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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y07
審判 全部申立て  登録を維持 Y07
審判 全部申立て  登録を維持 Y07
管理番号 1095236 
異議申立番号 異議2003-90408 
総通号数 53 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-22 
確定日 2004-04-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第4661948号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4661948号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4661948号商標(以下「本件商標」という。)は、「FAST SHELL」の欧文字を横書きしてなり、2002年6月7日イタリア共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年8月21日に登録出願され、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年4月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人 シェル インターナショナル ペトロリウム カムパニー リミテッド(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標(以下、これらの商標を「引用商標」と総称する。)を引用しており、いずれも現に有効に存続しているものである。
(a)「SHELL」の欧文字を横書きしてなり、平成6年9月30日に登録出願され、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年5月22日に設定登録された登録第4146987号商標。
(b)「シェル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成6年9月30日に登録出願され、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年7月3日に設定登録された登録第4161778号商標。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「FAST」と「SHELL」の文字が明瞭に離れているから、これらが分離して認識されることは明らかであり、「FAST」の語は「早い」などの意味を有するため、本件商標の指定商品「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具」等に関して、きわめて識別力が弱く、本件商標中「SHELL」の部分が独立した要部として認識されるというべきである。
そうとすれば、本件商標は、単に「SHELL」の部分のみによって特定される可能性が高く、あるいは、「SHELL」の部分が強調され、「SHELL」の部分が本件商標の外観及び称呼上、当業者・需要者に対し強い印象を与えることは疑いない。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第8号及び同第15号について
申立人は、石油化学製品の分野において国際的に著名な企業であることは我が国でも広く知られているところであり、我が国においては、「昭和シェル石油株式会社」等の多数の関連会社を有し、石油・石油製品・化学製品工業を中心に幅広い営業活動を長年にわたり行っているばかりでなく、世界的な石油採掘事業などを行っている企業であり、現に採油機、さく井機、金属加工機械、荷役機械など、本件商標に係る指定商品と抵触する商品を製造・販売・使用している(甲第2号証ないし同甲第57号証 異議決定等)。
申立人の使用に係る商標「Shell」(以下「使用商標」という。)は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名であるから、本件商標がその指定商品に使用されれば、申立人の業務にかかわる商品であるかの如く商品の出所を誤認混同させるおそれがある。
また、本件商標は、申立人の著名な略称でもある「Shell」の文字を含むものであるにもかかわらず、申立人から何ら承諾を得ていない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成よりなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「ファーストシェル」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「FAST」の文字部分が「早い」等を意味する語であるとしても、その指定商品との関係において、商品の品質等を具体的に表すものとはいい難く、識別力が弱いものともいえないから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識、把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ファーストシェル」の称呼のみを生ずるものであって、単に「シェル」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「シェル」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第8号及び同第15号について
申立人の使用に係る「Shell」の商標が申立人の業務に係る石油化学製品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものであることを否定するものではないが、本件商標と使用商標とは、上記(1)で述べたところと同様の理由から、十分に区別し得る別異の商標と認められるものであり、加えて、「Shell」の語は、「貝殻」等を意味する成語として、我が国においても広く知られている英単語であることをも併せ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、「Shell」の標章が申立人の名称の著名な略称であるとしても、前記した本件商標の構成からみれば、「SHELL」の文字部分から直ちに、申立人の略称としての「Shell」を想起させるものとはいえないから、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標と認識されることはないものというのが相当である。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
なお、申立人は、本事件の判断の猶予を願い出ているが、結論に影響を及ぼすものとは認められないから、採用できない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2004-03-18 
出願番号 商願2002-70717(T2002-70717) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y07)
T 1 651・ 23- Y (Y07)
T 1 651・ 26- Y (Y07)
最終処分 維持  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
高野 義三
登録日 2003-04-11 
登録番号 商標登録第4661948号(T4661948) 
権利者 カルル エ モンタナリ エス・ピー・エー
商標の称呼 ファーストシェル 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 松尾 和子 
代理人 瀧野 秀雄 
代理人 大島 厚 
代理人 垣内 勇 
代理人 今井 貴子 
代理人 吉田 隆志 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 神田 正紀 

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