になることは前記したとおりであって、本願商標は、自他商品の識別力を有しないものである。
また、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから、一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるものであって、仮に「ゼルンボン(zerumbone)」が一般に知られていない場合であっても、本願商標は、前記の趣旨からして特定人に独占させることが適切ではないものである。
よって、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-01-27 
結審通知日 2004-01-30 
審決日 2004-02-13 
出願番号 商願2001-78487(T2001-78487) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 柳原 雪身
井出 英一郎
商標の称呼 ゼルンボン、ゼルムボン、ゼランボン 
代理人 小山 方宜 
代理人 福島 三雄 
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