• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z25
管理番号 1080382 
異議申立番号 異議1999-90728 
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-05-22 
確定日 2003-06-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第4235879号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4235879号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第4235879号商標(以下「本件商標」という。)は、「LAPOLOCLUB」の欧文字を標準文字として平成10年1月8日に登録出願、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として、平成11年1月29日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立て理由
本件商標は、「POLOCLUB」にフランス語の定冠詞「LA」を冠したものにすぎず、登録第1617024号商標「Polo Club」(昭和52年10月8日登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同58年9月29日に設定登録)と「ポロクラブ」の称呼及び「POLO CLUB」の観念を同じくする類似する商標であり、かつその指定商品も同一又は類似するものである。また、同登録商標は「被服」をはじめ各種商品に使用した結果、登録異議申立人の商標として周知著名なものとなっており、本件商標は「POLO CLUB」の文字を含むものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときは商品の出所の混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2によりその登録を取り消すべきである。

第3 当審において通知した取消理由
商標権者に通知した本件商標の取消理由は要旨次のとおりである。
1 本件商標は、その構成中に含まれる「POLO」の文字について、職権により調査したところ、次の事実が認められ、また、商標「Polo Club」に関する東京高等裁判所の判決(「平成2年行ケ183号」平成3年7月11日判決、「平成12年行ケ88号」平成14年6月19日判決)を考慮すれば、「Polo」の文字(以下「引用商標」という。)は、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ、婦人服等の被服等について使用される商標として、遅くても昭和50年代の後半には、強い自他商品識別力及び顧客吸引力を発揮する著名な商標となっており、その著名性は本件商標の登録出願時以後登録時を経て、その後に至るまで継続しているものと認められる。
(1)株式会社講談社(昭和53年7月20日)発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッティング(昭和58年9月28日)発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(現在はザポロ/ローレンカンパニー リミテッド パートナーシップに名称変更、以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばん等のデザインをはじめ、紳士物全般に拡大し、1971年には婦人服の分野にも進出した。1970年と1973年に服飾業界で最も名誉とされる「コティ賞」を受賞し、1974年に、映画「華麗なるギャツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。この頃から、その名前はわが国の服飾業界においても広く知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」の各標章が使用され、これらは「ポロ」の略称で呼ばれるようになった。
(2)株式会社洋品界(昭和55年4月)発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/POLO」の項及びボイス情報株式会社(昭和59年9月)発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述、及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、わが国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、販売をした。
(3)また、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社(1971年7月)発行「dan sen男子専科」をはじめ、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社(昭和54年5月及び同55年5月)発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、「世界の一流品大図鑑’80年版」、株式会社チャネラー(昭和54年5月)発行「別冊チャネラーファッション・ブランド年鑑’80年版」、婦人画報社(昭和55年12月)発行「MEN’S CLUB 1980,12」等において「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題のもとに紹介されている。
2 そこで、本件商標をみると、その構成は、前記のとおり「LAPOLOCLUB」の欧文字よりなるところ、語頭部分の「LA」(ラ)の文字は、フランス語にあっては、名詞の前につけて名詞の特定化、決まったものを指す等を示す冠詞として用いられる語であって、フランス語学習の初歩の段階に習得するものであり、被服等のファッション関連商品の商標にあってはフランス語を比較的使用することが多く、商標をフランス語又はフランス語風に表す場合に「LA」「La」「la」の文字を語の前に用いることがしばしばあり、また、後半部分の「CLUB」(クラブ)の文字は、「政治・社交・娯楽、あるいは学校の課外活動で、共通の目的によって集まった人々の団体、また、その集合所」の意味を持つ語(英語、フランス語共に同様の意味をもつ)として親しまれており、一般的に他の語に接続させて団体名を表す場合によく用いられる。
してみると、本件商標は、構成文字全体として特定の意味合いを看取させる事情もないことから、上記実情からして、「LA」「POLO」「CLUB」の語(文字)を結合させ一連に表したものと理解されるものと認められる。
3 しかして、本願商標の指定商品は、前項第1のとおり被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物 、運動用特殊衣服、運動用特殊靴であるのに対し、引用商標に係る使用商品も紳士服、婦人服、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばん等であり、両者の商品は共通し、またいずれもファション関連商品である。
4 そうとすれば、前記認定のラルフ・ローレンのデザインに係るファッション関連商品である紳士服、ネクタイ、婦人服等の被服に使用される引用商標の著名性に照らせば、本件商標を指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商標の中間部分にあるとしても強い識別力をもつ「POLO」の文字部分に印象付けられ、該商品がポロ社の業務に係る商品、若しくはラルフ・ローレンと経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
5 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
本件商標の登録は、前項第3で述べた取消理由により商標法第4条第1項第15号に違反して商標登録されたものと認められる。
なお、前項第3の取消理由を通知し相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-04-30 
出願番号 商願平10-1462 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Z25)
最終処分 取消  
前審関与審査官 金子 尚人 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 小林 和男
平山 啓子
登録日 1999-01-29 
登録番号 商標登録第4235879号(T4235879) 
権利者 株式会社アプト
商標の称呼 ラポロクラブ 
代理人 清原 義博 
代理人 山内 淳三 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