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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z1639
管理番号 1083835 
異議申立番号 異議2002-90351 
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-05-31 
確定日 2003-09-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第4546811号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4546811号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4546811号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロングステイクラブ」の片仮名文字を書してなり、第16類「雑誌」及び第39類「旅行に関する情報(宿泊に関するものを除く。)の提供」を指定商品及び指定役務として、平成13年1月11日に登録出願、同14年3月1日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張要旨は、次のとおりである。
1.商標権者野田昭夫及び塚本茂が、平成13年1月11日に商標を出願し、同14年4月2日付けで商標権を取得した旨の公告がされたが、「ロングステイクラブ」は1991年に設立され、以来10余年にわたり、会則に基づき運営されてきた団体で、いわゆる「法人格なき社団」として広く認知されている非営利の団体である。
会は会則により運営され、会の行事としては毎月例会を開催する他、会報を年4回、ホットニュースと称する情報紙を年4回発行する他、ホームページ、メイリングリストと称する電子メール上の掲示板による会員間の情報交換の場所を提供するなどの活動も行っている。
このように、「ロングステイクラブ」という名称は10余年の永きにわたり申立人が使用してきた名称で、商標法第32条が規定する「先使用による商標の使用をする権利」により保護されるべきものである。
2.本件商標の共同出願人である野田昭夫及び塚本茂は当クラブの前会長及び副会長として永年にわたり君臨してきたものであり、両人が「ロングステイクラブ」の名称を商標登録し、私物化しようとする行為は、民法第90条に定める公序良俗に反する行為である。
特に野田昭夫については、奥野道治、安田新太郎の両人と共同で当クラブを設立した当事者であり、本来、会の発展を見守って行くべき立場にあり、少なくとも、会の発展に水をさすような行為は絶対に行ってはならない。
3.以上、本件商標の登録は、特許法第32条第2項並びに商標法第32条に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1.申立人は、本件商標の登録は、特許法第32条第2項並びに商標法第32条に違反している旨いい、その取消を申し立てているが、登録異議の申立ては、商標法第43条の2第1号及び第2号に掲げる違反に限られるものであるところ、前記申立ての理由第2の2.で述べる趣旨からすれば、申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当する旨主張しているものと認められるので、以下検討する。
(1)申立人が証拠方法として提出した添付書類 4)、(以下「添付書類1)ないし7)」を「甲第1号証ないし甲第7号証」という。)の「HOT NEWS」May./2002 Vol.21(甲第4号証)の2頁によれば、ホームページ開発Gからのお知らせとして「会の名称『ロングステイクラブ』について商標権問題が発生し・・・」との記載がある。
(2)同じく4頁の記載によれば、LSC名称変更について「平成14年5月14日 事務局 伊藤誠一 昨年8月にLSCを除名された全名誉会長の野田昭夫氏から、4月23日付で『ロングステイクラブ』の商標権を得たので、今後この名称を使う事を禁ずる旨の書面が届きました。・・・今後、会の進め方について理事会で審議した結果、私たちの会は趣味を楽しみ旅行を愛する人達の集まりですから、これ以上野田氏達に関わり裁判等の費用をかけることは避け、新しい名称を会員からも公募し、新年度(11月)からその名称を使うことにしました。」との記載がある。
(3)甲第5号証によれば、平成13年8月18日に開催した臨時理事会において、商標権者の一人であり当時名誉会長の野田昭夫を平成13年8月22日をもって除名処分することを決議し、その旨を平成13年8月27日付同人に通知したこと。
(4)また、商標権者の一人塚本茂は平成13年8月14日をもって自主退会したことが認められる。
(5)そして、甲第4号証及び甲第7号証によれば、野田昭夫は、申立人に対し、平成14年4月23日付書面をもって、「ロングステイクラブ」の商標権を得たのでこの名称を使うことを禁ずる旨通知したことが推認される。
2.本件商標の第4条第1項第7号該当性について
商標登録出願が適正な商道徳に反して社会的妥当性を欠くために、出願に係る商標の登録が商標法の目的に反することになるときには、商標法第4条第1項第7号に該当する場合もあり得る。しかし、同号が「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」として、商標自体に着眼していることの対比からすると、商標自体に公序良俗違反のない商標登録出願において同号に該当するのは、出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあるときに限られるというべきである。
ロングステイクラブは、ある時期商標登録を検討し、取りやめた経緯があり(甲第6号証)、商標権者が本件商標登録出願をしたのは、平成13年1月11日であり、当時、野田昭夫及び塚本茂の両人は、ロングステイクラブの会長及び副会長を務めていたと推認されることからすれば、出願の経緯に社会的妥当性を欠く点があったと断定することはできない。
そして、何時の時点からは明確ではないが、遅くとも平成13年8月頃には申立人と商標権者らとの間に会の運営等を巡り確執を生じていたことが推認される。
しかしながら、申立人の主張及び甲各号証を総合的に検討するも、本件商標の登録が、商標法において建前とする先願主義の例外とすべきまでの社会的妥当性を欠くものとして、商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。
さらに、登録後現在に至るまでの間に、本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するものとなったことを裏付けるべき事実関係も認められない。
3.結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたと認められないから、商標法第43条の3第4項により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-08-18 
出願番号 商願2001-5993(T2001-5993) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Z1639)
最終処分 維持  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 薫
登録日 2002-03-01 
登録番号 商標登録第4546811号(T4546811) 
権利者 野田 昭夫 塚本 茂
商標の称呼 ロングステイクラブ、ロングステイ 
代理人 川村 恭子 
代理人 川村 恭子 
代理人 佐々木 功 
代理人 佐々木 功 

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