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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200630406 審決 商標
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取消200130249 審決 商標
取消200630137 審決 商標
取消200530900 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 030
管理番号 1066167 
審判番号 取消2001-30804 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2001-07-18 
確定日 2002-09-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第3342258号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3342258号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年12月22日に登録出願、「DAILY DELI」の欧文字を横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成9年8月29日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「コーヒー及びココア,茶,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト」についての登録を取消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
乙第1号証の(1)ないし(3)は、店の看板及び入り口を撮影した写真である。
ところで、商標法は、第2条第3項第1号、第2号及び第7号において、商品に関する商標の使用について、次のような規定(以下「商標使用の規定」という。)を置いている。
(イ)商品又は商品の包装に標章を付する行為(第2条第3項第1号)。
(ロ)商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、又は輸入する行為(第2条第3項第2号)。
(ハ)商品又は役務に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、又は頒布する行為(第2条第3項第7号)。
そこで、乙第1号証の(1)ないし(3)を見ると、本件商標が表示されているのは、店頭看板だけである。店頭看板には、単に、「DAILY DELI」と表示されているだけで、商品名は何ら表示されておらず、具体的にどの様な商品の「広告」であるか不明であり、請求に係る商品とどのような具体的関係において、本件商標の使用(広告)がなされているのか、客観的に証明されているとはいえない。
本件商標は、店頭看板に、店舗名である「ココグルメ」の左横にゆで卵の断面を図案化した黄身の部分に表示されているものであるが、かかる本件商標の表示は、店舗名の「ココグルメ」に比べると殆ど目立たない程度に小さなものである。
このように、店頭看板において、単に、店舗名の横に殆ど目立たない程度に小さく表示された本件商標は、一般取引者や需要者は、店舗名の「ココグルメ」を強く認識することはあっても、本件商標を認識することは殆どなく、仮に一般取引者や需要者が本件商標を認識したとしても、店舗名でもない本件商標が具体的にどの様な商品について取引されているのかは不明であるから、本件商標は、自他商品の識別機能を果たすような使用形態での使用とはいえず、商標法第2条第3項第7号に規定された「広告」には当たらない。
したがつて、単に、店頭看板に本件商標が表示されていることをもって、本件商標について使用がなされていると認められるべきではない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証の(1)ないし(3)は、店の看板及び入り口を撮影した写真である。
そこで、乙第2号証の(1)ないし(3)を見ると、本件商標が表示されているのは、店頭看板だけであり、店頭看板には、本件商標の下段に「雑誌類」を意味する「MAGAZINE」、「清涼飲料類」を意味する「SOFT DRINK」、「食品雑貨類」を意味する「DRY GROCERY」及び「菓子類」を意味する「CONFECTIONERY」の英文字を五段書きして表示されている。
そして、本件商標中の「DELI」は、英和辞典(甲第3号証)に掲載されているように、米国では「DELICATESSEN」の略称として口語使用されているものであり、この「DELICATESSEN」は、英和辞典に掲載されているように(ハム・ソーセージ・かん詰・サラダなどの)調理済み食品を意味する英単語である。また、本件商標中の「DAILY」は、「日々の」等の意味を有する英単語である。
したがって、本件商標は、「日々の調理済み食品」を意味する英語表示といえる。
これよりすると、乙第2号証の店頭看板において、「Coco!Gourmet」と大きく二段書き表示された右横に、比較的小さく五段書きされた表示に接した一般取引者や需要者は、単に、「Coco!Gourmet」店で販売されている代表的な商品目録と認識されるものと考えるのが自然である。
