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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25
管理番号 1070799 
審判番号 無効2000-35349 
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-06-29 
確定日 2002-12-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4279501号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4279501号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4279501号商標(以下「本件商標」という。)は、「MarcoPoloClub」の欧文字及び「マルコポーロクラブ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成10年2月4日に登録出願、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年5月26日に登録された願書記載のとおりの商品を指定して第25類「かばん類,袋物,革ひも,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金」を指定商品として、同11年6月4日設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用した登録第2172862号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年8月25日登録出願、平成1年9月29日設定登録、その後、同11年5月6日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく、登録第1411885号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和51年5月29日登録出願、同55年3月28日設定登録、その後、平成2年5月23日、同11年11月9日の2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第14号証を提出している。
(1)本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由
本件商標は、「MarcoPoloClub」の欧文字及び「マルコポーロクラブ」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものであるが、これは「MarcoPolo」「マルコポーロ」と「Club」「クラブ」の2語からなるものであって、「MarcoPolo」及び「マルコポーロ」の文字は我が国の世人一般にも極めてよく知られている「東方見聞録」を口述した有名な旅行家の名前を表すものであり、「Club」及び「クラブ」の文字は、単に「棍棒」「(ゴルフ・ホッケーなどの)クラブ」「会」等の語義を有するものである。
また、これらの文字を結合してなる本件商標は、常に一体のものとして把握しなければならない特段の理由がないばかりでなく、それぞれ一連に称呼するときは、「マルコポーロクラブ」と9音にも及ぶ冗長なものである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、常に構成文字全体より生ずる「マルコポーロクラブ」の称呼をもって取引に当たるとは限らず、むしろ、強い印象を与える語頭の「MarcoPolo」及び「マルコポーロ」の文字に相応する「マルコポーロ」の称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが簡易迅速を尊ぶ取引の経験則に照らし相当であるといわざるをえない。
すなわち、本件商標は、「マルコポーロ」の称呼をも生ずるものというべきである。
一方、引用A商標及び引用B商標は、それぞれの構成文字に相応し、いずれも「マルコポーロ」の称呼を生ずるものであることは明らかである。
してみれば、本件商標と引用各商標は、「マルコポーロ」の称呼を共通にする類似の商標であり、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品が互いに抵触するものであることは明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものといわざるをえない。
(2)本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由
請求人が我が国においても、引用A商標をその指定商品中の「ジャンバー」、「セーター」及び「くつ下」に使用していたことは、例えば甲第7号証の5(平成9年審判第15973号審決の第5頁)によっても明らかであり、また、スウェーデン国等において、ジャケット等の被服について使用されている引用A商標は、需要者の間に広く認識されるに至っているところである(甲第9号証ないし同第14号証)。
しかして、本件商標と引用A商標が「マルコポーロ」の称呼を共通にする類似の商標であることは上述のとおりである。
そうとすれば、本件商標は、これを当該商標権者(被請求人)がその指定商品に使用するときは、その商品があたかも請求人の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

4 被請求人の主張
被請求人は、何等答弁していない。

5 当審の判断
本件商標は、「MarcoPoloClub」の欧文字及び「マルコポーロクラブ」の片仮名文字を二段に横書きしてなるところ、その構成文字中前半の「MarcoPolo」及び「マルコポーロ」の文字は、「東方見聞録」を口述した有名な旅行家の名前を表すものであり、また、その構成中後半の「Club」及び「クラブ」の文字は、「共通の目的によって集まった人々の団体、同好会、クラブ」を意味するごくありふれた日常用語と認められるものである。
そして、これらを結合してなる本件商標は、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の理由が存するものとは認められないだけでなく、本件商標の構成文字の全体より生ずる「マルコポーロクラブ」の称呼も9音と冗長であることからすれば、簡易迅速を尊ぶ取引においては、これに接する取引者、需要者は、その構成中にあって、上記の有名な旅行家の名前を表し、印象・記憶に残り易い前半の「MarcoPolo」及び「マルコポーロ」の文字部分を自他商品の識別力を発揮する要部ととらえ、これより生ずる「マルコポーロ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字の全体より生ずる称呼のほかに、単なる「マルコポーロ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用各商標は、いずれも「マルコポーロ」と称呼されるものと認められる。
してみると、本件商標は、引用各商標と「マルコポーロ」の称呼を共通にする場合のある類似する商標といわざるを得ない。
また、本件商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似する商品を含んでいるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)引用A商標

(2)引用B商標

審理終結日 2002-10-22 
結審通知日 2002-10-25 
審決日 2002-11-11 
出願番号 商願平10-8411 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (Z25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 梶原 良子 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 中田みよ子
鈴木 新五
登録日 1999-06-04 
登録番号 商標登録第4279501号(T4279501) 
商標の称呼 マルコポーロクラブ 
代理人 杉村 興作 
代理人 杉村 暁秀 
代理人 末野 徳郎 

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