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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z33
審判 全部申立て  登録を維持 Z33
管理番号 1077040 
異議申立番号 異議2001-90916 
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-12-03 
確定日 2003-05-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4503525号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4503525号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4503525号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年10月12日に登録出願され、「船上七福神」の漢字を標準文字により書してなり、第33類「日本酒」を指定商品として、平成13年8月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の所有にかかる登録第4356483号商標(以下「引用A商標」という。)及び同じく登録第4380291号商標(以下「引用B商標」という。)と、「宝船に乗った七福神」又は「船に乗った七福神」の観念を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と引用A商標及び引用B商標の指定商品とは同一又は類似のものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
引用A商標は、平成11年3月2日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成12年1月28日に設定登録されたものである。
引用B商標は、平成11年3月2日に登録出願され、別掲(2)のとおりの構成からなり、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成12年4月28日に設定登録されたものである。
(2)「七福神」の商標は、大正時代末期より箱庄酒造店という造り酒屋が自社で製造販売していた清酒に使用していたもので、申立人は、昭和50年に箱圧酒造店から当該「七福神」の商標とその事業を引き継いで従来(1770年代)からの自社商標である「菊の司」に加えて「七福神」ブランドの日本酒を製造・販売しているものである。申立人はその後も「七福神」に因んだ「寿七福神」「七福神まいり」等の商標を付して多種多様の日本酒を製造・販売しており、当該「七福神」は申立人の製造・販売に係る銘酒の商標として少なくとも東北地方においては需要者間において広く知られたものとなっている。引用B商標のラベルを付した製品も慶事用を意識して「七福神宝船」(引用A商標)と称し平成10年12月に発売され、岩手県はもとより宮城県、秋田県、青森県等東北各県を主な販売地域として全国に販売されて今日に至っているものである。
その結果、引用各商標は、遅くとも平成12年の初め頃には東北地方において「七福神」ブランドの清酒の慶事用製品として周知性を獲得しており、現在も需要者の支持を得ている事実がある。申立人は、甲第13号証として引用B商標のラベルを提出する。
以上の事実から、本件商標は、これをその指定商品である「日本酒」に使用した場合、一般の需要者をして申立人の製造に係る清酒と出所の混同を生じるさせるおそれの高いこと明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用A商標及び引用B商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観上は互いに区別し得る差異を有するものである。
次に、これを称呼、観念上よりみると、本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応し「センジョウシチフクジン」の称呼を生じ、「船上の七福神」の観念を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用A商標は、前記のとおり「七福神宝船」(福の部首部分(示へん)は省略形を代用して表した。以下「七福神宝船」とする。)の文字よりなるところ、その構成文字に相応し「シチフクジンタカラブネ」の称呼と「七福神と宝船」の観念を生じるものである。
また、引用B商標は、別掲に表示のとおりの構成よりなるところ、宝物を積み込んだ帆船を背景図として中央に隷書体で大きく「七福神」(福の部首部分(示へん)は省略形を代用して表した。以下「七福神」とする。)」と上書きされていること及び該漢字部分の右側に記されている「シチフクジン」の片仮名文字が本件商標の読みを特定するものと認められることよりすれば、引用B商標は、「七福神」の文字に相応して「シチフクジン」の称呼及び「七福神」の観念のみを生じると判断するのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「センジョウシチフクジン」の称呼と引用A商標より生ずる「シチフクジンタカラブネ」及び引用B商標より生ずる「シチフクジン」の称呼とを比較すると、本願商標と引用A商標は共に「シチフクジン」の音を含むものであるが、他の構成音「センジョウ」と「タカラブネ」の音を異にし、また、本件商標と引用B商標は「シチフクジン」の音を共にするが、語頭部において「センジョウ」の音の有無の差異を有するから、両称呼は明らかに聴別し得る。
また、観念においても、本件商標は「船上の七福神」の観念を生じるのに対して、引用A商標は「七福神と宝船」の観念を、また、引用B商標は「七福神」の観念を生じるから、両者は観念上も類似するものではない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれについても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは類似するものでないこと上述のとおりであり、両商標は十分に区別し得る別異の商標といえるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして直ちに引用A商標及び引用B商標のいずれをも連想、想起するものでなく、その商品が申立人または申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、申立人は、引用B商標を使用したラベルを甲第13号証として提出し、同時に引用B商標の著名性を主張しているが、提出された証拠のみでは引用B商標が申立人の業務に係る商標として需要者間に周知著名であるとは認め難い。
(3)以上に述べたとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号の規定に違反してなされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)


別掲(2)

異議決定日 2003-04-24 
出願番号 商願2000-111030(T2000-111030) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Z33)
T 1 651・ 263- Y (Z33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩内 三夫 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 2001-08-31 
登録番号 商標登録第4503525号(T4503525) 
権利者 月桂冠株式会社
商標の称呼 センジョーシチフクジン 
代理人 丸岡 裕作 

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