これは、本件商標の文字が他の四つの英文字表示よりもやや太字で表示されてはいるものの、店名表示である「Coco!Gourmet」に比べると、他の四つの英文字表示とほぼ同書・同形・同大に五段書き表示されていることから、殊更に「DAILY DELI」が、他の英文字表示された商品にかかる登録商標であると認識する一般取引者や需要者はいない。
本件商標の店頭看板への表示は、商品目録的に五段書きして表示されているだけで、本件商標が商標として自他商品識別機能を発揮するような形態では表示されておらず、一般取引者や需要者は、店舗名の「Coco!Gourmet」を強く認識することはあっても、本件商標を認識することは殆どなく、仮に一般取引者や需要者が本件商標を認識したとしても、店舗名でもない本件商標が具体的にどの様な商品について取引されているのかは不明であることから、本件商標は、自他商品の識別機能を果たすような使用形態の使用とはいえず、商標法第2条第3項第7号に規定された「広告」には当たらない。
したがって、単に、店頭看板に本件商標が表示されていることをもって、本件商標を請求に係る商品について、使用されていると認められるべきではない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、「ココグルメ加盟のご案内」と表示されていることからも明らかなように、コンビニエンスストアとしての「ココグルメ」にチェーン店として加盟することを広告・宣伝するためのパンフレットであって、本件商標の商品を広告・宣伝するためのパンフレットではない。かかるパンフレットは、一般取引者や需要者に配布されるようなものではなく、「ココグルメ」のチェーン店として加盟を望む人等に配布される案内書である。
また、上記パンフレットの裏表紙の左上に小さく表示されている本件商標の表示は、パンフレット自体が商品の広告・宣伝のためのものではないことから、パンフレットの配布は、明らかに商標法第2条第3項第7号に規定された「広告」に標章を付して頒布する行為に該当するものではない。
まして、本件商標は、パンフレットの裏表紙の左上に小さく表示されているものであるのに対して、パンフレットの表表紙の中央部には「Coco!/Gourmet」と表示されていることからしても、パンフレットに商標としての使用形態で表示されているのは「Coco!/Gourmet」であって、本件商標でないことは明らかである。
したがって、「ココグルメ」のチェーン店として加盟を望む人等に配布される案内書としてのパンフレットに、本件商標が表示されていることをもって、本件商標を請求に係る商品について、使用されていると認められるべきではない。
(4)乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証及び乙第5号証は、「ココグルメ伏見店」及び「ココグルメ広小路店」の店内の一部を写した写真である。
しかしながら、乙第4号証及び乙第5号証には、店内で「べんとう、菓子」が販売されている様子が示されているだけで、本件商標を付した「べんとう、菓子」が販売されている様子は何ら示されていない。
したがって、単に、「ココグルメ伏見店」及び「ココグルメ広小路店」の店内で「べんとう、菓子」が販売されている様子が示されていることをもって、請求に係る商品について、本件商標が使用されていると認められるべきではない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
1 権利者の通常使用権者である株式会社エムアールシーは、本件審判請求の登録前から継続して、「ココグルメ伏見店」(愛知県名古屋市中区栄1‐8‐18、1階)における店頭看板に「DAILY DELI」を表示して、店内にて販売している各種商品「コーヒー、ココア、茶、ウースターソース、ケチャップソース、しょうゆ、ドレッシング、マヨネーズソース、焼肉のたれ、べんとう、菓子、パン」等の広告を行っている(乙第1号証の(1)ないし(3))。
2 権利者の通常使用権者である有限会社タナべは、本件審判請求の登録前から継続して、「ココグルメ広小路店」(愛知県名古屋市中区栄1-4-7、1階)における店頭看板に「DAILY DELI」を表示して、店内にて販売している各種商品「コーヒー、ココア、茶、ウースターソース、ケチャップソース、しょうゆ、ドレッシング、マヨネーズソース、焼き肉のたれ、べんとう、菓子、バン」等の広告を行っている(乙第2号証の(1)ないし(3))。
3 権利者は、「ココグルメ加盟のご案内」パンフレットにおいて、小売店舗の内容を紹介し、販売商品「コーヒー、ココア、べんとう、菓子、パン」を具体的に示しており、裏表紙左上には四角の中に赤地に「DAILY DELl」の他に「MAGAZINE/SOFT DRINK/DRY GROCERY/CONFECTIONERY」と記載されており、これは商品に関する広告として本件商標をその指定商品に使用しているものである。
このパンフレットは、株式会社リクルートにより1995年12月12日に制作されて以来、権利者はこのパンフレットを本件指定商品の取引者・需要者に継続して頒布してきた(乙第3号証)。
4 以上のとおり、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者及び通常使用権者は、請求に係る指定商品について本件商標を使用しているので、その指定商品に係る登録は取り消されるべきではない。

