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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 111
管理番号 1066315 
審判番号 取消2000-31069 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-09-08 
確定日 2002-09-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第2703823号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2703823号商標(以下「本件商標」という。)は、「STAT-PRO」の文字を横書きしてなり、平成元年3月10日登録出願、第11類「半導体ウエハー用空電保護ケース、マスク用空電保護ケース、超小型集積回路の空電保護トレイ、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成7年2月28日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の「第11類 全指定商品」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申立て、その理由として、以下のように述べている。
(1)本件商標は、全指定商品について、商標権者若しくは使用権者によって、少なくとも継続して3年以上に亘り使用されている事実を発見することができなかった。また、登録原簿に使用権の設定もされていない。
(2)弁駁書の提出に対し、暫時猶予を求めている。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標を指定商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していると答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、半導体ウエハーキャリア、保管ボックス、マスクパッケージ、トレー、カバー等について、被請求人の使用権者であるフロロウェア・バルカージャパン株式会社(以下「使用権者」という。)により、本件審判請求の登録日である平成12年10月18日前3年以内に日本国において使用されていたものである。
(2)半導体ウエハーキャリアは、半導体基板として用いる薄い板状のウエハを互いに離間して収納し、化学的処理や洗浄処理を施すために用いる容器であるが、厳しい物理的、化学的環境に堪え得るものでなければならない。本件商標はウエハーキャリア用の材料の表示として使用されているが、現実には、同時にこの材料を用いて作ったキャリアそのものの商標としても使用されていた。
(3)被請求人は、上記の本件商標の使用の事実を示す証拠として乙第1号証〜同第6号証(枝番号を含む。)を提出する。乙各号証の概略を以下のとおり説明する。
(ア)乙第1号証の1は、使用権者よりキャノン株式会社宇都宮光学機器事業所宛のウエハーキャリア、保管ボックス、トラベラー、クッション等の1998年7月7日付見積書。乙第1号証の2は、上記見積りに従う1998年7月8日付手配書。乙第1号証の3は、上記見積りに従うウエハーキャリア保管箱の1998年7月9日付注文書。乙第1号証の4は、上記納品受領書、乙第1号証の5は、上記見積りに従うウエハーキャリアの1998年7月9日付注文書。乙第1号証の6は、上記納品受領書。
(イ)乙第2号証は、使用権者の「フロロウエア ウエハーキャリア150mm」のカタログ。乙第1号証の取引書記載の注文番号PAl82-60MB 61C02がSTAT-PROマークによるウエハーキャリアであることが示される。
(ウ)乙第3号証は、製品番号KA200-81MFのウエハーキャリアの写真(撮影日 平成13年6月18日、撮影場所 東京都品川区東品川2-2-20天王洲郵船ビル15階フロロウエア・バルカージャパン株式会社東京本社内、撮影者居所 上記東京本社、氏名 黒瀬 理子)
(エ)乙第4号証は、使用権者の「インテグリス ウエハーキャリア200mm」のカタログ。上記乙第3号証の写真に示されるウエハーキャリアはSTAT-PROのウエハーキャリアである。STAT-PROの表示はウエハーキャリアに直接刻印されており、ウエハーキャリアの商標として使用されていることが示されている。また、本カタログの付属品のキャリア用ハンドルの説明中、「STAT-PROIOOのキャリアにご使用ください」との文言からも、「STAT-PRO」商標がウエハーキャリアの商標として使用されていることが明らかである。
(オ)乙第5号証の1は、オザワ科学株式会社豊田営業所よりの使用権者宛マスクパッケージ製品番号H60一40一06-67C02の1999年4月27日付注文書。乙第5号証の2は、上記注文に対する使用権者の同日付手配書。
(カ)乙第6号証は、使用権者の「フロロウエア マスク/レチクル ハンドリング製品」のカタログ。乙第5号証が示す取引の対象である製品は乙第6号証のカタログに示されている。乙第5号証では顧客である注文主が製品を注文するに当たり一般名であるマスクパッケージに加えて「スタットプロ」の商標を使用している事実は、顧客が「スタットプロ」をもって製品の商標と認識している事実を示すものである。
(4)上記のとおり、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人の使用権者によりウエハーキャリア及びその関連商品について使用されたものであるから、その登録を取り消す理由はない。

4 当審の判断
乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証及び乙第5号証の見積書、手配書、注文書及び納品受領書は、本件審判の予告登録前3年以内の日付が記載され、商品名として「ウエハーキャリア」「保管ボックス」「マスクキャリア」等と商品の注文番号(型番)が記載され、フロロウエア・バルカージャパン株式会社の取扱い商品であることが認められる。
(2)乙第2号証、乙第4号証及び乙第6号証の商品カタログには、上記(1)に記載の商品及び該商品の注文番号と符合し、本件商標と社会通念上同一と認められる「STAT-PRO」の文字が使用されている。また、フロロウエア・バルカージャパン株式会社の取り扱う商品カタログであり、フロロウエア・バルカージャパン株式会社は、被請求人の製品を取り扱っていることが認められる。
(3)乙第3号証は商品の写真であり、そこに本件商標と社会通念上同一と認められる「STAT-PRO」の文字が使用されていることが認められる。
(4)上記(1)ないし(3)の事実よりすれば、フロロウエア・バルカージャパン株式会社は、通常使用権者とみて差し支えないものと認められ、また本件商標を使用しているとする「半導体ウエハーキャリア、保管ボックス、マスクパッケージ、トレー、カバー等」は、本件商標の指定商品に属する商品であることを認めることができる。
(5)してみれば、通常使用権者は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る商品について使用していたことを認めることができた。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、弁駁書を提出する旨主張し、暫時猶予を求めているが、相当の期間(答弁書副本の送付から約1年、上申書の提出から4ケ月)が経過した現在に至るも、当該手続きが遅れていることについて何ら釈明するところがない。また、被請求人が、本件商標を使用していることは、前記のとおりであるから、請求人による弁駁を待つまでもなく、上記のとおり審理を行うこととした。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-04-26 
結審通知日 2002-05-02 
審決日 2002-05-16 
出願番号 商願平1-26565 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (111)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 三浦 芳夫小林 由美子 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小林 和男
登録日 1995-02-28 
登録番号 商標登録第2703823号(T2703823) 
商標の称呼 スタットプロ、スタット 
代理人 浜田 廣士 
代理人 村木 清司 
代理人 中山 健一 
代理人 松原 伸之 
代理人 鳥羽 みさを 
代理人 小沢 慶之輔 

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