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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 018
管理番号 1060000 
審判番号 審判1998-1992 
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-02-04 
確定日 2002-05-07 
事件の表示 平成 8年商標登録願第 48245号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「LUCIANOARMANI」の欧文字を横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成8年5月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定において、「本願商標は、その構成中に、イタリアのデザイナー『Giorgio Armani』が商品「婦人・紳士物の衣料品、靴、革製バッグ」等に使用して著名な商標『ARMANI』の文字を有するものであるから、これを本願指定商品について使用する場合、あたかもそれが上記の者の業務に係る商品またはその者と何らかの関係がある者の商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審において、請求人に対し、証拠調べ通知を通知したが、これに対し、請求人は、何ら意見を述べていない。

第4 当審の判断
1 当審における職権証拠調べ通知書によれば、次の事実が認められる。
(1)「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社 昭和53年7月20日 発行)に、「ジョルジュ・アルマーニ」、「Giorgio Armani<イタリア >」の項に「イタリアのラルフ・ローレンとよばれるデザイナーです。・・・」と紹介されている。
(2)「舶来ブランド事典 ’84 THE BRAND」(サンケイ マーケティング 昭和58年9月28日 発行)に、「ジョルジォ・アルマーニ」の「特徴」の項に、「・・・着る人の個性を生かしきる才能とセンスの良さがアルマーニの身上で、それが見事に開花した商品群といえよう。・・・ミリタリースタイル、肩パット入りのブレザー、皮素材を用いたジャケットなどがとりわけ好評で、ジョルジォ・アルマーニはまさにカジュアル時代の最先端を行くファッションだ。」及び「種類【インポート】紳士/コート、セーター、ネクタイ、ベスト、シャツ、スーツ 婦人/レインコート、オーバーコート、ジャケット、スーツ、パンツ、ブルゾン、スカート、セーター、ブラウス、マフラー、ベスト、帽子」の記載がそれぞれされている。
(3)「世界の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和59年12月1日 発行)に、「BLOUSON/ブルゾン」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の記載及び「レザーブルゾン 150、000円」の記載がされている。
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の記載及び「右 中 シルク100% 各13、000円 左 ウール100% 13、000円」の記載がそれぞれされている。
(4)「世界の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和60年5月25日 発行)に、「婦人服/Ladies Wear」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の記載及び「ジャケット、スカート、ブラウス」等の商品の記載及び写真が掲載されている。
(5)「世界の一流品大図鑑 ’91年版」(株式会社講談社 平成3年5月23日 発行)に、「LADIES’S WEAR」の項に「ジャケット、ショートパンツ、ドレス」と記載され、[GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR」の項に、「スーツ」と記載され、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
同じく、「SWEATER/CARDIGAN」の項に、「セーター」と記載され、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
(6)「外国ブランド専用使用権者名簿」(社団法人 日本輸入団体連合会)に、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する紹介や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が記載され、また、「GIORGIO ARMANI」はブランドであり、「ジョルジオアルマーニ ジャパン株式会社」が、専用使用権者として記載されている。
