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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z1132
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z1132
管理番号 1088445 
審判番号 不服2001-16304 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-13 
確定日 2003-11-20 
事件の表示 商願2000-39593拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SUPER COOKING WATER」の欧文字と「スーパークッキングウォーター」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、第11類「浄水装置,家庭用電熱用品類,家庭用浄水器,アイスボックス,氷冷蔵庫,太陽熱利用温水器」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、平成12年3月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『上等の、特等の』の意味を表す『SUPER』『スーパー』の文字と、調理用水業務用給水機で水道水を濾過して不純物を取り除いた浄化水であることを認識させる『COOKING WATER』『クッキングウォター』の文字を表してなるから、これを本願指定商品中浄水装置に使用するときは、単に商品の品質、機能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、また、これを本願指定商品中前記に照応する水を用いた商品に使用するときは、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「SUPER COOKING WATER」の欧文字と「スーパークッキングウォーター」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなるところ、構成中の「SUPER」及び「スーパー」の文字は、「上等の、特等の」等の意味を有する語であり、商品の品質の誇称表示として普通に使用されているものである。そして、これに続く「COOKING」及び「クッキング」の語は、「料理、料理用の」という意味を、「WATER」及び「ウォーター」の語は、「水」という意味を有するものであり、いずれも一般によく知られた、平易な英単語ないし外来語であるから、本願商標は全体として「上等の料理用の水」という意味合いを容易に認識、理解させるものである。
ところで、最近、水道水の味と安全性との関係から、「水」に対する関心が高まっている状況があり、「料理(調理)に適した水」であることを強調した商品やサービスが多数市場に流通していることは、例えば、次のような新聞記事や、インターネットホームページの掲載情報からも窺い知ることができる。
(a)「第6回『日食優秀食品機械資材賞』2部門12製品決まる」の見出しの下に、受賞製品の一つとして、「福島工業 【純水(RO水)・自動販売機=清涼飲料水・調理水の自動販売という着眼点がユニークで、厚生労働省・規格基準適合機器。国内で初の自販機として注目され、大手スーパーの店頭などに置かれ始め好評を博している】」(2003年7月28日 日本食糧新聞)との記載、
(b)「スーパーの浄水スタンド、『安価で安心』人気上昇 マリオン」の見出しの下に、「…自動給水機から直接、個人用ボトルに詰める新サービス…。調理用水として提供している。…」(2002年10月17日 朝日新聞東京夕刊)との記載、
(c)「『R.O.ボトルドウォーター』発売(エイム)」の見出しの下に、「…水『R.O.ボトルドウォーター』を7月から全国で発売…調理水に、安心して使用できる。…」(2002年8月23日 日本食糧新聞)との記載、
(d)「マイナスイオン水」の表題で、「…サニーでは、毎日の食卓に美味しさを願う方々へ料理の味を引き立たせるからだにやさしい調理水をご提供。…」(http://www.sunny-net.co.jp/menu/osirase/minasuion/mainasuion.htm)との記載、
(e)「ミネラルバランスの良い『おいしい水』」の表題で、「最新の浄活水システムを基本に、麦飯石自然ろ過方式で、ミネラルバランスの良い『おいしい水』をご提供します。お料理をおいしくする調理の水としてご利用いただけます。…」(http://www.foodmagazine.net/roppongi/service/03-service5_w.html)との記載がある。
また、請求人(出願人)は、「クッキングウォーター」の語は同人が創作した造語であること及び該「クッキングウォーター」は、同人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者、取引者の間に広く認識されている旨主張し、甲第1ないし同第12号証を提出している。
しかしながら、「クッキングウォーター」の文字(語)は、前記のとおり、「料理用の水」という意味合いを容易に認識させるものであって、請求人(出願人)が提出した、甲第8号証(「クッキングウオーター(調理用水)なる水を求めて、一部のスーパーマーケットの店頭に行列ができる例が目立ってきた。…会員は持参のペットボトルで家庭に持ち帰って調理に利用している。…」(1999年6月17日 日本経済新聞))、及び同第9号証(「その名も『クッキングウオーター』。飲み水ではなく、文字通り、調理用の水のことだ。…」(1999年7月7日 毎日新聞東京版))によっても、該文字(語)は、一特定企業等の出所識別標識というよりは、むしろ、商品の品質を記述的に表す語として使用されているものといえるものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「COOKING WATER」及び「クッキングウォーター」の文字(語)は、「料理(調理)用の水」であることを表したものであり、これに商品の品質を誇称するものとして「SUPER」及び「スーパー」の語を冠したものであると容易に看取し、本願商標は、構成文字全体として、「上等の料理用の水」であることを表したものと認識、理解するというべきである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、第11類「浄水装置,家庭用浄水装置、家庭用浄水器」中の「料理用の水に浄水する機器」及び第32類「清涼飲料水」中の「料理用の水」に使用しても、単に商品の用途、品質を表したにすぎないものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標は、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-09-03 
結審通知日 2003-09-09 
審決日 2003-10-06 
出願番号 商願2000-39593(T2000-39593) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z1132)
T 1 8・ 13- Z (Z1132)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高山 勝治澁谷 良雄 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 高野 義三
和田 恵美
商標の称呼 スーパークッキングウオーター、クッキングウオーター 
代理人 木内 光春 

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