第4 当審の判断
1 先ず、被請求人(商標権者)の提出に係る、乙第1号証の(1)ないし(3)及び乙第4号証をみるに、本件商標の通常使用権者(被請求人の経営するコンビニエンス・ストアの加盟店)と推認される株式会社エムアールシーは、「ココグルメ伏見店」(愛知県名古屋市中区栄1‐8‐18)において、店頭看板に、ゆで卵の断面を描いた如くの図形内に「Coco!」の文字と共に「DAILY DELl」の文字を表示していること、そして、その店内において、請求に係る商品「サンドイッチ、べんとう」のほか各種商品を販売していることが認められる。
2 次に、乙第2号証の(1)ないし(3)及び乙第5号証をみるに、本件商標の通常使用権者(被請求人の経営するコンビニエンス・ストアの加盟店)と推認される有限会社タナべは、「ココグルメ広小路店」(愛知県名古屋市中区栄1-4-7)において、店頭看板に「DAILY DELl」の文字をやや肉太の書体で表示し、その下段に「MAGAZINE」、「SOFT DRINK」、「DRY GROCERY」及び「CONFECTIONERY」の文字を4段に表示していること、そして、その店内において、請求に係る商品「サンドイッチ、パン、べんとう」のほか各種商品を販売していることが認められる。
3 更に、乙第3号証をみると、被請求人(商標権者)は、「ココグルメ加盟のご案内」のパンフレットにおいて、加盟店舗のシステム、内容を紹介し、販売商品として、請求に係る商品「菓子、べんとう」のほか各種商品を取り扱うコンビニエンス・ストアであることを紹介していることが認められる。そして、該パンフレットの裏表紙左上に、横長方形の中に赤地を施した図形部分に、前記、2の店頭看板と同じ、「DAILY DELI」の文字をやや肉太の書体で表示し、その下段に「MAGAZINE」、「SOFT DRINK」、「DRY GROCERY」及び「CONFECTIONERY」の文字を表示していること、また、該パンフレットは、株式会社リクルートにより1995年12月12日に制作されたことが認められる。
4 そこで、被請求人(商標権者)らが使用している、前記(1ないし3)に表示された「DAILY DELI」の文字が本件商標の使用に当たるか否かを検討するに、被請求人(商標権者)らが使用している「DAILY DELI」は、いずれも店頭看板、パンフレツトに使用され、直接商品に付され使用されているものではない。
しかしながら、店頭看板に「DAILY DELI」の文字を表示して使用し、その店内において請求に係る指定商品中「菓子、サンドイッチ、パン、べんとう」等各種商品を販売していることが認められることよりすれば、本件商標は、それらの商品について、広告使用しているものというのが相当である。
さらに、「ココグルメ広小路店」が店頭看板及び被請求人が「ココグルメ加盟のご案内」のパンフレットに使用している「DAILY DELI」の下段に表示された英文字は「雑誌類」を意味する「MAGAZINE」、「清涼飲料類」を意味する「SOF TDRINK」、「食品雑貨類」を意味する「DRY GROCERY」及び「菓子類」を意味する「CONFECTIONERY」の語であることよりすれば、本件商標が取り扱う商品の代表的な商品を表示したものと認識、理解されるというのが社会通念に照らし相当である。
そうして、「DAILY DELI」の表示は、前記した使用方法からすれば、いずれも被請求(商標権者)人らが取り扱う商品の広告としての機能を果たしているものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標の使用は、直接商品に付して使用しているものではないとしても、商標法第2条第3項第7号で規定する、請求に係る商品についての広告使用に当たるものというのが相当である
そうとすれば、被請求人(商標権者)及び通常使用権者は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中「菓子、サンドイッチ、パン、べんとう」について、使用していたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品について、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-11 
結審通知日 2002-07-16 
審決日 2002-07-29 
出願番号 商願平6-129413 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (030)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 茂久内山 進 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 中嶋 容伸
滝沢 智夫
登録日 1997-08-29 
登録番号 商標登録第3342258号(T3342258) 
商標の称呼 デーリーデリ 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 吉武 賢次 
代理人 松尾 憲一郎 
代理人 内野 美洋 
代理人 神谷 巖 
代理人 小泉 勝義 

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