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審決分類 |
審判 一部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない Z03 |
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管理番号 | 1086892 |
審判番号 | 無効2002-35146 |
総通号数 | 48 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-12-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2002-04-15 |
確定日 | 2003-11-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4503275号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4503275号商標(以下「本件商標」という。)は、平成 12年9月18日に登録出願、筆記体風の「Lavie De」の欧文字と「ラビィ ドゥ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成13年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人が引用する商標 請求人が本件商標登録の無効の理由に引用する登録商標は、下記のA及びBのとおりである。 A 登録第614287号商標(以下「引用A商標」という。) 筆記体風の「Lavie」の欧文字と「ラビ ー」の片仮名文字とを二段に併記したもの 登録出願日 昭和35年6月17日 設定登録日 昭和38年5月23日 その後、4回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされて いる。 指定商品 第3類「化粧品,香料類、薫料」、第30類「食品香料( 精油のものを除く。)」(指定商品の書換登録日 平成1 5年9月3日) B 登録第4437923号商標(以下「引用B商標」という。) 「LAVIE」の欧文字と「ラヴィ」の片 仮名文字とを二段に併記したもの 登録出願日 平成11年12月17日 設定登録日 平成12年12月8日 指定商品 第3類「化粧品,香料類」 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中「化粧品,香料類」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 本件商標は、「Lavie De」と「ラビィ ドゥ」との文字よりなるものであるが、その構成上欧文字の部分において「L」と「D」との文字を大文字で表してなり、その間を一字程度あけており、さらに、「ラビィ」と「ドゥ」との文字の間も1字程度の間隔があるものであるから、その構成は「Lavie」と「De」、「ラビィ」と「ドゥ」との結合よりなるものであったとしても、これが全体として一種の熟語を形成するものではない。 さらに、本件商標は、称呼上「Lavie」「ラビィ」と「De」「ドゥ」との2音節よりなり、称呼上前半部の「ラビィ」の「ビィ」の音は有声音で力の入る音であって、この場合、発音上該「ビィ」の音にアクセントがかかるため、後半部の「ドゥ」の称呼は、弱く発音され全体としても称呼上一般に聴取し難い音というべきものである。 また、本件商標の指定商品中「化粧品,香料類」等を取扱うこの種業界においては、多くフランス語が使用されているのが実情であり、後半部の「De」の文字は、「…の、…から、…で」等の意味合いを有するフランス語で、前半部の「Lavie」の語に続くものであるから、前記した意味合いよりすれば、「De」の文字自体は自他商品の識別力が非常に弱いものというべきである。 してみれば、本件商標は「ラビィドゥ」と全体的に称呼される場合がある としても、前記した理由により前半部の「ラビィ」の文字部分より生ずる「ラビィ」の称呼をもって取引にあたる場合も少なからずあるものであるから、本件商標は、該文字部分に相応して「ラビィ」の称呼をも生ずるものというべきである。 他方、引用A商標は、「Lavie」と「ラビー」の文字よりなるものであり、引用B商標は、「LAVIE」と「ラヴィ」の文字よりなるものであるから、引用A及びB商標よりは「ラビー」又は「ラヴィ」の称呼を生ずるものである。 そうすると、本件商標より生ずる「ラビィ」の称呼と引用A及びB商標より生ずる「ラビー」又は「ラヴィ」の称呼は、称呼上類似する商標というべきである。 さらに、本件商標の指定商品中「化粧品、香料類」と、引用A及びB商標の指定商品「化粧品、香料類」とは同一又は類似するものであるから、両者は指定商品において類似するものである。 以上のとおり、本件商標と引用A及びB商標とは商標において類似するものであり、かつ、その指定商品においても類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その指定商品中「化粧品,香料類」についての登録を無効とすべきでる。 第4 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。 