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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z42
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z42
管理番号 1066409 
審判番号 不服2001-2333 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-02-16 
確定日 2002-09-18 
事件の表示 平成11年商標登録願第71533号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「ケイラクリフレクソロジー」の片仮名文字を横書きしてなり(標準文字による商標)、第42類「あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,美容,理容,飲食物の提供,入浴施設の提供,宴会又は集会のための施設の提供」を指定役務として、平成11年8月9日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ケイラクリフレクソロジー』の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中の『ケイラク』の文字は漢方医学で気血が人体をめぐり流れる経路を意味する経絡の読みであり、『リフレクソロジー』の文字は手足等のつぼマッサージ法を意味するため、全体として『経絡に沿ったつぼマッサージ法』の意味合いを想起させるものであるから、これを本願の指定役務中、例えば『あん摩・マッサージ及び指圧』に使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記したとおり、「ケイラクリフレクソロジー」の文字よりなるところ、その構成前半の「ケイラク」の文字部分は、「経絡(漢方医学で気血が人体をめぐり流れる経路)」を、同後半の「リフレクソロジー」の文字部分は、「足の裏マッサージなどによる健康法」を意味する語であることは、以下の医学関連分野の書籍及び一般的な用語辞典類の当該記載に照らし容易にこれを認めることができる。
(ア)「医学大辞典」(株式会社南山堂発行 18版)「経絡(けいらく)」の説明によれば、「・・・経絡は生命活動に大切なエネルギーである気、血をめぐらせる路であり、それぞれの経絡は一定の走行ルートを持ち、全身をくまなく網羅している。なかでも、14本が重要とされ、その気血の流れが停滞すると体の不調となって、滞る部位(経穴)に反応が現れ、身体の異常として察知される。その部位等に刺激を与えることにより病のコントロールをするという中国医学の診断と治療に重要な役割を果たす機構である。」との記載がされていること。
(イ)「広辞苑第5版」(岩波書店発行)「けいらく(経絡)」の説明によれば、「漢方医学で気血が人体をめぐり流れる経路をいう。手足より発するものおのおの三隠三陽の十二経路と腹背の正中線を走る二つの脈を合わせて十四経路といい、これに付属して三六五の経があって全身に分布、経は動脈の意、絡は静脈の意。」との記載がされていること。
(ウ)「ホーム・メディカ家庭医学大事典」(小学館発行)「針灸のツボ」の説明によれば、「皮膚に針を刺入したり、灸をすえたりする部位をツボといいますが、これは「経穴」と呼ばれ、いわば、針灸治療の最も重要な柱になっています。この経穴は、人体の表面にただ無秩序に点在するのではなく、縦の線によって結ばれ一四の系統に分かれています。この経穴を互いに結ぶ線のことを「経絡」と呼んでいます。」との記載がされていること。
(エ)「現代用語の基礎知識2001」(自由国民社発行)の「リフレクソロジー(reflexology)」の説明によれば、「反射区療法、ゾーンセラピーともいわれる。足の裏には全身のツボが集中すると考え、指や棒などで刺激することにより体のバランスを整える健康法。・・・」との記載がされていること。
(オ)「imidas’01(イミダス)」(集英社発行)の「フットケア」の説明によれば、「・・・オフィスの冷房や長時間の同一姿勢などが原因で、足のむくみやだるさを感じる女性が増えている。これらの悩みを解消するとともに、リラクセーションを兼ねて、足のツボ治療(リフレクソロジー)やマッサージなどのフットケア専門のサロンを訪れる人が多い。」との記載がされていること。
