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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない 009 |
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管理番号 | 1095124 |
審判番号 | 審判1999-15125 |
総通号数 | 53 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-05-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-09-13 |
確定日 | 2004-03-09 |
事件の表示 | 平成 6年商標登録願第120035号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「SPECTRUM」の欧文字を横書きしてなり、第9類「電気通信機械器具,レコード,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、平成6年11月28日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成11年4月19日付け手続補正書をもって、「レコード,映写フィルム,スライドフィルム,録画済ビデオディスク及びビデオテープ」と補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由 原査定は、以下の登録商標を引用して、本願商標は、引用登録商標と称呼上類似する商標であって、その指定商品も引用登録商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。 本願商標の拒絶の理由に引用した登録第2029054号商標(以下「引用商標」という。)は、「SPECTRA」の欧文字と「スペクトラ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第24類「楽器、演奏補助品、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和60年8月23日登録出願、同63年3月30日に設定登録されたものであるが、指定商品中の「運動具」についての商標権は、平成7年9月11日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同7年12月26日になされたものである。 第3 当審の判断 1.本願商標と引用商標との対比及び両商標の指定商品の対比 (1)本願商標は、前記のとおり、「SPECTRUM」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「スペクトラム」の称呼を生ずるものである。 一方、引用商標は、前記のとおり、「SPECTRA」と「スペクトラ」の各文字を上下二段に書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「スペクトラ」の称呼を生ずるものである。 そこで、本願商標より生ずる「スペクトラム」の称呼と引用商標より生ずる「スペクトラ」の称呼とを比較するに、両称呼は、「スペクトラ」の音を共通にし、わずかに語尾において「ム」の音の有無の差異を有するにすぎないものである。 そして、差異音である「ム」の音は、両唇を閉じておいて、開きながら、呼気を鼻に抜いて出す鼻子音「m」と母音「u」との結合した音であり、その音自体やわらかい音として発音され、特に語尾に位置するときは、聴者に与える印象において弱い音として聴取されるといえる。加えて、前に位置する「スペクトラ」の音が比較的強く発音され、明瞭に響く音であることを併せると、該差異音は、一層弱い音として聴取されるというのが相当である。 そうすると、差異音である「ム」が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上相紛れるおそれがあるものといわなければならない。 また、「SPECTRUM」(本願商標)は、「スペクトル、残像」などを意味する語であり、「SPECTRA」(引用商標)は、「SPECTRUMの複数形」であることが認められ(「新英和中辞典」株式会社研究社、1983年発行)、観念上も相紛らわしいものといわなければならない。 したがって、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有するものであるとしても、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標というべきである。 (2)本願の指定商品中の「レコード」は、引用商標に係る指定商品中の「楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード」と同一又は類似の商品と認められる。 2.むすび 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、これを取り消すことはできない。 なお、請求人は、平成11年11月30日付け手続補正書において、引用商標について、商標法第50条の規定による商標登録の取消しの審判を請求したので、当該審判における審決がされるまで、審理の猶予願いを申し立てていたが、職権による調査によれば、上記審判(平成11年審判第31384号)は、平成14年11月6日付けの審決において、「請求は成り立たない」との結論がされ、その審決は、同15年3月18日に確定したことが確認し得たので、本件は、前記のとおり判断した。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-10-01 |
結審通知日 | 2003-10-10 |
審決日 | 2003-10-22 |
出願番号 | 商願平6-120035 |
審決分類 |
T
1
8・
26-
Z
(009)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中村 謙三 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 井岡 賢一 |
商標の称呼 | スペクトラム |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 伊藤 亮介 |