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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 017 |
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管理番号 | 1075308 |
審判番号 | 審判1999-11802 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-07-19 |
確定日 | 2003-03-19 |
事件の表示 | 平成8年商標登録願第134358号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「AMORPHOUS CARBON FIBER」及び「アモルファスカーボンファイバー」の文字を二段に横書きしてなり、第17類に属する願書記載のとおりの商品を指定して、平成8年11月28日に登録出願、その後、指定商品については、同10年12月18日付け手続補正書により、「炭素繊維」とする補正がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『AMORPHOUS CARBON FIBER』『アモルファスカーボンファイバー』の文字よりなるが、そのうちの『AMORPHOUS』の文字部分と『アモルファス』の文字部分は、非結晶化等の意味を有する英語とその読みと認めるものであり、『CARBON FIBER』の文字部分と『カーボンファイバー』の文字部分は炭素繊維の意味を有する英語とその読みと認めるものであるから、これをその指定商品中『例えば、炭素繊維』に使用した場合、それに接する需要者・取引者は、非結晶の炭素繊維を認識し、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記構成よりなるところ、構成文字中の「AMORPHOUS」「アモルファス」は、「無定形。原子または分子が規則的な周期的配列をした結晶をつくらないで固体となっている状態。最近では非晶質と同義語として用いられることが多い(株式会社東京化学同人発行「エッセンシャル化学辞典」)」を意味し、「アモルファス合金」「アモルファス半導体」等の用例として知られている。また、同「CARBON FIBER」「カーボンファイバー」は、炭素繊維を指す外来語若しくは英語であって、航空機機材、各種スポーツ、レジャー用品の素材として広く使用されていることはよく知られている。 さらに、「化学辞典」(株式会社東京化学同人発行)には、「炭素の同素体のうち、有機物の加熱炭化に際して縮合多環型平面分子が三次元規則的に積層せず、乱層構造の結晶子として発達したものの総称」として「無定形炭素[amorphous carbon]」の語が掲載されている。 加えて、1997(平成9)年6月6日付け朝日新聞(東京夕刊)には、「非結晶の炭素繊維でボールよく飛びます ゴルフクラブなどで実用化」の表題の下、「非結晶の炭素繊維は、液状の原料を伸ばして繊維をつくる過程で、普通の炭素繊維とは違った温度処理をすることでできる。」との記事がある。 以上を総合すると、本願商標中の「AMORPHOUS」「アモルファス」の文字は、「非結晶、無定形」を意味し、「CARBON FIBER」「カーボンファイバー」の文字は、本願の指定商品である「炭素繊維」を意味することは明らかであり、上記文字を結合してなる本願商標は、「非結晶の炭素繊維」或いは「アモルファス(非結晶、無定形)構造の炭素繊維」を意味する語であると容易に理解し得るものと認められる。 してみれば、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に上記意味合いとして商品の品質を表示するものと理解、認識するに止まり、自他商品の識別標識としてこれを認識し得ないといわざるを得ない。 ところで、請求人は、本願商標は、商標法第3条第2項の規定に該当するものとして登録されるべき旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出しているが、請求人自体が使用している証拠は、甲第1号証の会社案内のみで、他の甲第2号証ないし甲第15号証は、全て他人の使用に係る商品「ゴルフクラブ、バドミントンラケット」の商品カタログ若しくは広告であり、これらをもってしては、本願商標をその指定商品「炭素繊維」に使用した結果、本願商標が自他商品識別力を有するに至ったものと認めるに足りないから、その主張は採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であり、取り消す限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-12-27 |
結審通知日 | 2003-01-17 |
審決日 | 2003-01-28 |
出願番号 | 商願平8-134358 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(017)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 泉田 智宏、和田 恵美 |
特許庁審判長 |
上村 勉 |
特許庁審判官 |
山田 正樹 鈴木 新五 |
商標の称呼 | アモルファスカーボンファイバー、アモルファス |
代理人 | 岸田 正行 |
代理人 | 水野 勝文 |