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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z01
審判 全部申立て  登録を維持 Z01
審判 全部申立て  登録を維持 Z01
管理番号 1073800 
異議申立番号 異議2002-90581 
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-04-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-08-23 
確定日 2003-02-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第4571725号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4571725号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第4571725号商標(以下「本件商標」という。)は、「AQUA PEARL」の文字と「アクア パール」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年5月11日に登録出願、第1類「真珠岩を主原料とする土壌改良材」を指定商品として、平成14年5月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)「アクアパール」の語は、「アクア色をした真珠光沢」の意味で、自動車、実用品、宿泊サービス、装飾品、化粧品、衣料品、自動二輪などの極めて広い分野で用いられているから、本件商標をその指定商品に使用しても、その土壌改良材がアクア色をした真珠光沢であれば、これに接する取引者、需要者は、単にその商品の品質を表示した語を認識するにとどまり、アクア色の真珠光沢をもたない土壌改良材に使用するときは、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
(2)また、本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「アクアタール」の文字を横書きしてなり、平成4年2月24日に登録出願、第1類「半導体を製造する際に用いられるフオトレジストの反射防止用化学溶液、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録された登録第2654193号商標(以下「引用商標」という。)と「アクアパール」、「アクアタール」の称呼において類似するものであり、指定商品も抵触する。
(3)したがって、本件商標は、商標法第第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標が色彩を表示するものであるか否かについて
本件商標は、前記のとおり「AQUA PEARL」及び「アクア パール」の両文字よりなるものであり、「AQUA(アクア)」の語は「水」を、「PEARL(パール)」の語は「真珠」をそれぞれ意味する語として広く親しまれているといえるものである。
そこで、申立人の提出に係る証拠を検討するに、甲第4号証ないし同第13号証はインターネットのホームページより出力した資料であって、ペーパークラフト(自動車)のホームページ(甲第4号証)、自動車、オートバイに関連したホームページ(甲第5号証ないし同第7号証、同第13号証)に「アクアパール」の語が他の語に付され又は単独で使用されている。しかしながら、仮に「アクアパール」の語がこれらの自動車、オートバイの色彩を表示するものとして現に使用されていたと仮定しても、該自動車、オートバイのメーカーがその時期に「アクアパール」の語を色彩表示として使用したことがあったということを示すにとどまり、自動車の業界で該語が色彩を表示するものとして普通に使用されていたという事実を示すものではない。
また、ワンタッチコームのホームページ(甲第8号証)、宿泊施設のホームページ(甲第9号証)ブレスレットなどのホームページ(甲第10号証ないし同第12号証)に「アクアパール」語が使用されていることが認められるが、これらの事実は、インターネット上に存在する膨大な数のウェブサイトの中でわずか数件が散見されたというにすぎないものである。しかも、一般にインターネットのホームページは、開設したウェブサイトの運営者が自由に作成できるものであって、これらのページに掲載されている内容が、必ずしも商品、役務の取引の実情を適格に反映しているもののみであるとは認め難く、これらを併せ考慮すれば、申立人の提出に係る証拠では、「アクアパール」の文字が、本件商標の指定商品である「真珠岩を主原料とする土壌改良材」の品質を表示するものとして普通に使用されているという事実は、到底認めることができない。
加えて、申立人が「アクアパール」の語から生ずると述べる「アクア色をした真珠光沢」がいかなる品質(色彩)であるのか必ずしも明確ではない。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者は、これを商品の品質を表したものと認識するというよりは、「水」を意味する「AQUA(アクア)」の語と「真珠」を意味する「PEARL(パール)」の語とを単に結合したものと理解し、自他商品を識別すべき標識としての機能を果たすものと認識すると判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、いずれの指定商品についても、商品の品質を表示するものではなく、かつ、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
(2)本件商標が引用商標と類似するか否かについて
本件商標は、上記のとおりの構成よりなるものであり、その構成文字に相応して「アクアパール」の称呼を生ずるものといえる。
これに対し、引用商標は、「アクアタール」の文字よりなるものであり、その構成文字に相応して「アクアタール」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「アクアパール」の称呼と引用商標より生ずる「アクアタール」の称呼とを比較すると、両称呼は、第4音の「パ」と「タ」の音の差異を有するものであって、これら両音は長音を伴っていることより強い音として発音し聴取されるものといえる。
そうすると、これらの差異音が全体の称呼の音調、音感に与える影響は大きいといわざるを得ないから、それぞれを一連に称呼した場合、両称呼は彼此相紛れるおそれはないものと認められる。
してみれば、本件商標は、称呼において類似するものではないと判断するのが相当である。
また、上述のとおり、本件商標は、特定の観念を生じない一種の造語よりなるものであり、引用商標と観念においては比較し得ないものであり、それぞれに構成よりして、外観においても類似するものではない。
したがって、本件商標は、引用商標と、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似するものとは判断することができない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-02-03 
出願番号 商願2001-42825(T2001-42825) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (Z01)
T 1 651・ 272- Y (Z01)
T 1 651・ 13- Y (Z01)
最終処分 維持  
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 山口 烈
小林 和男
登録日 2002-05-24 
登録番号 商標登録第4571725号(T4571725) 
権利者 株式会社イケガミ
商標の称呼 アクアパール 
代理人 田中 美登里 
代理人 大島 厚 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 藤倉 大作 
代理人 櫻井 健一 
代理人 井滝 裕敬 

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