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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z42
審判 全部申立て  登録を維持 Z42
審判 全部申立て  登録を維持 Z42
管理番号 1081947 
異議申立番号 異議2002-90485 
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-09-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-07-22 
確定日 2003-07-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第4560260号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4560260号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4560260号商標(以下、「本件商標」という。)は、「JavatoSilicon」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成13年1月26日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同14年4月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、コンピュータ及び関連製品の開発研究、製造及び販売を行う会社として世界的に著名な会社である。申立人は、平成7年5月に「JAVA」(Java)と名付けられたオブジェクト指向プログラミング言語を発表し、翌年1月にその正式版の配布を開始した。Javaで作られたプログラムは、各OS用に実装されたJava仮想マシン上で実行されるため、OSやアプリケーションの種類を問わず実行プログラムが動作することができ、コンピュータを取り扱う業界において一躍有名となり、今日では、インターネット時代に対応した標準言語として多くのメーカーのパーソナルコンピュータによりサポートされているところである。そして、申立人のJavaに関連する技術はインターネット時代のソフトウェア開発において重要な位置を占め、「2000年版 情報・通信新語辞典(日経BP社発行)」(甲第12号証)には、「Java」及びこれに関連する技術及び製品が申立人の技術・製品として掲載されたばかりでなく、Javaに関する事項を取り扱った雑誌及び書籍も多数発行されるようになった。また、申立人は、コンピュータ関連商品及び役務に関し、日本、オーストラリア、中国等、多数の国々で「JAVA」の文字よりなる登録商標を受け(甲第13号証、甲第14号証)、申立人はJavaに関する技術を基に、ソフトウェア開発者向けのJava開発製品を作成・販売し(甲第2号証ないし甲第5号証)、Java技術を広めるために「JavaOne」と名づけられたカンファレンスの開催などを行ってきた(甲第6号証)。
申立人のJavaに関する技術は、コンピュータ以外の分野においても利用され、例えばNTTドコモの携帯電話サービス「iアプリ」においては、Javaに関する技術が携帯電話において動作するプログラムにおいて重要な役割を担うこととなっている(甲第7号証)。このように、Javaを扱う雑誌及び書籍もその数を増している。また、情報・通信用語の辞典においても申立人の技術・製品として掲載されている(甲第12号証)。
また、日本において、登録商標(第4136807号、以下、使用に係る商標と一括して「申立人商標」という。)を有している。
本件商標と申立人商標を比較するに、本件商標の「Silicon」の文字は、半導体の製造に使用されるケイ素のことであって、指定役務の関係では識別力を有しないものである。申立人商標「Java」の著名性からすれば、本件商標の要部は「Java」である。そして、申立人商標の指定役務と本件商標の指定役務とは、密接な関係のある類似する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
本件商標は、「JavatoSilicon」の欧文字を標準文字で横書きしてなるものであるところ、全体にまとまりよく構成されており、これより生ずるとみられる「ジャバトシリコン」の称呼も格別冗長なものということができず、よどみなく、一気、一連に称呼し得るものというべきである。
他方、申立人商標は、「JAVA」「Java」の欧文字よりなるものであるから、「ジャバ」の称呼が生じ、格別の観念の生じない造語又はインドネシアの主島「ジャワ島」を意味するものというのが相当である。
そこで、両称呼を比較するに、両称呼は、その構成音及び構成音数に明らかな差異が認められ、明瞭に聴別し得るものである。
また、観念上より見るに、本件商標が格別の観念の生じない造語よりなるものであるから、申立人商標と比較すべきところがない。
さらに、外観においては、両商標は明らかに相違する。
なお、申立人が説示するところの本件商標の「Silicon」の部分が半導体の製造に使用されるケイ素のことであり、この部分が識別性がないものといい得、本件商標の要部は、その余の部分にあるといい得たとしても、それは、「Javato」であって、単に「Java」ではないから、本件商標が申立人商標と同一又は類似するものということはできない。
してみれば、本件商標と申立人商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても、何ら相紛れるおそれのない、非類似のものである。
また、本件商標と申立人商標とは、上記のとおり、全く別異の商標であるから、申立人又は申立人と組織的、経済的に関係のある者の役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-07-02 
出願番号 商願2001-5538(T2001-5538) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Z42)
T 1 651・ 26- Y (Z42)
T 1 651・ 25- Y (Z42)
最終処分 維持  
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 井岡 賢一
柳原 雪身
登録日 2002-04-12 
登録番号 商標登録第4560260号(T4560260) 
権利者 パシフィック・デザイン株式会社
商標の称呼 ジャバトゥーシリコン、ジャワトゥーシリコン、ジャバトゥー、ジャワトゥー 
代理人 達野 大輔 
代理人 今井 彰 

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