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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 208 |
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管理番号 | 1073790 |
審判番号 | 取消2002-30528 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-04-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2002-05-15 |
確定日 | 2003-01-16 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第381370号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第381370号商標の指定商品中、第8類「缶切,かつお節削り器」及び第21類「大根卸し」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第381370号商標(以下「本件商標」という。)は、商標の構成を後掲に示すとおりとし、昭和23年7月21日に出願され、その指定商品を第8類「利器及尖刃器」として、昭和25年2月17日に商標権の設定登録がされたものである。そして、当該商標権の存続期間についての更新は、平成12年2月15日の更新登録を含め4回に亘りされている。 また、指定商品及び商品区分については、平成13年11月28日に、第6類「金属製のくぎ・ねじくぎ及びびょう」、第8類「手動利器,缶切,かつお節削り器」、第20類「くぎ・ねじくぎ及びびょう(金属製のものを除く。)」、第21類「大根卸し,魚ぐし」、第26類「針類」及び第28類「釣針」に書換登録がされている。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、本件商標に係る商標公告公報(甲第1号証)及び商標登録原簿(甲第2号証)を提出している。 <取消理由> 請求人が調査するも、本件商標は、その指定商品中の第8類に属する「缶切,かつお節削り器」及び第21類に属する「大根卸し」のいずれについても、過去3年以内に日本国内において、被請求人により使用されている事実を発見することはできなかった。また、被請求人から本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権の許諾を受けて、被請求人以外の者が、本件商標を前記指定商品について過去3年以内に日本国内において使用している事実も見出せなかった。なお、甲第2号証として提出する商標登録原簿によれば、専用使用権及び通常使用権の登録はされていない。 したがって、本件商標は、その指定商品中の第8類に属する「缶切,かつお節削り器」及び第21類に属する「大根卸し」について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれの者によっても、継続して3年以上に亘り日本国内において使用されている事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書を提出している。 <答弁理由> 登録商標の使用説明書に記載のとおり、本件商標は、被請求人自身により「卸金」について使用されている。 その使用時期は、平成13年12月21日、22日、25日ないし28日である。現在使用していないのは、本件商標が卸金について常時使用されておらず、木屋日本橋店において行われる卸金の実演販売の際に使用されるからである。実演販売は店内に別紙写真の看板を立てて行われる。 卸金の販売は、職人と株式会社木屋との間に株式会社森平が介在して行われる。したがって、別紙納品書は株式会社森平の発行となっている。納品書の発行日は2001年(平成13年)12月29日であるが、これは実演販売終了後における請求書の締め日に合わせて送られてくるからである。各日ごとに納品書が送られてくるわけではない。 被請求人が卸金を小売しているのは事実であるが、個々の商品について売上の統計のようなものはとっておらず、したがって、店頭で販売した卸金に該当する売上伝票などは存在しないのでそのようなものは提出することができない。しかしながら、ここに提出した証拠で本件商標が卸金について使用されたことは証明されている。 4 当審の判断 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 (1)そこで、被請求人が、本件商標を本件審判の取消対象商品中の「卸金」について使用していた事実を証明するものとして提出した登録商標の使用説明書に添付した書類、すなわち、商標の使用の事実を示す書類とする(ア)商品の写真(作成年月日 平成14年7月15日)、(イ)納品書写し(作成年月日 平成13年12月29日)、及び(ウ)看板の写真の写し(作成年月日 平成14年7月22日)によって、所定の期間内に商品「卸金」について本件商標の使用をしていること等を証明し得たものであるか否かについて判断する。 (ア)商品の写真について この商品の写真は、開けた状態の個装箱に商品「卸金」を包装したものを写した写真2葉からなり、上段の写真からは、個装箱のラベルに「本目立」、「純銅 おろし金」及び「日本橋 木屋」の表示、また、内包された商品は、調理器具の一つ「卸金(おろしがね)」であり、取消対象商品中の「大根卸し」と同一の商品であること。そして、下段の写真は、該卸金の柄部分を拡大したものであって、「登録商標」、「金」及び「木屋 請合」の刻印がされていることの事実は認められる。 しかしながら、この写真の作成年月日とする平成14年7月15日は、本件審判の請求の登録前3年以内にかかるものではなく、その使用時期は不明といわざるを得ないものである。 (イ)納品書写しについて この納品書は、「日付 01.12.29」とする記載から、その発行日を2001年(平成13年)12月29日付とするものであって、商品名の欄に「木屋 卸金」、「日本橋本店 実演分」等の記載があり、株式会社森平と商標権者との間に、「木屋 卸金」とする商品についての商取引がされたであろうことは認められる。 しかしながら、この納品書からは、「卸金」を本件審判の請求の登録前3年以内にかかる期日において、株式会社森平より納品されたことは認められるとしても、この納品された商品は、商品名を「木屋」とする「卸金」であること以外、該商品に本件商標を使用しているとの点は明らかでなく、また、本件商標を刻印した上記(ア)の個装箱に内包した商品と同一であるとの整合性も見出せず、かつ、これを裏付ける証拠の提出もない。 したがって、該納品書は、(ア)商品の写真についての使用時期を補完するものとは認め難く、その事実は証明されない。 (ウ)看板の写真の写しについて この看板の写真は、実演販売に使用される看板を写したものであるというところ、これよりは、「日本橋木屋特製」、「純銅おろし金本目立て実演中」及び実演者氏名の表示から、商標権者が「卸金」の実演販売用に作成した看板であろうこと以外、直ちに、本件商標を使用した卸金の実演販売の使用時期などを含め、その使用を証明し得たものといえないものである。そして、この写真の作成年月日とする平成14年7月22日は、本件審判の請求の登録前3年以内にかかるものではない。 (2)以上のとおり、上記(ア)ないし(ウ)を総合して判断すれば、本件商標を実際の商取引での使用、すなわち、指定商品「大根卸し」に該当の「卸金(おろしがね)」とする実体商品について、本件商標を使用し、具体的にどの時期にどの地域で取引したものか等の点については客観的に認められず、それら状況は不明というほかはない。 してみると、被請求人提出に係る書証のみをもってしては、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内でその請求に係る指定商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれの者によっても、本件商標の使用は証明されないものといわざるを得ない。 このほか、被請求人は「木屋日本橋店において行われる卸金の実演販売の際に使用され、被請求人が卸金を小売しているのは事実であるが、個々の商品について売上の統計のようなものはとっておらず、したがって、店頭で販売した卸金に該当する売上伝票などは存在しないのでそのようなものは提出することができない。」旨述べているが、その主張をもって、その使用は証明されない。また、その他、前記認定を覆すに足りる証拠はない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第8類「缶切,かつお節削り器」及び第21類「大根卸し」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 |
審理終結日 | 2002-11-08 |
結審通知日 | 2002-11-13 |
審決日 | 2002-12-05 |
出願番号 | 商願昭23-12274 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(208)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
滝沢 智夫 |
特許庁審判官 |
今田 三男 高野 義三 |
登録日 | 1950-02-17 |
登録番号 | 商標登録第381370号(T381370) |
商標の称呼 | 1=カネ 2=キン |
代理人 | 遠藤 祐吾 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 村橋 史雄 |
代理人 | 伊藤 浩平 |