(7)「外国ブランド権利者名簿」(社団法人 日本輸入団体連合会 1999年3月刊行)において、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が記載され、また、「GIORGIO ARMANI」及び「EMPORIO ARMANI」が、ブランドであり、「ジョルジオ アルマーニジャパン株式会社」が、専用使用権者名として記載されている。
(8)「服飾辞典」(文化出版局 昭和54年3月5日第1刷 発行)に、「ジョルジョ・アルマーニ[Giorgio Armani,1935?]」の項に、「イタリア北部のエミリアに生まれる。医者になるため大学に行くが中退。20歳ごろはサラリーマン、その後リナシェンテ(百貨店)に入社し、はじめて男物の服づくりを手がけ、モードの面白さを知る。その後、ヒルトンで7年間、高級紳士服の仕事を続け、1975年にはじめて『アルマーニという自分の店を開く。紳士物のエッセンスを婦人服にいかし、わずか3年間で、『ジャケットの王様』といわれるほど名がひろまる。レーンコート、シャツ、皮革製品、ニットなど、スポーティ感覚の服は現代の趣向に合い、今やミラノ・アルタ・モーダ・プロンタ(オート・クチュールのプレタ・ポルテの意であるが、彼はオート・クチュールの服はつくらない)のコレクションでは最も人気のあるスチリストの一人である。作品は、デコントラクテな傾向の都会派向きのもの、つまり、マニュシュな装いを好む人やジーンズ党にも人気がある。またアンチ・ハリウッド派の映画衣装などもアルマーニのものが多く、最近の映画では『サタディ・ナイト・フィーバー』の衣装を担当する。ミラノに住み、1日8時間から9時間を仕事に費やす。何よりも仕事が好き、というアルマーニである。」との紹介記事が掲載されている。
(9)「田中千代服飾辞典」(同文書院 1981年4月25日新増補 発行)に、「ジョルジジョ・アルマーニ[Giorgio Armarni]」の項に、1935年イタリアの北部のエミリアに生まれ、医大へ入学したが、3年で中退。方向転換してミラノの大百貨店ラ・リナシェンテの紳士服専門にバイヤーとして入社し、その後テーラードに定評のあるセルッティ社の紳士服デザイナ ーになった。そして、1973年独立し、ミラノにアルマーニ社を設立した。最も得意とするのは、アルマーニ・スーツと呼ばれるベーシックなスーツである。・・・」と記載されている。
(10)「世界の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社 昭和56年5月25日 発行)に、「一流ブランド物語」の記事の「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」の「キング・オブ・ミラノ」の項に「映画『アメリカン・ジゴロ』で主演したリチャード・ギアの衣装は、ジョルジョ・アルマーニがデザインしたものでした。アルマーニを特徴づけるVシェープモデルを特徴づけるぶ厚いパッドと重心の低い細いえりはジゴロの、華やかで、浮き草のようにはかない生きざまを象徴していました。この映画のデザインを担当した時点で、アルマーニはすでに「キング・オブ・ミラノ」の名をほしいままにしていました。ミラノといえば、イタリアのモードの都。伝統、優雅、上品といった事柄を重んじるパリにくらべ、ミラノは新しいだけに、軽快、斬新、明るさが売りものです。そんなミラノで「キング」とよばれ、あるいは「婦人もののサンローラン」に対して「紳士もののアルマーニ」とよばれるまでになったのですが、もちろん、ここまでくるには、多くの努力とチャンスをものにする決断が必要でした。ジョルジョ・アルマーニは1936年、北イタリアのエミリアで生まれました。医科大学入学を夢みて、勉強に精出した時期もありますが、家庭の事情で、20歳のとき、ミラノのデパート・リナシェンテに就職しました。ここで、紳士服の仕入れ部門に配属されたのが、彼の一生を決めることになったのです。
当時、イタリアの紳士服地メーカーとして、ぐんぐん成長していたのが、セルッティ社でした。同社は1881年創業の毛織物の老舗でしたが、1953年、わずか一九歳のニノ・セルッティが三代目社長となり、超高級品志向の路線に切りかえ、世界中に名前を拡めつつありました。積極派のセルッティは原料メーカーにあきたらず、1960年代の初め、服飾部門に進出、ヒットマン社を設立します。このヒットマン社に、アルマーニは出向の形で参画しました。営業マンからデザイナーへの道が開けたのでした。ヒットマン社には八年間在籍しました。後に「ヨーロッパのメンズモードの学校」とよばれるようになるのですが、それは、同社から経営者セルッティはもとより、アルマーニ、ロベルト・ブルーノ、シルビオ・ファーバなどが巣立っているからです。セルッティが1969年、パリのロワイヤル通りに初めてのブティックを開き、大成功したのを横目に見ながら、アルマーニも独立の機をうかがっていました。・・・」と記載されている。
