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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 111 |
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管理番号 | 1073601 |
審判番号 | 取消2002-30076 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-04-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2002-01-23 |
確定日 | 2003-02-19 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第0876930号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第0876930号商標の指定商品中「電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く)」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第876930号商標(以下「本件商標」という。)は、「VIP」の欧文字を横書きしてなり、昭和43年4月16日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同45年10月22日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品中の「電球類および照明器具」及び「電気通信機械器具」についての登録は、それぞれ平成13年2月21日付け及び同14年9月24日付けの審決により取り消され、その抹消の登録が同13年5月16日及び同14年12月4日になれたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1.被請求人は、継続して3年以上日本国内において、本件商標をその指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について使用していない。しかも、本件商標については専用使用権又は通常使用権の設定登録もなされていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条により、その指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録の取消を免れないものである。 2.答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、本件商標について、単に使用の計画をしている事実を述べているのみであって、具体的な使用についての説明は一切されておらず、かつ、乙第1号証ないし乙第4号証は、商標法第2条第3項にいう使用に該当するものではない。 (2)以下に述べるとおり、乙各号証は、本件商標の実際の使用を証明するものではない。 ア.乙第1号証 乙第1号証は、「パワー半導体」といった商品に関し、単にその商品の説明及びその実用化にメドがついた事実の報告にすぎず、本件商標が実際に使用されていることを証明するものではない。 イ.乙第2号証 乙第2号証は、単に「パワーモジュール」なるものの社内における開発スケジュールを表したにすぎず、本件商標が実際に使用されていることを証明するものではない。 ウ.乙第3号証 被請求人は、乙第3号証により、上記「パワー半導体」について本件商標の採用検討を開始した証拠としているが、これは単に社内連絡のためのeメールであって、これが本件取消に係る商品に関する「広告、定価表又は取引書類」に該当するものではないことは明らかである。 エ.乙第4号証 乙第4号証は、上記乙第2号証の開発スケジュールを更に展開し、将来的な技術開発に向けた社内における提案にすぎず、この乙第4号証中に、本件商標と同一の文字からなる「VIP」の文宇が表記されているものの、乙第4号証が本件取消に係る商品に関する「取引書類」等に該当するものではないことも明らかである。 オ.乙各号証を総合的にみても、これら証拠よりは将来的に本件商標を附した商品を販売していく「予定」があることが伺われるにすぎず、本件商標が本件審判の請求日前少なくとも3年以内に継続して、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について使用されていることを証明するものではない。 (3)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定ににより、その指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録は取り消されるべきある。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。 1.被請求人は、「パワー半導体の小型・高放熱パッケージ」(使用予定商品;乙第1号証)の開発を実施しており、現在前記商品のネーミングとして本件商標を採用することを計画している。 2.使用予定商品は半導体関連のものであるので、「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」にあたるものである。 3.使用予定商品の発売は、現在のところ平成14年(2002年)4月ころを予定しており、被請求人は、これに向けて、平成13年(2001年)4月には既に使用予定商品の開発スケジュールを立て、この時点で、商標を「VIP」にするという前提で話を進めており(乙第2号証)、また、使用予定商品は、今後もパッケージ半導体から混成集積回路へと展開していく予定である(乙第4号証)。 4.本件商標の採用検討を開始した証拠として、社内連絡のeメールのコピー(乙第3号証)を提出する。 