ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Z25 |
---|---|
管理番号 | 1088767 |
異議申立番号 | 異議1999-90813 |
総通号数 | 49 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-01-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-06-14 |
確定日 | 2002-05-07 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 登録第4243846号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4243846号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4243846号に係る商標(以下、「本件商標」という。)は、「GIGLI VALENTINO」(標準文字)の欧文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年2月27日登録出願、同11年2月26日設定登録されたものである。 第2 取消理由通知の要点 1 登録異議申立人の主張の趣旨及び甲第7号証、同第13号証ないし同第62号証によれば、次の事実が認められる。 「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)は、1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来、同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。 わが国においても、ヴァレンティノ ガラヴァーニの名前は、1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品は「Vogue(ヴォーグ)」誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。 昭和49年には、三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は、わが国のファッション雑誌にも、より数多く掲載されるようになり、同氏は、わが国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。 以上のとおり、ヴァレンティノ・ガラヴァーニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された平成9年1月8日当時には、既にわが国においても著名であったものと認められる。 2 同氏の名前は、「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏がデザインした婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品は、「VALENTINO GARAVANI」「VALENTINO」「valentino garavani」「valentino」「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「ヴァレンチノ」の商標(以下、これらの商標をあわせて「引用商標」という。)をもってわが国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実が認められる。 3 さらに、当審において調査するに、「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」は、わが国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」「valentino」とも略されて表示されていることは、田中千代「服飾辞典」(同文書院1981年p550)、山田政美「英和商品辞典」(株式会社研究社1990年p447)、金子雄司外「世界人名辞典」(岩波書店1997年p84)において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」1996年2月1日号、「non-no」1989年 No23号等からも認められる。 4 以上の事実よりすると、請求人は、引用商標を婦人服を始めとし、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品に使用しており、その結果、引用商標は、遅くとも本件商標の登録出願の時には、既にわが国において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。 5 他方、本件商標は、その構成中に「VALENTINO」の文字を有するものであり、前記認定したとおり「VALENTINO」は周知なものであるから、本件商標において「VALENTINO」の文字は重要な意味を持つ言葉と認識される。そして、本件商標の指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用商標が使用されている被服等の商品と同一の商品であるか又はこれと関連のあるファッション関連の商品である。 6 そうすると、本件商標を、商標権者がその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、周知商標である引用商標を連想させ、本件商標が付された商品が引用商標の一種ないし兄弟ブランド、ファミリーブランドであるなどと誤解し、あたかも上記デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)又は、同人と組織的・経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 7 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号に該当する。 第3 当審の判断 本件商標権者に対し、上記のとおりの取消理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えたが、本件商標権者からは、指定した期間内に、意見書等の応答はない。 本件商標の登録は、上記した取消理由により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-12-12 |
出願番号 | 商願平10-16574 |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(Z25)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 佐藤 正雄 |
特許庁審判長 |
廣田 米男 |
特許庁審判官 |
野本 登美男 宮下 行雄 |
登録日 | 1999-02-26 |
登録番号 | 商標登録第4243846号(T4243846) |
権利者 | 田辺株式会社 |
商標の称呼 | ジリバレンチノ、ジリバレンティノ、ジリ、バレンチノ、バレンティノ |
代理人 | 山下 穣平 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 杉村 暁秀 |
代理人 | 宮崎 伊章 |
代理人 | 末野 徳郎 |