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審決分類 |
審判 査定不服 商64条防護標章 取り消して登録 Z15 |
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管理番号 | 1067915 |
審判番号 | 不服2001-23440 |
総通号数 | 36 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-12-27 |
確定日 | 2002-11-13 |
事件の表示 | 商願2000-124711拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の標章は、登録第4066881号の防護標章として登録をすべきものとする。 |
理由 |
第1 本願標章 本願標章は、「DNP」の欧文字を横書きしてなり、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品とし、登録第4066881号商標の防護標章として、平成12年11月17日に登録出願されたものである。 第2 登録第4066881号商標 登録第4066881号商標(以下、「本件登録商標」という。)は、本願標章と同一の構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「書籍・雑誌の企画・編集,オフセツト印刷・グラビア印刷・スクリーン印刷・石版印刷・凸版印刷,自動充填機械及び包装用機械の設計,電子部品・電子機器・通信機器の設計,建築物の設計,マーク又はネームの考案,ホログラムのデザインの考案,その他のデザインの考案,資料の電子データへの変換処理,文字データ・画像データ及びこれらの制御用電子計算機プログラムの企画・設計及び編集,写真の撮影,写真植字,電子計算機のプログラムの設計・作成,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープの貸与,知的所有権の利用に関する契約の代理又は媒介,ICカード及び磁気カードの設計,ICカード及び磁気カード用リーダー・ライターの設計,室内装飾の設計」を指定役務として、平成9年10月9日に設定登録されているものである。 第3 原査定の理由 原査定は、「本願標章は、他人がこれを本願指定商品に使用しても商品の出所について、混同を生じさせる程に需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審の判断 1.本願標章は、上記のとおり本件登録商標と同一の構成よりなり、請求人が本件登録商標の権利者と同一人であることは、その標章を表示した書面及び商標登録原簿の記載に徴して認められる。 2.請求人の提出した甲第1号証ないし同第130号証及び職権による調査を総合すれば、以下の事実が認められる。 (1)請求人(出願人)は、日本最初の本格的な印刷会社として1876年(明治9年)に創業し、以来その印刷技術を常に応用・発展させ、わが国の大手印刷会社としての地位を築き、現在においては、資本金1144億円以上、年間売上高1兆985億円以上(1999年3月期)、従業員数11,836人(1999年3月現在)であり、事業内容も、印刷をはじめとして、包装材、建材、エレクトロニクス関連部材、情報記録材等の製造・販売や研究開発、企画の受託などの分野に事業を拡大し、その事業活動の拠点も、国内のみならず海外の主要都市に拡大している。 また、請求人が商品又は役務を提供している企業は、化学・雑貨・薬品、鉄鋼、電器、自動車、重電、時計、出版・製紙、ゴム、建材・家具、食品、たばこ、金融、建設、通信・放送、旅行、印刷など多岐の分野にわたり、これらの営業活動の場においては「DNP」「大日本印刷」の商標が使用されている。 そして、請求人の依頼に基づく証明書ではあるが、前記多業種の分野の会社による証明によれば、当該業界においては、「DNP」の文字が、請求人を指称するものであることが認識されている。 (2)請求人は、請求人会社の呼称を「DNP」に変更し、請求人の業務に係る商品及び役務について1991年6月頃に使用を開始し、請求人の本支店の社屋、パンフレット、カタログ類を含む全ての印刷物、及び看板、雑誌、新聞広告を含む全ての宣伝物等において、請求人の業務に係る製品及び役務を示す表示として継続して使用されており、現在においても使用が継続されている。 そして、上記の使用形態は、「DNP」の文字を上段に「大日本印刷」の文字を下段に二段に書した構成よりなるものであるが、「DNP」の文字を「大日本印刷」の文字より大きく書してなるものであって、「DNP」の文字が請求人の呼称であることを強調した使用方法が開始時より一貫してなされ、「DNP」の語が請求人を表示する社章(ハウスマーク)として認識されるに至っている。 また、請求人の関連会社も、それが請求人のグループに属することを表示するものとして「DNP」の標章を使用している。 さらに、上記使用形態は、平成12年頃よりは、前記二段併記から「DNP」単独の使用がなされている。 (3)請求人の取扱いに係る商品及び役務は、「製造業者若しくは販売業者が自ら使用し、又はこれらの者の依頼若しくは指示によって使用することを目的として供給される商品及び役務」であり、このようなものは殆どが一般人を対象とする広告は行うことができない商品及び役務と認められ、最終消費者として一般の消費者を対象とした商品及び役務ではないことから、一般消費者間において広く知られていたものとはいい難いが、前記取引者・需要者間においては、広く認識されていたことが推認できる。 3.上記2.で認定した事実に照らせば、請求人は印刷に係る役務について永年(約15年)にわたり、上記「DNP」の文字をハウスマーク及び商標として使用し、この商標は、請求人及び請求人のグループ会社の業務に係る役務を表示する商標として、取引者・需要者の間において周知・著名なものと認め得るところである。 また、請求人は、印刷技術の開発・応用により、広範な産業分野にその取引先を獲得するとともに、経営の多角化を図り、その事業活動も多岐にわたっていることが認められるものである。 してみれば、本願標章を他人がその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者をして、その商品が請求人しくは請求人と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるとみるのが相当である。 したがって、本願標章を商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして、その出願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取り消しを免れない。 その他、本願について拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-10-22 |
出願番号 | 商願2000-124711(T2000-124711) |
審決分類 |
T
1
8・
8-
WY
(Z15)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山本 良廣 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
小林 和男 高橋 厚子 |
商標の称呼 | デイエヌピイ |
代理人 | 小谷 武 |