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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z09
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z09
管理番号 1090262 
審判番号 不服2001-1077 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-01-24 
確定日 2003-12-01 
事件の表示 平成11年商標登録願第119120号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ネックホン」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第9類「電気通信機械器具,イヤホーン,その他の電気通信機械器具の部品又は付属品,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成11年12月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『のどに当てて発声時ののどの振動を取り出すマイクロホン(のど当て送話器、のど当てマイクロホン)』の英語表記である『Neck Telephone』を容易に想起させる『ネックホン』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるから、これをその指定商品中『のど当て送話器』について使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は「ネックホン」の文字よりなるところ、その構成中の前半部の「ネック」の文字は、我が国でも「首」を意味する英語として親しまれた「neck」の語を片仮名で表記したものといえるものである。また、その後半部の「ホン」の文字は、「小学館ランダムハウス英和大辞典」(発行所 株式会社小学館)によれば、「電話(機);受話器⇒TELEPHONE」と記載され「telephone」と同義の意味合いを有するとともに、例えば、「megaphone」、「telephone」、「microphone」、「earphone」、「headphone」のように他の文字に連ねて連結詞として用いる場合には「音声の伝達・再生装置」の意味合いも有する「phone」の語を片仮名で表記したものといえるものである。
(2)原査定の拒絶の理由では、本願商標を「『のどに当てて発声時ののどの振動を取り出すマイクロホン(のど当て送話器、のど当てマイクロホン)』の英語表記である『Neck Telephone』を容易に想起させる」旨説示しているので、当審において、「ネックテレホン(neck telephone)」又は「ネックホン(neck phone)」の文字について職権をもって調査したところ、次の(a)ないし(k)の事実を発見したところである。
(a)「新版 電気用語辞典」(発行者 株式会社コロナ社)の630頁には、「のど当て送話器〔neck telephone〕」について、「のどに当てて発声時ののどの振動を取り出すマイクロホン。明りょう度は良くないが、飛行機の搭乗員が使用すればマイクロホンが視界を妨げたり酸素吸入のじゃまになるようなことはないという目的で作られた。あるいは発声の不自由な人が使って効果を上げる場合もある。」の記載がある。
(b)2000年7月26日付け中日新聞(朝刊)の14頁には、「2000年湖国 老いた母と話したい・・・音声拡聴器が大好評 伊吹出身 松田さん 高齢者のために商品化」の見出しの下に、「・・・お年寄りや耳の不自由な人向けに開発した『音声拡聴器』が好評を博している。開発の原点には、耳が遠くなった故郷に住む老母と普通に会話がしたいという切実な思いがあった。・・・商品のヒットを伝え、感謝の言葉を胸のうちでつぶやいた。秋にはネックホン型の新製品の発売を予定している。・・・」の記載がある。
(c)インターネットの「http://www.rakuten.co.jp/ngc/429658/490264/」のホームページには、「ハンズフリーマイク 身軽で便利な携帯拡声器」の見出しの下に、「マイクもスピーカーも体に取り付けられる携帯拡声マイクです。両手が自由に使え、動きながらの使用ができます。」の説明とともに、2種の同器を装着した写真があり、その写真の下に「A=ネックホン式」、「B=クリップ式」の記載がある。
(d)インターネットの「http://www.ibukiel.co.jp/promotion/promotion.htm」のホームページには、「ボイスカムバック報道記事紹介」の見出しの下に、「鎌倉朝日新聞 2002.8.5付」の紹介として、「お年寄りへのプレゼントに最適 音声拡聴器」及び「利用者の声を丹念に集め、新製品を開発し、今年3月、ヘッドホンタイプ、コードレス音声拡聴器『ボイスカムバック』が本格的に発売された。コードが一切なく、耳の後ろに掛けて両手が使えるネックホンタイプ。本体重量わずか64グラム、つけているのを忘れる軽さ。音質にもこだわって川のせせらぎなど微妙な音も聞き分けられると言う。」の記載がある。
(e)インターネットの「http://www.rakuten.co.jp/keitai/405396/447810/450478/」のホームページには、「ノイズバスター(声帯トーク)イヤホンマイク」の見出しの下に、「マイクを使用せず、声帯の振動を声に変換して通話する商品です。そのため、外部の音は入らず、騒音中やバイクの走行中でも楽々とクリアに通話できます。」や「声帯の振動を一番拾い易い場所を探せば、クリアな通話ができます。」の説明とともに、同器や同器の装着状態を写した写真があり、その写真の隣に「ノイズバスターネックフォン(声帯トーク:BLK).」の記載がある。
