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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 041
管理番号 1083661 
審判番号 審判1999-15643 
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-09-24 
確定日 2003-08-12 
事件の表示 平成9年商標登録願第28041号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ANIME CHANNEL」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年3月14日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、平成11年2月2日付手続補正書により「技芸・スポーツ又は知識の教授,娯楽用の漫画に関するテレビジョン放送番組及び有線テレビジョン放送番組の作成又は配給」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『ANIME CHANNEL』の文字を書してなるところ、構成中の『ANIME』の文字部分に関して、わが国においては『アニメ』が動画等の意味の『アニメーション』の略語として普通に使用されており、株式会社集英社発行『情報・知識imidas1998』の1100頁の『アニメーション(animation)』の項をみれば、前記アニメーションについて海外においては日本流に『anime』と呼ばれている旨の記載があり、『アニメ』の片仮名文字のみならず『anime』の欧文字についても『アニメーション(animation)』の略語として一般に認識されているものと認められる。そうすると、本願商標の『ANIME CHANNEL』の文字に接した需要者は、アニメーション専用チャンネルの如き意味合いを認識し、その指定役務との関係においては『アニメーション専用のテレビ番組の作成等を行っている役務』であると理解されるから、これを本願指定役務中『娯楽用の漫画に関するテレビジョン放送番組及び有線テレビジョン放送番組の作成又は配給』について使用しても自他役務の識別標識としての機能を有さず、役務の質、用途を表示したにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「ANIME」及び「CHANNEL」の欧文字を一文字程度を開けて横書きしてなるものであるところ、前半の「ANIME」の文字は、これより生ずる称呼の「アニメ」と共に原審における証拠の外に、「広辞苑」、「コンサイス外来語辞典」(1982年株式会社三省堂発行)等によれば、「動画」、「アニメ→アニメーション(animation)動画、漫画や人形など映画で動かすその作品…邦略してアニメ」と記載され、「animation」(アニメーション)の語を略した和製英語化されたものとして、理解、認識されているというのが相当である。
また、後半の「CHANNEL」の文字は、「ラジオ・テレビ放送で、適当な間隔において並んだ各使用周波数波に順次番号付けたもの」(同広辞苑)を意味する語であり、その表音の「チャンネル」と共に親しまれているものである。
そうすると、「ANIME」及び「CHANNEL」の欧文字を組み合わせた本願商標からは、全体として「アニメ(動画)番組を放送するテレビチャンネル」のごときの意味合いが生ずるものといえる。
しかして、近年、通信衛星、デジタル多重化等の技術により放送分野において多チャンネル化が可能となり、現在、110°CSデジタル及び有線テレビジョン放送では、あるチャンネルは専門的な番組のみを放送する、例えば、スポーツについて「ゴルフチャンネル」、カルチャー番組の「囲碁・将棋チャンネル」等、「視聴する内容」と「チャンネル」の語を組み合わせたチャンネルの名称が各周波数番号に対応して使用されているところ、これが「アニメ」放送においても同様で、「アニメ専門チャンネル」又は「アニメチャンネル」と称されて、請求人関係会社も含め、放送業界、又一般の視聴者においてチャンネル選択等において普通に使用されているものである。
このことは、例えば、以下の(1)ないし(5)情報誌、新聞情報等において認められる。
(1)1997年12月2日付け日本工業新聞15頁によれば、「テレビ東京 ディレクTVでアニメ番組 17日から無料試験放送」の見出しのもと「テレビ東京は、デジタルCS(通信衛星)放送のディレクTVで放送するアニメチャンネル『アニメシアターX』を十七日から無料試験放送する。」との記載。(なお、ディレクTVは2000年すべてのチャンネルが放送終了した。以下(2)も同じ。)
(2)1999年5月18日東京夕刊5頁の記事によれば、「『アンパンマン』の映画を無料放送ディレクTV」の見出しのもと、「ディレクTVは、・・同日アニメチャンネル『キッズステーション』(ch276)は一日無料放送・・」との記載。
(3)「SKY PerfecTV may2002 5番組情報誌」によれば、「ch.724アニマックス 最強のアニメチャンネル、・・名作から話題作まで・・24時間放送する『アニメ専門チャンネル』・・」との記載。
(4)2002年7月31日 日刊工業新聞 7頁の記事によれば、「 放送デジタルへの試練(4)難航するCATV問題ー避けられぬ国費負担」の見出しのもと、「・・さらにCATV局と契約してニュースやアニメチャンネルなどの有料番組を視聴する有料放送加入世帯は約400万世帯。」との記載。
(5)1998年12月23日付け中日新聞 朝刊の記事によれば、「アニメチャンネルPR」の見出しのもと、「ケーブルテレビなどで二十四時間のアニメ専門チャンネル『カートゥーン・ネットワーク』をPRするファミリーイベントが、二十三日から二十五日までの三日間、名古屋市・・ショッピングセンター『アズパーク』内の常設視聴ブースで開かれる。」との記載。
次に、本願指定役務中の「娯楽用の漫画に関するテレビジョン放送番組及び有線テレビジョン放送番組の作成又は配給の役務」と上記「アニメーションテレビ放送及びケーブルテレビ放送の役務」との関係についてみるに、両役務は、需要と供給の関係、又は同一事業者によっても提供されるという極めて、密接な関係を有している。
また、総務省郵政事業庁ホームページ掲載の「郵政省が平成9年(1997年)10月に実施した平成9年度『郵政関連業実態査』(総務庁承認統計)発表日1998年6月2日(火)」によれば、「【放送番組制作業】について、《1 放送番組の二次利用権を積極的に活用》放送の多チャンネル化が進展する中で、二次利用権を有する放送番組制作事業者の66%がビデオ、衛星放送、ケーブルテレビ番組等に積極的に二次利用している。《2 ケーブルテレビへの番組供給などの事業展開に積極的》今後は、放送番組制作業の特徴を生かし、ケーブルテレビへの番組供給(42.3%)、インターネット番組制作(39.9%)、衛星放送(CSを含む)への番組供給(39.3%)、コンピュータ・グラフィックス制作(34.5%)等の分野に多角的に事業展開する積極的な姿勢が見られる。」(http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/tsusin/980602j501.html)と記載され、放送番組制作事業者は、CS放送、有線テレビジョン放送に参入する事情にもある。
一方、本願指定役務中の「娯楽用の漫画に関するテレビジョン放送番組及び有線テレビジョン放送番組の作成又は配給の役務」の宣伝広告は、例えば、ホームページにおいて「テレビ東京メディアネットーアニメ番組の制作、販売」(http:www.medianet.co.jp/)、「タマ・プロダクションーテレビ劇場用のアニメの制作」(http://www.tamapro.co.jp/index_01.html)等のようになされているのが実情である。
以上を総合すると、本願商標の「ANIME CHANNEL」は、その指定役務中の「娯楽用の漫画に関するテレビジョン放送番組及び有線テレビジョン放送番組の作成又は配給」に使用した時は、この種業界の取引者、需要者は、「アニメ(動画)番組の専用チャンネルのテレビジョン放送(又は有線テレビジョン放送)に提供されるアニメ番組の作成又は配給」程の意味合いであること、すなわち、役務の質(内容)を表すものと理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないといわざるをえない。また、前記の質(内容)とする役務以外の役務に使用するときは役務の質(内容)の誤認を生ずるおそれがあると認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-03-03 
結審通知日 2003-03-14 
審決日 2003-03-25 
出願番号 商願平9-28041 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (041)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 中嶋 容伸
山下 孝子
商標の称呼 アニメチャンネル 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 菊地 栄 
代理人 佐藤 一雄 

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