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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z0942 |
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管理番号 | 1076988 |
異議申立番号 | 異議2002-90623 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2003-06-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-09-09 |
確定日 | 2003-05-07 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4574247号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4574247号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第4574247号商標(以下「本件商標」という。)は、「ActWatch」の文字を標準文字として、平成13年3月14日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年6月7日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 本件商標は、登録異議申立人の引用に係る、「ACTIVEWATCH」の文字を標準文字として、2000年(平成12年)8月14日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成12年12月5日に登録出願、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年6月21日に設定登録された登録第4578155号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、その指定商品又は指定役務中、第42類「電子計算機及び電子計算機用プログラムの遠隔監視」及び第9類「インターネットその他のコンピュータネットワークを介して行うウェブサイトへの負荷テストの実施及びウェブサイトのパフォーマンスに関する性能評価その他の検査・監視・報告に用いる電子計算機プログラム」については引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)前記のとおり、本件商標は、「ActWatch」の文字よりなるのに対し、引用商標は、「ACTIVEWATCH」」の文字よりなるものであって、「ActWatch」と「ACTIVEWATCH」の両文字を比較すると、前者が8文字、後者が11文字と全体の文字数が大きく異なり、しかも、「ActWatch」の文字が、大文字と小文字の配列より容易に「Act」と「Watch」の二つの英単語を組み合わせたものと看取されるのに対し、「ACTIVEWATCH」の文字は、大文字で一連に表された欧文字商標という程度の印象を受けるにとどまるものであるから、時と処を異にして離隔的に観察しても、本件商標は、引用商標と見誤るおそれはなく、外観において類似するものではないと認められる。 (2)本件商標を構成する「ActWatch」の文字は、前記のとおり「Act」と「Watch」の二つの英単語よりなると容易に解され、また、引用商標を構成する「ACTIVEWATCH」の文字は、申立人が述べるように「ACTIVE」と「WATCH」の二つの英単語よりなるということを前提としてみても、本件商標及び引用商標に接した取引者、需要者がこれより特定の意味を認識するものとはいい難いことから、両商標は、欧文字により構成された一種の造語よりなるものというべきである。 そして、欧文字よりなる造語商標にあって英語風に発音して無理なく発音できる場合には、その称呼をもって取引に資されるとみるのが自然であるといえるところ、英語風に発音した場合、本件商標は「アクトウオッチ」と、引用商標は「アクティブウオッチ」とそれぞれ無理なく発音し得るものであるから、本件商標は、「アクトウオッチ」の称呼を、引用商標は、「アクティブウオッチ」の称呼をそれぞれ生ずるものとみるのが相当である。 そこで、本件商標より生ずる「アクトウオッチ」の称呼と引用商標より生ずる「アクティブウオッチ」の称呼とを比較すると、両称呼は、構成音数において6音と7音という相違を有するものである。また、音の配列においては、第1音と第2音の「アク」の音と後半部の「ウオッチ」の音が共通するといえるとしても、中間において「ト」の音と「ティブ」の音の差異を有するものであり、しかも、「ト」の音と「ティブ」の音は近似した音とは到底いい難い音である。そうすると、これらの差異音がそれぞれの全体の称呼の音調、音感に与える影響は大きいといわなければならないから、それぞれを一連に称呼しても、両称呼は、彼此相紛れるおそれはないものとみるのが相当である してみれば、本件商標は、引用商標と称呼においても類似するものと認めることはできない。 (3)また、上記のとおり、両商標は、特定の観念を有しない造語と認識されるものであるから、観念においても類似するものと認めることはできない。 この点について、申立人は、役務及び商品との関係で、本件商標は「(コンピュータ等の)稼働状態の監視」程の意で把握され、引用商標は「(ウェブサイトが)稼働状態にあるか否かの監視」程の意で把握される旨主張しているが、役務又は商品との関係を考慮しても、「ActWatch」、「ACTIVEWATCH」の語が上記意味を有するものと理解され、取引者、需要者の多くがそのように認識するものとは認められないし、申立人の提出に係る証拠にも、この点を認めるに足りる証拠はない。 (4)以上のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念のいずれにおいても類似するものではなく、また、これらを総合して全体として考察した場合、外観及び称呼において前述の相違点があり、両商標とも特定の観念を有しないのであるから、これらを総合しても、彼此相紛れるおそれのある類似するものとみることはできないとするのが相当である。 してみれば、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものということはできない。 したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-04-17 |
出願番号 | 商願2001-23189(T2001-23189) |
審決分類 |
T
1
651・
4-
Y
(Z0942)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小林 由美子 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
小林 和男 伊藤 三男 |
登録日 | 2002-06-07 |
登録番号 | 商標登録第4574247号(T4574247) |
権利者 | 日本電気株式会社 |
商標の称呼 | アクトウオッチ |
代理人 | 永田 豊 |
代理人 | 川口 嘉之 |
代理人 | 遠山 勉 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 松倉 秀実 |