本件商標と引用A及びB商標の構成は前記したとおりであり、両者はその外観構成上著しく相違し、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 次に、両者の称呼について比較すると、本件商標は上記のとおりまとまりよく一体的に構成され、その構成文字より生じる「ラビィドゥ」の称呼も3音と短く、淀みなく一連に称呼し得るものである。 また、他に「Lavie」「ラビィ」と「De」「ドゥ」の各文字に分離して観察する特段の事情もないものである。 なお、請求人は、本件商標の構成中「De」の語が「〜の」等を意味する フランス語であり、識別力が乏しいとの主張をしているが、「De」の語の 後ろに他の語が無い本件商標の構成において、これが「〜の」を意味する語 であると認識されることはあり得ないものである。また、「Lavie」の語についても、手元のフランス語辞典を繙いてみても見当たらず(乙第1号証)、かかる本件商標は、単なる造語ともいうべき商標である。 これに対し、引用A及びB商標はそれぞれの構成文字に相応して、「ラビー」又は「ラヴィ」の称呼が生じるものである。 そこで、本件商標から生じる「ラビィドゥ」の称呼と、引用A及びB商標から生じる「ラビー」又は「ラヴィ」の称呼とを比較してみると、3音と2音という音数の差違に加えて、「ドゥ」の音の有無という差違を有するから、全体としての語調・語感を著しく異にし、明確に区別して聴取されるものであり、両者は、その称呼において非類似であるというべきである。 さらに、上述のとおり、本件商標は、全体として、格別の意味合いを生じない単なる造語よりなる商標であるから、両者は観念上比較し得ないものである。 以上のとおり、本件商標と引用A及びB商標は、その外観、称呼及び観念において相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。 第5 当審の判断 本件商標は前記したとおり、「Lavie De」と「ラビィ ドゥ」の文字とを二段に併記した構成よりなるところ、「Lavie De」と「ラビィ ドゥ」の文字はそれぞれに全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「ラビィドゥ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標よりは「ラビィドゥ」の称呼のみを生じるものであるとみるのが相当である。 他方、引用A商標は、「Lavie」及び「ラビー」の文字よりなるものであるから、これよりは「ラビー」の称呼を生ずるものである。また、引用B商標は、「LAVIE」及び「ラヴィ」の文字よりなるものであり、「ラヴィ」の称呼を生ずるものであるが、「ヴィ」の音は「ビ」とも称呼されるものといえるから、これよりは「ラビ」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。そして、「ラビー」と「ラビ」はその称呼においてさほど差のないものである。 そこで、本件商標より生ずる「ラビィドゥ」の称呼と、引用A及びB商標より生ずる「ラビー」又は「ラビ」の称呼とを比較するに、3音と2音という音構成の差違に加えて、語尾における「ドゥ」の音の有無に顕著な差違を有するものであり、それぞれの音構成上これだけの差違があれば称呼上十分に区別し得るものである。 しかして、請求人は、「本件商標後半部の『De』の文字は、『…の、…から、…で』等の意味合いを有するフランス語で、前半部の『Lavie』の語に続くものであるから、前記した意味合いよりすれば、『De』の文字自体は自他商品の識別力が非常に弱いものというべきである。」旨主張しているが、フランス語の前置詞である「De」の文字は、本来、他の語の前に置かれるのが通例であり、本件商標のような構成、態様においてもフランス語として理解されるかどうか疑問であるし、前半部の「Lavie」の語が、フランス語辞典(乙第1号証)にも掲載されていない造語と判断されるものであるから、この点に関する請求人の主張は認め難いところである。 そうすると、本件商標は全体として特定の観念を生じ得ない一連の造語と判断するのが相当であるから、両者は観念上比較し得ないものであり、かつ、本件商標と引用A及びB商標の前記構成よりみて外観上も区別し得るものである。 そして、他に両者が類似するという理由を発見し得ない。 してみれば、本件商標と引用A及びB商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても区別し得る非類似の商標といわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-09-09 |
結審通知日 | 2003-09-12 |
審決日 | 2003-09-24 |
出願番号 | 商願2000-101646(T2000-101646) |
審決分類 |
T
1
12・
26-
Y
(Z03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大塚 順子 |
特許庁審判長 |
大橋 良三 |
特許庁審判官 |
富田 領一郎 小川 有三 |
登録日 | 2001-08-31 |
登録番号 | 商標登録第4503275号(T4503275) |
商標の称呼 | ラビイドゥ、ラビードゥ、ラビー |
代理人 | 鳥居 和久 |
代理人 | 鎌田 文二 |
代理人 | 東尾 正博 |
代理人 | 石塚 直彦 |