(カ)「日経新聞を読むためのカタカナ語辞典」(三省堂発行)の「リフレクソロジー(reflexology)」の説明によれば、「足の裏のマッサージなどによって血行をよくする健康法」との記載がされていること。
(2)また、これらを利用した療法、つまり、ケイラク(経絡)及びリフレクソロジーによる治療法が、我が国の治療関連分野において採用され、一般に普及している状況を以下の一般新聞又は関連業界に係るインターネットホームページ情報より、これを認めることができる。
(ア)「2001.12.18付毎日新聞 地方版/大阪」には、「癒しブーム 若い女性に人気 日本ボディーケア学院でセラピスト目指す/大阪」・・・同校は、鍼灸(しんきゅう)やマッサージの免許を持ち、中国とベルギーで医療と臨床を学んだ谷口光利さん(37)が、99年に開校。血の巡りに沿って血行を促進する経絡(けいらく)マッサージ、香り付きの天然オイルを使ってマッサージするアロマセラピー、リフレクソロジー(足裏マッサージ)などを教えている。・・・後略。」とあること。
(イ)「2001.03.16付日刊工業新聞」には、王・滝綜合研究所、東京・丸の内に足裏マッサージサロンを開設「王・滝綜合研究所(東京都中央区銀座1の8の1、滝裕子代表、03・5250・1821)は漢方普及活動の一環として、情報の発信機能を備えたフットマッサージサロン金魚園(東京都千代田区丸の内3の6の11)を開業した。足底反射式による東洋風リフレクソロジー(足裏マッサージ)を中心に、漢方カウンセリング、健康食品販売なども実施する。金魚園は東洋医学の経絡を取り入れた足裏マッサージのほか、血液とリンパの流れを促進するドイツ製エアマッサージャーと合わせた施術で効果を高められるのが特徴。料金は基本コースで30分3000円、40分4000円、50分5000円となる。初年度はマッサージだけで、4000万円以上の売上高を見込む。」とあること。
(ウ)「2000.11.10付日本食糧新聞社 百歳元気新聞」には、「足操術で身体の冷えラクラク撃退、大人気フットセラピー◎足操術で真の健康を私たちが提唱する『足操術』は、リフレクソロジーと呼ばれる西洋の足裏反射療法と、東洋のツボ療法のそれぞれの良さを取り入れた独自の技法です。足裏を中心に足全体を、回す・押す・伸ばす・もむ・さする・たたくの六つの手技で心地よくマッサージすることで、深いリラクゼーション効果をもたらします。・・・近年、足からの健康法が注目されブームになっている。同社では、三〇年以上にわたり実践してきた独自の理論に基づく足操術の技法を、フットセラピスト養成学院やフットケアサロンを通じ、さらに普及すべく力を注いでいる。養成学院では、東洋医学・リフレクソロジーを始め、経絡理論・運動生理学・解剖学・シューフィッティング・ホリスティック医療・アロマセラピーなどが分かりやすく学べる。足操術を学び、自宅で独立開業する人や、老人ホームなどでボランティアとして活躍している人も増えているという。」とあること。
(エ)インターネットホームページ(http://members.aol.com/tn1kohki/sub2.htm)には、「光輝法ってどんな療法? 光輝法=身体バランス調整・自然治癒力促進・経絡療法『光輝法』とは、厳選された自然の薬草を使った光線を、光輝の器具と技術(手技)により光・温熱・香りの作用で細胞の新陳代謝を良くし、身体のバランス・自律神経を整え、自然治癒力を促進する東洋医学の考えを基にした経絡療法です。自然の摂理に基づいた、どなたにも安心な新しい療法です・・・)。」とあること。
(オ)インターネットホームページ(http://www.toyohari.net/)には、「経絡治療とは(柳下登志夫 副会長)人の細胞はおよそ六十兆個あると言われているが、その一個一個が脳、五官器、臓腑その他の組織細胞としての役割を果たすと共に、全身に於ける一個の細胞として、人が生きる為に一糸乱れず働いている。この途方もなく困難な仕事をしている物は『何か?』それは大自然のなせる技に他ならない。古人もこの自然界の理については心得ていた。しかしある時その働きに狂いを生じ、人が疾病に冒され、心身共に呻吟する時、これを救う目的で種種思考し手が尽くされた。その果て、遂に到達したのが『自然の働きは「気」の動きに他ならず、その「気」の動きをもし制御できるならば治療が可能になる』と結論付けた。そしてこの理念から派生したのが経絡治療という鍼灸術であった。今日でもこの技術を用いる事によって多大の成果が得られ、しかも現代医療では効の望めない疾病に対しても有用な医術、それが経絡治療なのである。」とあること。
