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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z0910
審判 全部申立て  登録を維持 Z0910
審判 全部申立て  登録を維持 Z0910
審判 全部申立て  登録を維持 Z0910
管理番号 1066579 
異議申立番号 異議2002-90009 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-01-07 
確定日 2002-10-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4511570号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4511570号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4511570号商標(以下「本件商標」という。)は、「ShotFiles」の欧文字を標準文字により横書きしてなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、電気通信機械器具、レコード、電子応用機械器具及びその部品、遊園地用機械器具、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、自動販売機、家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第10類「医療用機械器具、氷まくら、三角きん、支持包帯、手術用キャットガット、吸い飲み、スポイト、乳首、氷のう、氷のうつり、ほ乳用具、魔法ほ乳器、綿棒、指サック、避妊用具、人工鼓膜用材料、補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)、耳栓、医療用手袋、家庭用電気マッサージ器、しびん、病人用便器、耳かき」を指定商品として、平成12年9月14日に登録出願、同13年10月5日設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由
(1)引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第795055号商標(以下「引用A商標」という。)は、「Schott」の欧文字を横書きしてなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するもの及び電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、昭和41年4月28日に登録出願、同43年10月11日に設定登録され、同登録第2199655号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具、医療機械器具、これらの部品および附属品、写真材料」を指定商品として、昭和58年5月6日に登録出願、平成1年12月25日に設定登録され、同登録第4101067号商標(以下「引用C商標」という。)は、「ショット」の片仮名文字を横書きしてなり、第9類「電線及びケーブル、理化学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、加工ガラス(建築用のものを除く)、乗物の故障の警告用の三角標識、発光式又は機械式の道路標識、鉄道用信号機」を指定商品として、平成7年12月27日に登録出願、同10年1月9日に設定登録され、同登録第3227060号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「眼鏡、その部品及び附属品」を指定商品して、平成5年7月23日に登録出願、同8年11月29日に設定登録され、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(2)引用商標の周知性について
引用商標は、申立人であるカールツアイス社の所有する企業グループのひとつであるショットグラス社が長年世界市場において光学機械器具、ガラス製品、医療用機械器具、工業機械器具、家庭器具、オプトエレクトロニクス製品等広範な製品分野において使用している著名商標である(甲第8号証、甲第9号証、甲第12号証ないし甲第25号証)。
ショットグラス社の母体であるカールツアイス社は、ドイツのカメラ、測量機、光学製品の老舗でその技術力は世界的に評価されており同社は歴史的にみても多大な功績を残している。すなわち、カールツアイス社は現代の光学製品等のルーツを築き、本国ドイツでは、光学博物館やプラネタリウムにおいて同社の初期の製品から最新の光学製品等に至る数多い展示により、世界最高品質といわれた同社の製品が世に送り出されていった様子を示している(甲第6号証及び甲第7号証)。
カールツアイス社は、今日カールツアイス財団を構成し、同財団が所有するショットグラス社を頂点とする国際的な企業グループ「ショット・グループ」を有している。
ショットグラス社を頂点とするショット・グループでは、前述の通り、世界市場において広範な製品分野において商標「SCHOTT/Schott/ショット」を使用しているが、日本においても、1966年1月にショット・グループの日本における総代理店である「ショット日本株式会社」を設立して以来今日までの長きにわたり、「SCHOTT/Schott/ショット」製品の販売活動を継続してる。こうした長年の企業活動により、今日「SCHOTT/Schott/ショット」製品は、その母体であり既に高い評価を得ているカールツアイス社の名と相まって内外の取引者・需要者に浸透するに至っている(甲第8号証、甲第9号証、甲第12号証ないし甲第25号証)。
さらに、近年ショット・グラス社は、日本の企業と生産・販売・資本提携及び合弁会社の設立なども進めており、日本市場において積極的な活動を展開している(甲第12号証ないし甲第25号証)。
なお、商標「SCHOTT/Schott/ショット」が日本において使用され周知であることを示す日本語の資料を日本における総代理店であるショット日本株式会社から収集中(平成14年4月26日付にて甲第26号証ないし甲第126号証として提出)である。
以上より、引用各商標は本件商標の出願時である平成12年9月14日時にはドイツ及び日本を含めた世界各国において申立人の販売する商品を表示するものとして著名になっていたものである。
(3)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は「ShotFiles」の欧文字からなり、その文字に相応して「ショットファイルズ」ないし「ショット」の称呼が生ずるものである。特に、上記「SCHOTT/Schott/ショット」商標の著名性に鑑みれば、「Shot」の部分が分離抽出され、「ショット」の称呼が生じることは明らかである。
さらに、本件商標を構成する「File」の語は英語で「書類などの綴じ込み帳、整理された資料、書類などを正式に提出する」などの意味を有するが、日本語でも外来語として「ファイル」の語は一般に広く、物、商品、対象物のネーミング等さまざまに使われる語である。特に「file」ないし「ファイル」の語は、他の語と結合させて多様に用いられていることから(甲第11号証及び甲第11一1号証)、一般に識別力の弱い語であるといえる。従って、本件商標は、「ショット」と称呼されうる「Shot」部分に商標の要部があると考えらる。
