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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z09 |
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管理番号 | 1075299 |
審判番号 | 審判1999-2942 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-02-19 |
確定日 | 2003-03-12 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第141591号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「エンハンススピーカ」の片仮名文字を標準文字とし、第9類「電気通信機械器具」を指定商品として、平成9年7月23日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同10年11月17日付手続補正書により「スピーカー」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、「本願商標は、『程度を高める、価値を高める』を意味する英語である『enhance』の語に通じ、その指定商品を取り扱う業界においては、能力や性能を向上させることを意味するものとして普通に使用されている『エンハンス』の文字と指定商品の名称(普通名称)である『スピーカ』の文字を結合させて『エンハンススピーカ』と普通に用いられる方法をもって書してなるが、全体としては、『能力や性能を向上させたタイプのスピーカ』程度の意味合いを表すものと理解されるものであることから、これを、その指定商品『スピーカー』に使用したときは、需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記したとおり、「エンハンススピーカ」の文字よりなるところ、構成中前半の「エンハンス」の文字部分は、「強化すること。価値などを高めること。」を意味する「enhance」を片仮名表記したものと理解されるものである。また同じく、後半の「スピーカ」の文字部分は、本願指定商品「スピーカー」を表すものと容易に理解されるものであるから、本願商標は、全体として、「価値(機能)を高めたスピーカー」の意味合いを容易に把握し、理解されるものである。 ところで、近年、電気通信機械器具を取り扱う業界においては、AV機器のデジタル化、情報処理技術の進展等により、各種機器の高機能化が進んでいる。それに伴い音響・音声のデジタル処理技術も格段の進歩をみせており、これら、高性能化された商品は、例えば、「エンハンス回路を有するイコライザー」、「エンハンスドビデオ」、「エンハンスドCD」、「ステレオエンハンサー」等のように称されて、「エンハンス商品」として音響機器の機能を高めたことを付加価値とした商品が市場に出回っていることは周知の事実である。 してみれば、上記分野の取引の実情よりすると、前記した構成よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「機能を高めたスピーカー」なる意味合いをもって、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものとみるのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわなければならない。 したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。 なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定しているが、同第3号と同第6号とは、自他商品・役務の識別標識として機能しないものは登録を受けることができないとする商標登録の要件に関する同趣旨の条項と認められるから、当審において、本願商標を同第3号に該当するものと判断しても、請求人(出願人)には既に意見書(自他商品の識別力の有無について)を提出する機会が与えられているので、あらためて拒絶の理由を通知することなく判断した。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-12-24 |
結審通知日 | 2003-01-10 |
審決日 | 2003-01-23 |
出願番号 | 商願平9-141591 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 林 栄二 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
小林 和男 高橋 厚子 |
商標の称呼 | エンハンススピーカ、エンハンス |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 岩橋 文雄 |