(カ)インターネットホームページ(http://ww3.tiki.ne.jp/~dr-kobayashi/)には、「●小林式経絡治療:以前に施した老人性血管腫への皮内鍼療法や一般的な経絡治療をもとに25年余にわたる研究の結果、ついに全く新しい経絡治療方法を開発しました。それは、名前と生年月日を知るだけでその人の体の状況を診断し、経絡の状況がどうなっているかが解るばかりか、独自に開発したレーザー治療器を使用して、異常になった経絡をもとに戻します。この治療法により、幾多の病気を治した経験と実績があります。」とあること。
(キ)インターネットホームページ(http://www5.plala.or.jp/tiryouin/nyumon-main.html)には、「 鍼灸学校の学生や経絡治療に興味のある鍼灸師のための入門講座:1経絡治療:病体を気血の変動として統一的に観察し、その症状を総て経絡の虚実として総合的に把握し、経穴を診断及び治療の部位として鍼灸をもって調整する随証療法です。2気血:気血は経絡の内外を運行して身体各部及び五臓六腑の働きを維持します。血は陰に属し、血液、体液、リンパ液等の如く形を成して経脉の中を流動します。気は空気、元気、電気等と使われる気でその作用を知る事はできますが形をとらえる事はできません。経脉の外を運行し血の働きを護衛します。気血は五味から胃腸で作られ、十二経絡に入り、肺、大腸、胃、脾、心、小腸、膀胱、腎、心包、三焦、胆、肝また肺と四六時中全身を巡りとどまる事がありません。従ってこの経絡中の気血に大過不及の歪みがみられると病気となります。ゆえにこれを平にすることが治療なのです。」とあること。
(ク)インターネットホームページ(http://www.fitness.co.jp/magazine/toku/021.shtml)には、「第1期エアロフットセラピー養成コース開催される」フットセラピーとは・・西洋の「リフレクソロジー」と東洋の「ツボ経絡療法」、そして運動生理学の「筋弛緩」を応用して身体の調子を整えて行くものです。受講者はインストラクターの方々ですので、まずはリフレクソロジーや東洋の考え方を授業で学んでいきます。「足は人体の縮図である」というリフレクソロジーの考えに、皆さん興味津々です! 」とあること。
(ケ)インターネットホームページ(http://www.alter-life.net/healthcare/therapy/rfl/rfle.htm)には、「リフレクソロジーとは、足の裏を触って、セラピーを施すというのは、とても変わったことと思われがちですが、足の裏や手の平には、身体の状況が反射されている部分があると考えられています。各器官や臓器に対して相対する部分が反射区や反射点と言われる場所です。足や手にあるその反射区/点を刺激することにより各臓器や器官に反射が伝わり身体のバランスを整える療法がリフレクソロジー(反射療法)です。」とあること。
(3)以上によれば、本願商標からは、全体として「経絡に沿ったつぼマッサージ法、経絡療法を取り入れた足裏反射療法」の如き意味合いを容易に感得・理解し得るものであり、これを本願指定役務中「あん摩・マッサージ及び指圧」等について使用した場合、これに接する需要者、取引者は、前記事情よりして、該役務の質(内容)を表示したものとして理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものというのが相当である。また、これを前記役務以外の役務について使用したときは、役務の質(内容)について、誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(4)結論
以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-04 
結審通知日 2002-07-12 
審決日 2002-07-25 
出願番号 商願平11-71533 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z42)
T 1 8・ 13- Z (Z42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 旦 克昌 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 中田みよ子
鈴木 新五
商標の称呼 ケイラクリフレクソロジー、ケイラク、リフレクソロジー 
代理人 田中 治幸 

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