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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 120 |
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管理番号 | 1061738 |
審判番号 | 取消2000-31375 |
総通号数 | 32 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-08-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-11-16 |
確定日 | 2002-07-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2562657号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2562657号商標の指定商品中「葬祭用具」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2562657号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成のものであり、平成2年9月11日に登録出願、第20類「屋内装置品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年7月30日に登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)請求人が調査したところ、本件商標は、指定商品「葬祭用具」について、過去3年間使用されていない。よって、商標法第50条第1項の規定に基づいて、本件商標の指定商品「葬祭用具」の登録を取消すべき登録取消審判を請求する。 (2)登録商標の使用説明書(1)の商品写真に示された「一本の線香を立て置く、うさぎの形をした香立て」は、その販売名のとおり「お香遊び」を前提とするもので、「炉」の機能を有しておらず、「香道」に使用する「香炉」とは相違する。商品写真に示された「一本の線香を立て置く、うさぎの形をした香立て」は、「お遊びの線香立て」であり、「蚊取線香」が他類に属するのと同じ理由で、「葬祭用具」の類似商品には該当しない。また、平成10年9月14日付納品伝票をみても、大阪市の株式会社大丸梅田店に対する販売は、買受け側が「こまもの横丁売場」扱いとなっており、また、平成11年6月24日付納品伝票をみても、「和装小物」扱いとなっており、ここには「葬祭用具」の概念は全く存在していない。したがって、商品写真に示された「一本の線香を立て置く、うさぎの形をした香立て」は、その販売名のとおり「お香遊び」という遊びを前提とする屋内装飾品であり、神仏と関係する「葬祭用具」の類似商品群コード20F01の「香炉」の範疇に属する商品には該当しないものである。 (3)登録商標の使用説明書(2)について、被請求人自ら「この商品は … 、祈願・奉納用ほか購入者の用途に供され」と主張するように、この商品は「絵馬」と特定できないものである。即ち、「絵馬」は祈願または報謝のために社寺に奉納するものであるが、「祈願・奉納用ほか購入者の用途に供され」ということは、この商品が「絵馬」ではなく、神仏とは関係のない木細工民芸品であることを意味するものである。この商品は木細工民芸品であり、祈祷等がなされてないから他の用途が存在するものである。たとえば、神社等の札所に納品されたものであれば、「絵馬」として祈祷され、かつ、祈祷された神社名が付されていてこそ、「絵馬」としての使用に限定される。「絵馬」という限り、神仏との関係が明確であり、祈願または報謝のために社寺に奉納するものであることが必要不可欠な条件となる。被請求人は発注日1999年9月27日の納品伝票(納品日未定)で鹿児島市の株式会社山形屋へ販売された旨主張するが、当該伝票には「ワショツキ ミンゲイヒン」として10個発注されているものの、10個の発注の事実が証明されても、使用者が「絵馬」として使用している事実を証明するものではない。 被請求人の提出した証拠は、「民芸品」であり、第27類の壁掛け等と同一またはその類似物品であっても、神仏との関係が存在する「葬祭用具」の概念には入らないものである。 (4)したがって、いずれの商品も神仏に関係のない意味のないものであるから、本件審判請求に係る指定商品中の「葬祭用具」に使用されるものでないことは明らかである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める、と答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨以下のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書(1)及び(2)を提出した。 (1)本件商標は、取消に係る指定商品中「葬祭用具」の範疇に属する「香立て」「絵馬」に使用されているものであり、その事実を登録商標の使用説明書(1)、(2)について提出の証拠により以下のとおり立証する。 登録商標の使用説明書(1) (イ)使用に係る商品「香立て」 本件商標の使用に係る「香立て」は、添付の「お香遊び うさぎ」の商品写真に示すとおり、一本の線香を立て置く、うさぎの形をした香立てであり、特許庁庁編「類似商品・役務審査基準」によれば、「葬祭用具」の類似商品群コード20F01の範疇に属する商品である。 (ロ)本件商標の使用 添付の写真に示すとおり、本件商標と同一の商標が商品の容器(箱)の側面に鮮明に表わされるほか、プライスカードや出荷用ダンボール箱にも鮮明に表示され、前記商品について使用されていることは明らかである。 (ハ)商品の販売事実 本件商標を使用した前記商品が実際に販売された一例を納品伝票により示すと、平成10年9月14日付納品伝票により、大阪市北区梅田3丁目1番1号の株式会社大丸梅田店に「お香遊び うさぎ」 が販売され、平成11年6月24日付納品伝票により、同上商品が同店にそれぞれ販売されたことを立証する。 登録商標の使用説明書(2) (イ)使用に係る商品「絵馬」 この商品は干支の絵馬として次の年の干支にちなんで販売される絵馬であり、前年夏末に完成、秋には受注納品が始まり、翌年中販売される商品で、祈願・奉納用ほか購入者の用途に供される。 (ロ)本件商標の使用 添付の写真では、商品を透明容器(袋)に封入して販売される状態が示され、袋に本件商標と同一の商品が鮮明に表わされるほか、プライスカードにも本件商標が鮮明に表わされている。 (ハ)商品の販売事実 前記商品が実際に販売された事実は、例えば、1999年9月27日付納品書により鹿児島市金生町3番1号の株式会社山形屋へ販売されたことを立証する。 (2)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、本件審判請求に係る指定商品中「葬祭用具」について使用されているものであるから、本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。 (3)商品としての「香立て」「絵馬」は、神仏を商品成立の必須要件とするものではない。すなわち、両商品と神仏の関係は、人(購入者・需要者)が、神仏に対する心や気持ちを表わすために用いる用具、ないし自らの自由な神仏観に委ねられるべき用具と解すれば足り、請求人主張の事情は、当該商品の「葬祭用具」の属否を左右するものではない。 4 当審の判断 本件商標は、上記のとおり第20類「屋内装置品、その他本類に属する商品」を指定商品とするものであり、指定商品中に「葬祭用具」を含んでいるものと認めることができる。そして、本件商標の指定商品中の「葬祭用具」は、この表現自体から「葬祭をするための用具、道具」を意味することは明らかであり、また、この表現にかかわらず「葬祭をするための用具、道具」以外の商品をも含むものと解釈されるべき特段の事由も見あたらない。 しかるところ、被請求人の提出した登録商標の使用説明書(1)及び(2)によれば、被請求人が本件商標を使用したと主張する商品「香立て」(お香遊び うさぎ)及び商品「絵馬」は、遊びのための用具又は葬祭とは関係のない装飾品として販売された商品と認められるものであって、「葬祭用具」とはいえない。 そうすると、被請求人の提出した登録商標の使用説明書(1)及び(2)によっては、本件商標が、その指定商品中の「葬祭用具」について使用された事実を認めることはできない。 したがって、本件商標は、本件請求に係る指定商品「葬祭用具」についての登録を商標法第50条の規定に基づき、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本件商標 |
審理終結日 | 2002-05-07 |
結審通知日 | 2002-05-10 |
審決日 | 2002-05-21 |
出願番号 | 商願平2-103660 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(120)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 飯島 袈裟夫、関根 文昭 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
上村 勉 山下 孝子 |
登録日 | 1993-07-30 |
登録番号 | 商標登録第2562657号(T2562657) |
商標の称呼 | エイラクヤ |
代理人 | 萬田 正行 |
代理人 | 樋口 武尚 |
代理人 | 武石 靖彦 |
代理人 | 村田 紀子 |
代理人 | 吉崎 修司 |