一方、本件商標と引用各商標とは、その文字に相応していずれも「ショット」の称呼を生ずるものであるから、本件商標は、引用各商標に称呼上類似するものである。
また、本件商標の要部と考えられる「Shot」部分と引用A、B商標及び引用D商標を構成する文字「Schott」とを外観において比べてみると、本件商標は「c」及び末尾の「t」の文字を有さないことのみにおいて異なるものであることから、外観上本件商標は通常の注意力をもってして観察した場合、本件商標に接した需要者は「Schott」の文字を認識するものである。特に、上述の申立人の所有する関連企業が使用する商標「SCHOTT/Schott/ショット」の著名性に鑑みれば、「Shot」は直ちに申立人の関連企業の使用にかかる商標であるとの観念を生じさせる。
したがって、本件商標と上記引用各商標とは、外観および観念上も類似し、その指定商品も同一又は類似のものである。
(4)商標法第4条第1項第10号の該当性について
本件商標は申立人の所有する関連企業の商品を表示するものとして著名な引用各商標と同一又は類似し、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
(5)商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人の商品を表示するものとして著名な引用各商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品が申立人の提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、商品の出所の混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高い。特に本件商標にかかる指定商品「電気磁気測定器、写真機械器具、光学機械器具、眼鏡、電気通信機械器具、医療用機械器具等」は、上述の如く、まさしく申立人の所有する関連企業の使用する著名商標「SCHOTT/Schott/ショット」に係る商品である。
本件商標が指定商品に使用された場合には、著名商標「SCHOTT/Schott/ショット」との間に混同が生じるおそれが極めて高いといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(6)商標法第4条第1項第7号の該当性について
著名な引用各商標と相紛らわしい本件商標を、申立人とは何ら関係のない他人が自己の商品について商標として採択し使用することは、本来みずからの営業努力によって得るべき業務上の信用の維持をはかる商標法の目的に反し、該名称の著名性にフリーライドするものであり、また、著名商標「SCHOTT/Schott/ショット」に化体した莫大な価値を希釈化させるおそれがあるといわざるを得ない。したがって、本件商標は、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであり、商標制度の趣旨に則しないものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号及び同第10号の該当性について
本件商標は、「ShotFiles」の欧文字を外観上まとまりよく一体的に表わしてなり、殊更これを「Shot」と「Files」との文字部分に分離して称呼、観念しなければならない特段の事由が存するとも認め得ないものである。
また、これより生ずるものと認められる「ショットファイルズ」の称呼にしても格別冗長と言うべきものでなく、淀みなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、「ショツトファイルズ」の一連の称呼のみを生じ、特定の語義を有しない造語を表したものというのが相当である。
他方、引用各商標は前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「Schott」、「ショット」、「SCHOTT」の文字より「ショット」の称呼を生じ、特定の意味合いを有しない造語を表したものとみるのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ショットファイルズ」の称呼と引用各商標より生ずる「ショット」の称呼を比較するに、前半部のおいて「ショット」の音を同じくするものの、後半部において「ファイルズ」の音の有無の差異を有するものであるから、称呼上互いに相紛れるおそれはないものと認められる。
また、申立人は本件商標構成中の「Shot」と引用A・B・D商標の「Schott」を比較した上で外観において類似する旨述べるが、本件商標は、一連一体のものであること前記したとおりであるから、外観においては十分区別し得る差異を有する。
さらに、本件商標と引用各商標とは、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上は比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標と引用各商標が、称呼、外観及び観念において類似しない商標であること、上記(1)で述べたとおりである。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者が、本件商標より、申立人の商標を連想、想起し、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかのごとく、その商品の出所について誤認・混同するおそれはないものと判断するのが相当である。
(3)商標法第4条第1項第7号の該当性について
本件商標は、上記文字よりなるところ、その構成が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、本件商標を指定商品に使用することが、社会公共の利益・一般道徳観念、国際信義に反し、公正な競業秩序を乱し、かつ他の法律でその使用が禁止されているものではない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第7号の規定に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持べきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 引用B商標(登録第2199655号商標)



引用D商標(登録第3227060号商標)


異議決定日 2002-09-20 
出願番号 商願2000-101285(T2000-101285) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Z0910)
T 1 651・ 22- Y (Z0910)
T 1 651・ 271- Y (Z0910)
T 1 651・ 25- Y (Z0910)
最終処分 維持  
前審関与審査官 瀬戸 俊晶神田 忠雄 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 2001-10-05 
登録番号 商標登録第4511570号(T4511570) 
権利者 パイオニア株式会社
商標の称呼 ショットファイルズ、ショット 
代理人 大賀 眞司 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 

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