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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 025
管理番号 1064809 
審判番号 審判1998-20448 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-12-25 
確定日 2000-08-01 
事件の表示 平成5年商標登録願第89781号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,和服,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く)げた,草履類,その他の履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とし,平成5年9月3日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の『ザ ポロ ローレン カンパニー』が商品『被服、ネクタイ』等に使用して本願の出願時には既に著名となっている商標『ポロプレーヤーの図形』及び『POLO』の文字を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときには、これが恰も上記会社或いはこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1) (株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び「(馬に乗った)ポロプレーヤーの図形」の各商標が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。
そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。又、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。
他に、これを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、「(馬に乗った)ポロプレーヤーの図形」及び「POLO」の商標(以下「引用商標」という。)は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用するものとして遅くとも本願の登録出願前までには既に我が国において取引者、需要者間に広く認識されるに至っていたと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2) 本願商標は、別紙に表示するとおり馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形と「ASCOTPARKPOLOCLUB」の欧文字よりなるものであるところ、「ASCOTPARKPOLOCLUB」の文字部分が請求人主張のような名称であるにしても、それが我が国、特に本願の指定商品に係る取引者、需要者に広く知られているものと認め難いばかりでなく、「ASCOT」、「PARK」、「POLO」、「CLUB」の各文字がそれぞれ既成の意味を有する語であるから、本願の指定商品に係る取引者、需要者間に広く認識されている商標「POLO」の文字を含むと容易に理解されるものである。又、前記図形は、描き方が相違しているにしても、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーを描いた点において引用商標中「ポロプレーヤーの図形」商標とは共通しているものである。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者がその構成中の「馬に乗ったポロ競技者の図形」及び「POLO」の文字に着目するときも少なくないと認められ、そのことによりラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されている引用商標を想起又は連想し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといわなければならない。
なお、請求人は、「POLO」がスポーツ名にすぎず、一般用語として認められるべきである旨、「POLO」又は「POLO RALPH LAUREN」が「ラルフ・ローレン」のものであるにしても、「POLO」との合成語の全ての商標が「ラルフ・ローレン」のものと決めつけるべきでない旨述べているが、我が国において「ポロ競技」は愛好者が極めて少なく馴染みが薄いスポーツと認められること、又、本願指定商品を含むファッション関連分野において「POLO」は、「ラルフ・ローレン」のデザインに係る被服等について使用される標章を総称するものとして取引者、需要者間に広く認識されているものであること前記認定、判断のとおりであるから、その主張を採用することができない。
(3) 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 1999-09-30 
結審通知日 1999-10-19 
審決日 1999-11-04 
出願番号 商願平5-89781 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 正雄 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 滝澤 智夫
久保田 正文
商標の称呼 1=アスコットパークポロクラブ 

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