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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない 005 |
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管理番号 | 1076808 |
審判番号 | 不服2000-183 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-01-06 |
確定日 | 2003-04-14 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第2938号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「VITRASE」の欧文字を横書きしてなり、商品及び役務の区分を第1類とし、願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年1月13日(優先権主張、アメリカ合衆国1996年7月11日)に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成10年3月13日付けの手続補正書をもって、第5類「硝子体・網膜疾病の治療のために眼球に注入される凍結乾燥させた薬剤」に補正されたものである。 2 原査定の引用商標 原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第539019号商標(以下、「引用商標」という。)は、「ビタラーゼ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和33年7月28日に登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同34年7月15日に設定登録、その後、同55年2月29日、平成元年9月22日及び同11年7月6日の3回にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされたものである。 3 当審の判断 そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、「VITRASE」の文字を書してなるものであるが、これは特定の語義を有する成語とはいえないところ、本願商標の指定商品が薬剤に含まれるものであってみれば、この種商品を取り扱う業界にあっては、英語のみならず、ドイツ語も比較的多く用いられているところから、本願商標に接する取引者、需要者は、ドイツ語風の読みをもって称呼する場合も決して少なくないものというのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「ビトラーゼ」の称呼をも自然に生ずるものである。 他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「ビタラーゼ」の称呼を生ずること明らかである。 そこで、本願商標より生ずる「ビトラーゼ」の称呼と引用商標より生ずる「ビタラーゼ」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に5音構成よりなり、称呼上重要な要素を占める語頭音を含む第2音以外のすべての音を、その配列を含めて同じくし、異なるところは、第2音目において「ト」と「タ」の音の差異を有するにすぎないものである。 しかして、該差異音「ト」と「タ」は、子音「t」を共通にするばかりでなく、その母音「o」と「a」は、母音三角形の隣同士に位置し、母音の中でも調音方法が近い音声であることから、近似した音として聴取されるものである。そして、その差異が比較的聴取され難い中間に位置する音でもあることから、これらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相近似し、互いに紛れるおそれのあるものというべきである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較すべきところがないとしても、両商標は、称呼において相紛れるおそれのある、全体として類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されているものである。 したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-11-21 |
結審通知日 | 2002-11-22 |
審決日 | 2002-12-03 |
出願番号 | 商願平9-2938 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(005)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 有三、伊藤 三男 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 井出 英一郎 |
商標の称呼 | ビトラーゼ、ビトレース、ビトレーズ |
代理人 | 恩田 博宣 |