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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z09 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z09 |
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管理番号 | 1063214 |
審判番号 | 不服2000-5071 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-04-10 |
確定日 | 2002-07-29 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第107959号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「CATPOS」の欧文字と「キャットポス」の片仮名文字を二段に書してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成10年12月18日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標はクレジットカードの信用照会をするための端末機を意味する『CAT』の欧文字と販売時点情報管理システムを意味する『POS』の欧文字とを連綴し、その表音と認められる『キャットポス』の片仮名文字とを書してなるものであるところ、本願指定商品中例えば『電子計算機』について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、『販売時点情報管理とクレジットカードの信用照会の機能を有する端末機』であることを認識させるにすぎず、単に商品の品質、用途、機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)本願商標は、その構成前記のとおりになるところ、指定商品との関係からみて、「CAT」と「POS」の語を結合してなると容易に看取させ、その下段の「キャットポス」はその読みを片仮名文字で表したものと認識させるものである。 しかして、構成前半の「CAT」の語は、近年、クレジットカードの利用可能な店舗において、クレジットカード利用時にカードに記録されている情報を照会端末機を利用してホストコンピュータに問い合わせ、支払い状況を調べる「クレジット信用照会端末機(Credit Authorization Terminal)」の略語として知られていることは、例えば、コンピュータ用語辞典「わかりやすいコンピュータ用語辞典(44頁)」(1999年12月6日第5版株式会社ナツメ社発行)に記載されているばかりでなく、「知恵蔵2002(1337頁)」(2002年1月1日朝日新聞社発行)、「情報・知識imidas2001(1406頁)」(2001年1月1日 株式会社集英社発行)並びに「imidas2002別冊IT用語/カタカナ・略語辞典(398頁)」「2002年1月1日 株式会社集英社発行)などにも記載されている点から明らかである。また、その構成中「POS」の語は、請求人も認めるように「販売時点情報管理システム(point of sales system)」(広辞苑第5版)の略語であること明らかである。 そうとすれば、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として、「CAT(クレジットカードの信用照会)とPOS(販売時点情報管理)との両機能を搭載した端末機」であることを表示したものとして理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。 (2)なお、以上のように理解・認識されることは、例えば、下記の新聞の記事からも裏付けられる。 (ア)日本工業新聞 (a)1989年03月06日付記事において、 「パルコ、自社主導型 クレジット管理システムを全店に導入」の見出 しのもと「…パルコの開発した『クレジット・オンライン・ギャザリン グシステム』の内容は、テナントにCATとPOSを一体化したCAT POS(照会機能付き端末を導入し、…」との記載。 (b)1990年10月01日付記事において、 「東海銀行、銀行POSを全国展開。新型複合端末を採用」の見出しの もと「…新型複合端末機は一台で銀行POS専用端末とCAT(クレジ ットカード・オーソライゼイション・ターミナル)端末の両機能を併せ 持っている。…」との記載。 (c)1992年04月17日付記事において、 「多機能カードの課題と展望/運用(下)年内に標準化を終了。ICカ ード機能を複合化」の見出しのもと「…一台でCAT端末と銀行POS 機能に、総合POSカード機能を持った総合カードデータ処理機能を持 つことになる。…」との記載。 (d)1993年03月24日付記事において、 「クレ産協カードの信用照会強化CAT端末機普及を促進、下限金額3 万円へ」の見出しのもと「…CAT機能を備えたPOSレジスターの普 及も促進するなど、…」との記載。 (イ)流通サービス新聞 (a)1991年04月09日付記事において、 「経営実務講座/銀行POS通信手順の標準化」の見出しのもと「流通 システム開発センター・流通コードセンターは、実用的な磁気カードを 利用して、一枚の磁気カードでカウントサービス(スタンプサービス) 、プリペイド、クレジット、銀行POS(キャシュカード)の四つの機 能を備えた多機能カードである「商店街・総合・標準・POSカード」 を発表した。この総合POSカード用端末機は、…クレジットカード用 のCAT端末機や銀行POS用端末機を一台で兼用しているので…」と の記載。 (b)1992年04月17日付記事において、 「多機能カードの課題と展望/運用(下)年内に標準化を終了。ICカ ード機能を複合化」の見出しのもと「カードの多機能化の現状…総合P OSカードリーダー・ライターの規格は、単に総合POSカードの読み 書きができるだけでなく…一台でCAT端末と銀行POS機能に、総合 POSカード機能を併せ持った総合カードデータ処理機能を持つことに なる。」との記載。 (ウ)高知新聞 (a)1999年02月22日付記事において、 「おらんく経済複数カードで買い物OK イチヤ 独自のシステムを開 発 最大5枚 顧客ニーズに対応 大手との差別化狙う」の見出しのも と「…導入したのはPOS(販売時点情報管理)システムと、クレジッ ト会社のオンライン網(CAT)システムを結合させ、さらに最大五枚 までのカードを併用できるよう開発した…」との記載 。 (3)以上のとおりに、理解、認識させる、「CAT」と「POS」の語を結合し、その読みを表した「キャットポス」の文字からなる本願商標をその指定商品「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」、特に「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」について使用した場合、これに接する需要者・取引者は、「CAT(クレジットカードの信用照会)とPOS(販売時点情報管理)との両機能を搭載した端末機」であること、即ち、商品の用途又は品質(機能)を端的に表したものと理解するに止まり、それをもって商品の出所識別の標識とは認識し得ないものであって、また、前記に関する商品以外の電気通信機械器具、電子応用機械器具に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-05-24 |
結審通知日 | 2002-05-31 |
審決日 | 2002-06-13 |
出願番号 | 商願平10-107959 |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Z09)
T 1 8・ 13- Z (Z09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 柳原 雪身、板谷 玲子 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
高野 義三 前山 るり子 |
商標の称呼 | キャットポス、キャット、シイエイテイ |
代理人 | 古関 宏 |