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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない 012
管理番号 1078329 
審判番号 不服2000-487 
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-01-14 
確定日 2003-05-21 
事件の表示 平成9年商標登録願第1821号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「POWER MATE」の欧文字と「パワーメイト」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年1月10日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同10年6月24日付手続補正書により、「船舶,船舶用小型アンカーウインチ,その他の船舶部品及び附属品」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶理由に引用した登録第4322899号商標(以下「引用商標」という。)は、「パワーメイト」の片仮名文字を横書きしてなり、平成7年10月16日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同11年10月8日に設定登録がされたものである。

1 当審の判断
(1)請求人は、本願商標の指定商品中の「船舶」と引用商標の指定商品中の「消防艇」とが類似する商品ではないと主張しているので、それについて検討する。
本願商標の指定商品中の「船舶」は、平成8年通商産業省令79号による別表(商標法施行規則第6条に規定する「商品及び役務の区分」)によると、第12類「一 船舶並びにその部品及び附属品」として、「(一)船舶」には、「貨物船、タンカー、客船、フェリーボート、砕氷船、エアクッション艇」や「カヌー、ボート、モーターボート、水上オートバイ」のほか、「はしけ、引き船、帆船、」や「漁船、軍艦、ケーブル敷設船、しゅんせつ船」等の商品が例示されていることよりすると、「船舶」には、海、港湾や湖川の水上を航行する「ふね(船、舟)」の範疇に属する商船、漁船、作業船、調査・取締用の船や軍事用の船等が含まれるものと解されるものである。
他方、該「商品及び役務の区分」の例示商品からすると、「消防艇」は、第9類「二十六」の項に「消火器、消火栓、消防車」と共に例示されている商品であることから、これらは防災用の商品(機械器具)という観点で分類されているものと解される。そして、「消防艇」は、海、港湾や湖川を航行する機能・構造をもち、そこに消火用のポンプ、放水砲また消化剤等を装備した船(「艇」比較的小型の船)であって、湾や河川における消火、またその予防・警戒等をするために使用されるものと認められる。
そうしてみると、「船舶」と「消防艇」はいずれも船の機能・構造をもつものであって、「消防艇」は消防の作業を、「船舶」は旅客・貨物輸送また漁獲、ケーブル敷設、しゅん作業等をそれぞれ行うための船といえる。
また、上記両商品は、用途に応じた構造をなし機器等が装備されているものであるとしても、いずれも船としての機能、構造をもつものであって、いずれも造船所で建造されて、販売されることからして、製造事業者を共通にし販売部門も共通にすることが多いものと認められる。
してみれば、「船舶」と「消防艇」は、大きさや種類の異なるものがあるとしても、いずれも、水上に浮かび人や物を移動させる機能・構造をもち、特異な造船技術を用いなければ生産できない商品であることを考慮すると、船としての機能、構造を共通にし、かつその製造事業者また主な販売部門を共通にすることから、それらの商品について同一又は類似の商標の使用をするときは、その商品の出所について混同を生じさせるおそれのある類似する商品とみるのが相当である。
また、本願商標の指定商品中「船舶用小型アンカーウインチ、その他の船舶部品及び附属品」は、いずれも船舶(船)に装備する部品又は附属品であることからすると、「消防艇」とは、完成品と部品・附属品の関係であり、生産、販売部門も共通にする場合が多いものとみられるので、両商品は類似するものと認められる。
なお、請求人は、「船舶」は、一般的に人や物の移動を目的とするもので、企業や個人が需要者であるのに対し、「消防艇」は、消火、救難といった広い意味での救命用の装置の概念に含まれるものであって、国、地方公共団体あるいはこれらに準じる団体が需要者であるので、両商品は、その用途及び需要者、取引系統を異にするものである、また、両商品は、共に安価とはいえないものであって、その構造、機能は多種多様であるから、これらの商品の購入に際しての需要者による選別も極めて慎重になる等述べ、両商品は類似しないものである旨主張している。
しかしながら、「船舶」は、上記認定のとおり、旅客・貨物輸送や漁獲、ケーブル敷設、しゅんせつ等の作業をするためのものが含まれているもので、請求人の主張はその前提を異にするものである。また、両商品は、使用目的またその使用目的により構造、装備機器、船の大きさ等が異なるとしても、いずれの商品も船としての機能、構造をもつもので、それらはいずれも造船技術によって造船所で建造される特異性のある商品といえることから、船の使用目的や最終消費者が異なるとしても上記認定のとおり、両商品は類似するものとみるのが相当であって、上記請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「消防艇」とは類似する商品といわざるを得ない。
(2)本願商標と引用商標の構成は、前記のとおりであるところ、それぞれの構成文字に相応して、共に「パワーメイト」の称呼を生ずるものであるから、両商標は称呼を同じくする類似の商標である。請求人も、この点については否定していない。
したがって、本願商標と引用商標とは、商標において類似し、また前記(1)に述べるとおりその指定商品も互いに類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-03-04 
結審通知日 2003-03-07 
審決日 2003-03-26 
出願番号 商願平9-1821 
審決分類 T 1 8・ 264- Z (012)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柳原 雪身中束 としえ 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高橋 厚子
小林 和男
商標の称呼 パワーメイト、パワーメート、メイト、メート 
代理人 成合 清 
代理人 瀬戸 昭夫 

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