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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z0942
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z0942
管理番号 1070902 
審判番号 不服2000-156 
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-01-06 
確定日 2002-12-24 
事件の表示 平成10年商標登録願第 14993号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CAI」の欧文字を標準文字としてなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,コンピュータープログラムを記憶させた電子回路,磁気ディスク又は磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ報知機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」及び第42類「コンピューターシステムに関するコンサルティング,コンピューターの部品及び装置の試験・評価,コンピューターの部品及び装置の設計,電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計又は保守,電子計算機等その用途に応じて的確な操作をするために高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,派遣による電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定商品及び指定役務として、平成10年2月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、学習プログラムや教材などの情報を多量に記憶した大容量のコンピュータに多数の学習端末機を接続し、タイムシェアリング方式によって同時に使用できる教育システムを表す(コンピュータ2500、カタカナ語辞典等多数)コンピュータ援用学習の意味のcomputer aid-ed instruction の略語と認められる『CAI』の文字を書してなるにすぎないものであるから、これを本願の第9類指定商品中『コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク又は磁気テープ』、第42類指定役務中『コンピューターシステムに関するコンサルティング,電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,派遣による電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』に使用するときは、単に商品の品質又は役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品又は前記役務以外の役務に使用するときは商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「CAI」の欧文字よりなるところ、この「CAI」の文字は、原審において認定されているとおり、「computer aided instruction」の略語で、コンピュータを利用した学習システムを意味し、学習プログラムや教材などの情報を多量に記憶した大容量のコンピュータに多量の学習端末機を接続し、タイムシェアリング方式によって同時に使用できるコンピュータ援用学習システム(拒絶理由通知中に記載の参照文献「コンピュータ2500」「カタカナ語辞典」はそれぞれ「コンピュータ2500語事典」「コンサイスカタカナ語辞典」を指す。)を意味するものであることは認めることができるものである。この点、出願人(請求人)は、平成11年8月24日付意見書において、「本願商標を構成する『CAI』がコンピュータ援用学習の意味のComputer aid-ed(assisted)instructionの略語であること」として、これを認めているところである。
さらに、「CAI」の文字が、「コンピュータ援用学習システム」を意味する語して使用されていることは、例えば、以下の文献によっても認めることができる。
(1)「知恵藏 朝日現代用語2001(朝日新聞社発行)」には、「CAI」の見出しの下、「[computer-assisted〈adided〉instruction]コンピュータ援用学習システム」と記載されている。
(2)「imidas2002 別冊付録 IT用語/カタカナ・略語辞典(株式会社集英社発行)」には、「CAI」の見出しの下、「[computer-assisted instruction]コンピューターとの対話形式で、生徒や受講生が独習・自習する自動研修システム.」と記載されている。
(3)「日経パソコン新語辞典2001年版(日経BP社発行)」には、「CAI」の見出しの下、「computer aided instruction コンピューターを利用した教育のこと。パソコンなどを道具として使い学習を進める。CAIの効果として、学習者が自分のペースで学習を進められる点が挙げられる。」と記載されている。
(4)「デジタル用語辞典2001-2002年版(日経BP社発行)」には、「CAI」の見出しの下、「[Computer Assisted Instruction]『Computer Aided Instruction』ともいう。コンピュータを利用した教育のこと。『キャイ』と読むこともある。あらかじめプログラム教材ソフトを使い、生徒がパソコンを操作しながら学習する。・・・」と記載されている。
(5)「情報・通信新語辞典 2002年版(日経BP社発行)」には、「CAI」の見出しの下、「・・・CAIは主として、学習する人が学習課題の理解のためにコンピュータを利用すること。・・・」と記載されている。
(6)「1992年4月14日付日刊工業新聞」には、「山梨県竜王町、92年度からパソコン通信ネットで結ぶCAI始動。児童や生徒対象」の記事見出しの下、「山梨県・竜王町は九三年度から国が取り組んでいるニューメディアコミュニティー構想に基づき、町内各家庭とをパソコン通信で結ぶ“ドラゴンネット”のメーンシステムに位置づけた児童、生徒対象のコンピューター利用教育(CAI)をスタートさせる。・・・」との記述がある。
(7)「1996年11月30日付朝日新聞(東京地方版/茨城 茨城版)」には、「学校もパソコン新時代 膨らむ予算、教員育成も課題 /茨城」の記事見出しの下、「・・・桜南小は、教育でのインターネットの活用を研究する国の百校プロジェクトの指定を受けた、県内三校のうちの一つだ。・・・ネットワークルームのほか、コンピューター利用教育(CAI)用のパソコン四十一台が並ぶ教室もある。低学年では画面を使った『お絵かき』やCAIが中心だが、三年生以上は、これにインターネットが加わる。・・・」との記述がある。
(8)「1996年8月2日付日刊工業新聞」には、「関西大学文学部、音声対話形式のコンピューター利用教育システムを開発」の記事見出しの下、「関西大学文学部の壇辻正剛助教授らは、音声学の成果を取り入れた最新の音声対話形式によるコンピューター利用教育(CAI)システムを開発した。スペクトル分析、フォルマントグラフ(母音の構成素音)の表示に続き、九月初旬には声道断面図表示、発音・発声訓練も行えるようになる。・・・」との記述がある。
(9)「1995年6月8日付日刊工業新聞」には、「中小企業事業団、中小企業向けCAIを開発」の記事見出しの下、「中小企業事業団(理事長島田春樹氏)は九五年度の情報化推進の目玉事業として、エネルギー環境対応情報化指導システムの一環として『中小企業向けCAI(コンピューター利用教育)』を開発、中小企業向けに普及に乗り出した。・・・」との記述がある。
そうしてみると、近年、コンピュータの普及にともない、企業の社員教育、学校教育、家庭学習の場において、コンピュータの利用が進んでいる状況の中で、教育・学習支援用コンピュータ等の機器や教育用のコンピュータプログラムも作成され、販売されているところである。そして、このようなコンピュータを利用した教育・学習システムを一般に「CAI」と略称していることが認められる。
ところで、本願商標の指定商品及び指定役務には、教育用のコンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク又は磁気テープ、コンピュータ用プログラムや電子計算機等コンピュータ援用学習システムに係わる商品、及び、コンピュータ援用学習システムに係わるコンピュータコンサルタント等コンピュータ援用学習システムに係わる役務が含まれているところである。
してみれば、本願商標を教育用のコンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク又は磁気テープ、コンピュータ用プログラムや電子計算機等コンピュータ援用学習システムに係わる商品について使用するときは、商品の用途、品質を表し、コンピュータ援用学習システムに係わるコンピュータコンサルタント等コンピュータ援用学習システムに係わる役務について使用するときは、役務の質を表すにすぎないものである。また、前記商品以外の電気通信機械器具並びに電子応用機械器具について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあり、前記役務以外の役務について使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当し、これを登録すべきものとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-16 
結審通知日 2002-07-19 
審決日 2002-08-01 
出願番号 商願平10-14993 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z0942)
T 1 8・ 272- Z (Z0942)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 巻島 豊二 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高橋 厚子
高野 義三
商標の称呼 シイエイアイ、カイ、キャイ 
代理人 小田嶋 平吾 
代理人 小田島 平吉 

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