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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 005
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 005
管理番号 1069263 
審判番号 審判1998-15356 
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-28 
確定日 2002-11-20 
事件の表示 平成 8年商標登録願第131591号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ゲットウ」の片仮名文字と「月桃」の漢字を毛筆体風に表したものとを上下二段に書してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成8年11月25日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ゲットウ』と『月桃』の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるものであるが、『月桃』はインド原産のショウガ科の多年草であり、芳香健胃剤として利用されるものであるから、この様な商標を本願指定商品中『月桃からなる芳香健胃薬』に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「ゲットウ」「月桃」の各文字を書してなるものであるところ、「月桃」の語については、株式会社廣川書店平成2年6月25日発行「廣川 薬科学大辞典〔第2版〕」には、「月桃(げっとう)」の項に、「インド、中国南部、台湾、日本では鹿児島県大隅半島に自生する植物ゲットウ Alpinia speciosa K.Schum(ショウガ科)の種子で、芳香をもつ。市場では黒様伊豆縮砂、白様伊豆縮砂の2種あるが、月桃は後者に属する。芳香健胃剤として利用される。」との記載が、日本月桃株式会社のホームページには「沖縄の草 月桃」と題して、「月桃とは沖縄県を含む亜熱帯に群生するショウガ科の植物(草本)です。初夏に白い花が咲き、秋になるとこれが赤い実になります。濃緑色の葉には独特の芳香があり、沖縄ではこの葉に餅を包んで蒸し、菓子として食します。月桃は古来より漢方薬として利用され、健胃整腸、食欲増進、毒虫刺され、咳止め等の効能が伝承されています。月桃には明治薬科大の研究で血栓予防成分の存在も確認されています。」との記載があることが認められる。
そして、「月桃」は、沖縄においては、古来より漢方薬として利用され、健胃整腸、食欲増進、毒虫刺され、咳止め等の効能が伝承されていることから、月桃のエキスを利用して防虫・防菌・防臭剤、農薬(土壌活性剤)、食料品(茶)等に用いられているものであり、その地において名産品や土産品として販売されていることを窺うことができる。
上記実情よりすると、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「月桃を原料、成分とした商品」なる意味合いを表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中「月桃の成分が添加された薬剤」について使用しても、単にその商品の品質、原材料を表示するにすぎないものであって、それ以外の薬剤について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「月桃」は植物名の正式な呼び方ではないこと、「ゲットウ」「月桃」は特定の人のみにより使用されていたこと、他の登録例を挙げ本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、「月桃」の文字が使用されていること、そして本願商標が自他商品の識別機能を有しないことは前記したとおりである。また、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるものであるから、仮に「月桃」が一般に知られていない場合であっても、前記の趣旨からして特定人に独占させることは適切ではないものである。そして、請求人の挙げる登録例は、構成する文字、指定商品において相違するものであるから、該登録例と本願商標とを同列に論ずることはできない。したがって、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-09-02 
結審通知日 2002-09-13 
審決日 2002-10-01 
出願番号 商願平8-131591 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (005)
T 1 8・ 272- Z (005)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 三男松田 訓子 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 小林 和男
高橋 厚子
商標の称呼 ゲットウ、ツキモモ 

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