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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z09
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z09
管理番号 1069205 
審判番号 審判1999-15165 
総通号数 37 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-09-20 
確定日 2002-11-06 
事件の表示 平成10年商標登録願第6631号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,電気計算機,票数計算機」を指定商品として、平成10年1月29日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、平成11年6月23日付手続補正書により、第9類「電子応用機械器具及びその部品,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,手動計算機,電気計算機,票数計算機」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、旧字の『楽』を用いた『楽楽会計』及び『楽楽会計』の文字を特殊ともいえない方法で二段に書してなるところ、平成10年4月27日に発行された日経産業新聞第7面には、『・・・・・・コンピュータバンクが専用に開発した会計ソフト[楽々会計]を組み込んだ・・・・・・』のように記載されており、平成8年7月16日に発行された日経産業新聞第21面には、『・・・・・・中小建設業向けに機能を絞って価格を抑えた財務会計ソフト[建設楽々会計]を発売した・・・・・・』旨記載されている。してみれば、本願商標を、指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、電子応用機械器具及びその部品,金銭登録機)』について使用するときは、単にこの商品が会計処理を楽々とできるものであること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり、「樂樂会計」の文字を上段に、「楽楽会計」の文字を下段に、共に毛筆による書体で横書きしてなるものであるところ、その構成中の「樂樂」の文字は、「楽楽」の文字を旧字体で表示したものと認められる。そして、「楽楽」の文字は「ゆったりしていて安楽なこと、たやすいさま」を意味する成語として、また、「会計」の文字は「金銭・物品の出納の記録・計算・管理。また、その担当者。」を意味する成語として、どちらも親しまれている語であるから、全体として、「たやすくできる金銭・物品の出納の記録・計算・管理」の意味合いを容易に認識させ得るものといえる。
そして、近年、硬貨の選別・計数機などが高性能化していることに加え、会社の会計処理、飲食店の収支計算など、それぞれの職種に対応した会計ソフトが販売され、これによって従来専門家に依頼していたものが個人でも容易に会計処理ができるようになってきていることは、広く知られている事実である。
上記の実情よりすると、「樂樂会計/楽楽会計」の文字よりなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「楽楽と会計する商品」すなわち「楽楽と容易に会計処理が行える商品」なる意味を表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品中、例えば「金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,財務会計処理のための電子計算機用プログラム」等「会計処理が行える商品」について使用するときは、その商品は単に楽々と容易に会計処理が行えることを表している、すなわち、単に商品の用途・機能を表示するにすぎないものであって、それ以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「楽」の文字を旧字体とした「樂」であり、特殊文字を用いているから、識別力を有する旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の「普通に用いられる方法で表示する標章」とは、文字の表示態様において、普通の態様(書体)で表示された標章をいうものであり、本願商標の「樂」は「楽」の旧字体であり、その書体も一般に用いられている書体で書されたもので、特異な表示態様とはいい難く、普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

審理終結日 2002-08-20 
結審通知日 2002-08-30 
審決日 2002-09-17 
出願番号 商願平10-6631 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z09)
T 1 8・ 272- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平山 啓子 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 小林 和男
高橋 厚子
商標の称呼 ラクラクカイケイ 
代理人 瀬谷 徹 

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