(f)2001年7月26日付け「日経流通新聞MJ」には、「FM搭載したプレーヤー、インテル(新製品)」の見出しの下に「FMラジオを搭載した携帯型デジタルオーディオプレーヤー『インテル ポケット コンサート オーディオプレーヤー』。・・・アンプは大出力で、ノイズの少ない鮮明な重低音を再現。付属のネックホンと併用すれば、サウンドをダイナミックに再生できる。」の記載がある。
(g)インターネットの「http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2001/07/17/627994-000.html」のホームページには、「Intelのシリコンオーディオプレーヤ『Intel Pocket Concert』が発売!」の見出しの下に、製品パッケージの写真とともに「製品パッケージにはネックフォンのほか、・・・等が付属している。」の記載がある。
(h)インターネットの「http://main.auction.msn.co.jp/item/18152857」のホームページには、オークションに出品した商品の案内に、商品の写真とともに「ネックホンです。動作確認済み・・・」の記載がある。
(i)インターネットの「http://www.d1.dion.ne.jp〜rskthorn/」のホームページには、「Der Planet “Horn Brahms”」の見出しの下に「BGMは、ヘッドホン、イヤホン、ネックホンなどを用いてお聴き下さい。」の記載がある。
(j)インターネットの「http://www.dengekionline.com/news/200103/20010331/20010331tgs02.html」のホームページには、「韓国からやってきた肩こりに効くゲーム周辺機器!?」の見出しの下に、同器を装着した人の写真等とともに「電撃オンラインが注目したのは、写真の『ネックホン Revolution』。これ、実は首かけ式のスピーカーなのです。しかも、バイブレーション機能付き。スピーカーも付属されており、これを組み合わせることでサラウンドシステムを構築できるというシロモノ。」の記載がある。
(k)インターネットの「http://home.catv.ne.jp/dd/giyu_ik/gameshow.htm」のホームページには、「東京ゲームショー2001春」の見出しの下に、商品の写真とともに「ネックホン」の表示及び「韓国のブースで見つけたネックホン。イメージとしては首に架けるスピーカーといったところで振動機能もあってなかなか面白かった。」の記載がある。
なお、上記(a)ないし(k)の事実に関しては、商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項により、平成15年8月65日付けをもって、請求人に通知し、相当の期間を指定した上で意見を申し立てる機会を与えたが、指定した期間内に意見の申立がなかったものである。
(3)そうすると、上記(2)の(a)によれば、「のどに当てて発声時ののどの振動を取り出すマイクロホン(のど当て送話器、のど当てマイクロホン)」を「neck telephone」というのであり、しかも、「telephone」の語が「phone」と同義であることを踏まえると、原審説示のとおり、「neck phone」に通じる「ネックホン」の文字よりも「neck telephone」の語と同じ意味合いを容易に看取し得るといえるのであって、このことは、上記(2)の(b)ないし(e)の新聞記事やインターネットのホームページに「ネックホン」の文字が普通に使用されていることからも十分に裏付けられるところである。
加えて、「ネックホン」の文字は、上記(2)の(f)ないし(k)の新聞記事やインターネットのホームページの記載のとおり、「スピーカー」等についても普通に使用されているところ、上記(1)のとおり、「phone(ホン)」の語が「earphone」、「headphone」のように他の文字に連ねて連結詞として用いる場合には「音声の伝達・再生装置」を意味することをも踏まえると、結局、本願商標は、のど当て送話器、のど当てマイクロホンにとどまらず、首部を利用して使用、装着するスピーカーなどの音声の伝達・再生装置を指称するものとして認識、使用されているものともいえる。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、のど当て送話器、のど当てマイクロホン、さらには、首部を利用して使用、装着するスピーカーなどの音声の伝達・再生装置に使用するときは、その取引者、需要者をして、その商品の品質を表示するものと認識させるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-10-07 
結審通知日 2003-10-08 
審決日 2003-10-21 
出願番号 商願平11-119120 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z09)
T 1 8・ 13- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 謙三柳原 雪身 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 岩崎 良子
林 栄二
商標の称呼 ネックホン、ネック 
代理人 菅原 正倫 

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