被請求人は、平成13年(2001年)年5月31日の段階で、既に本件商標の採用について本格的な検討を開始しており、証拠資料からも明らかなとおり、この時期は本件審判の請求日(平成14年1月23日)から8ヶ月も早いことが明らかである。 被請求人は、本件審判の請求日以前に請求人から本件商標の譲渡の申入れを受けた事実もなく、請求人の審判請求の意思を知るはずもなく、したがって、請求人の意思とは無関係に本件商標の使用について計画を進めてきたことは明らかである。 5.上記1.ないし4.の理由により、本件商標は、その指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものではない。 第4 当審の判断 1.被請求人は、半導体関連の商品である「パワー半導体の小型・高放熱パッケージ」(使用予定商品)について本件商標を採用することを計画し、その発売は、平成14年(2002年)4月ころを予定しており、同13年(2001年)4月には既に使用予定商品の開発スケジュールを立て、同13年5月31日の段階で、本件商標の採用について本格的な検討を開始している旨主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出しているが、以下の理由により、被請求人が、本件商標をその指定商品中の使用予定商品について、本件審判の請求の登録日(平成14年(2002年)2月20日)前3年以内に使用しているものと認めることはできない。 (1)乙第1号証(2000年(平成12年)11月22日付けインターネット記事)によれば、被請求人が開発した半導体「DACFET」に関し、「家電機器の電源用として2003年に製品化へ」の記載が認められるが、本件商標を使用した商品に関する記事ではない。 (2)乙第2号証(2001年(平成13年)4月4日付け「2001年度パワーモジュール開発日程」)によれば、開発に係るパワーモジュールは、その「量産化検討」が2001年(平成13年)度3月末までであることが記載されている。 なお、「項目」欄には、「1.VIPパッケージ開発」の文字が認められるが、後記(3)で認定するように、開発に係るパワーモジュールについて、2001年(平成13年)5月31日付け「Fw:VIP」の関する被請求人の社内メール(乙第3号証)によれば、2001年(平成13年)5月31日の段階で「VIP」と名付けることを検討していることが認められ、このことからすると、「項目」欄における「VIP」は、「垂直方向に接続をもつパッケージとして」の「vertical interconnection package」のそれぞれの単語の頭文字をとった「VIP」であると認められ、該「VIP」は、単に「垂直方向に接続をもつパッケージ」を意味するものとして使用されているにすぎないものと推認されるものであるから、本件商標の使用とは認められない。 (3)乙第3号証(2001年(平成13年)5月31日付け「Fw:VIP」の関する被請求人の社内メール)によれば、「パワー半導体の小型・高放熱パッケージ開発」(使用予定商品)に関し、2002年1月に量産開始のスケジュールで進めていること、該商品の名称に、「垂直方向に接続をもつパッケージとして」を意味する「vertical interconnection package」のそれぞれの単語の頭文字をとった「VIP」を選定することを考えていることなどを内容とするものである。そして、乙第3号証からは、2001年(平成13年)5月31日の段階で、使用予定商品について「VIP」の名称を使用することが予定されていたとしても、これをもって本件商標がその指定商品中の使用予定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたと認めることはできない。 (4)乙第4号証(「2001年下期」とする「パワー回路形成の開発ロードマップ」)によれば、パッケージ半導体から混成集積回路へと展開し、将来への開発に向けた方針が認められるとしても、乙第4号証は、パッケージ半導体から混成集積回路へと展開していく予定を示したものにすぎない。 なお、該「ロードマップ」中の「回路形成」欄には、2000年と2005年の間に「ベアチップ実装(VIP)」の文字が認められるが、これが、前記(2)で認定したように、「垂直方向に接続をもつパッケージ」を意味するものとして使用されているにすぎないものと推認され、本件商標の使用とは認めることはできない。 (5)以上のとおり、乙第1号証ないし乙第4号証は、いずれも本件商標をその指定商品中の使用予定商品について、使用の予定を示す書類であるか、本件商標の使用とは関係を有しない書類であって、これらの書類により、本件商標を請求に係る商品について、商取引の場において具体的に使用されている事実を見出すことはできない。また、他に、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内の使用されたと認めるに足る客観的証左も見出せない。 2.以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標を請求に係る指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について、日本国内において使用した事実を何ら証明していないといわざるを得ず、また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録を取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-12-19 |
結審通知日 | 2002-12-25 |
審決日 | 2003-01-07 |
出願番号 | 商願昭43-26636 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(111)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 井岡 賢一 |
登録日 | 1970-10-22 |
登録番号 | 商標登録第876930号(T876930) |
商標の称呼 | ビツプ、ブイアイピイ |
代理人 | 太田 恵一 |
代理人 | 西野 吉徳 |