(11)「The一流品」(読売新聞社 1986年4月15日 発行)に、「GIORGIO ARMANI」【ジョルジョ・アルマーニ=イタリア】の項に、長らく紳士服畑を歩いてきたアルマーニが、初めて婦人服のコレクションを発表したのは一九七五年のこと。素材選び、仕立て冴えを発揮して、働く女性のためのラインが生まれた。ミニタリールックや肩にパッドを入れたブレザーなどもアルマーニの発想。・・・」との記載及び「1983年に発表、フルーティとフローラルブーケの香り」の記載及び「ARMANI」の文字が入った香水の写真が掲載されている。
(12)「Hanako」(株式マガジンハウス 発行 1988年11月24日号)に、表紙中央部に「羨望!アルマーニの服」との記載がある。
同じく、「時代を超えるイタリアの感性 憧憬のアルマーニ」の「”似合う自分”をめざすことが、人生の目的になる服ージョルジオ アルマーニ」の項に「・・・アルマーニの軌跡を簡単にご紹介しましょう。・・・アルマーニはファッションを”人生をよりよく生きるための手段”にまで昇華させたという点で、・・・」の記載及び「ブラウス、キュロットスカート、ジャケット、手袋、帽子、ストール、ブーツ」の記載、「傘、バッグ、ベルト、財布」等の商品の写真が掲載され、さらに、「アルマーニ ブティック」の写真が掲載され、その写真中に「GIORGIO ARMANI」の記載されている。
また、「一歩手前の人へ。 デフュージョンブランド、エンポリオ。」の項に、「EMPORIO ARMANI」(「EMPORIO」と「ARMANI」の文字の間には、中央に「GA」の文字を白抜きにした左向きの鷲とおぼしき図形が配されている。)及び「ブラウス、コート、ブローチ、帽子、シューズ、セーター、マフラー、バッグ、ワンピース、ブルゾン、キュロットスカート」等が記載され、「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとおり、幅広いアイテム(スポーツウェアからイブニングまで)を手頃な価格で提供。・・・」と記載されている。
(13)「FASHION SHOPPING BIBLE ’85 流行ブランド図鑑」株式会社講談社 昭和60年5月25日 発行)に、「GIORGIO ARMANI」「ジョルジオ・アルマーニ」の「帝国の築き上げたライフ・スタイルは、永遠不滅の騎士道に似る。」の項に、「ファッションに興味のある人間でG・アルマーニの名前を知らないなら、死んでもらいましょう。イタリアン・カジュアルと対峙する伝統のイタリアン・テーラード界に、それこそ彗星のごとく登場したのがG・アルマーニだったのだ。これは1975年のこと。この年のコレクションで、”キング・オブ・ブレザー”と呼ばれ、1997年「ルオモボーグ誌」にプレゼンテーションとして発表したミニタリー・ファッションが全世界に大きな反響をあたえ、アルマーニの名声を不動のものにしたのだった。・・・」との記載及び「スーツ、ストライプシャツ、ベルト、プリントネクタイ」等の記載がされている。
(14)「MEN’S CLUB 1990年8月号」(株式会社婦人画報社 1990年8月1日 発行)に、「20世紀最高のファッションデザイナー ジョルジオ・アルマーニに学ぶ。」の項に、「1974年、ファッションの震源地、ミラノで彗星のごとくデビューしたジョルジオ・アルマーニは、わずか15年間で、イタリアはもとより、世界のファッション界を席捲したといえよう。スーツの王者ブレザーを着た国王キング・オブ・ミラノ、マエストロ・ディ・マエストロ<巨匠の中の巨匠>など、アルマーニに魅せられた数々の呼び名が示すように、彼なくして、ミラノいや世界のファッションが語れないほど強大な影響力を持ったデザイナーといえる。・・・現在はジョルジオ・アルマーニ、エンポリオ アルマーニ、マーニ、アルマーニジーンズなどの代表的ブランドのほか、ジュニアクロージング、アンダーウェア、アクセサリー類、フレグランスなどもデザインしている。・・・」との記載、さらに、「ジョルジオ・アルマーニの最新コレクション。」、「クラッシックなスーツ。アルマーニ流の正統派スタイル。」「ジョルジオ・アルマーニはトラディショナリストのためにスタイルやパターンはクラッシックでありながら高度なテーラーリング技術を駆使して贅沢な 素材使いによってモダンな感覚を表現した服を発表している。」「着心地の良さとシンプルなエレガンスを追求したアルマーニのプロフェッショナルの服。」と記載されている。
同じく、「対象を固定しないエンポリオの服たち。」、「アルマーニの入門服としての高いエンポリオ アルマーニ、幅広い商品構成も大きな魅力だ。」との見出しのページには、、「ジョルジオ・アルマーニのヤングブランドとして位置づけられているエンポリオ アルマーニ。エンポリオとはイタリア語で『市場』の意味で、年齢、職業、クラスを問わないデザインコンセプトで、ブランド誕生後9年間しかたっていないが、瞬く間に世界中で人気を集め、確固たる地位を築いた。比較的手頃な価格構成も大きな特徴で、若者がアルマーニのフィロソフィーを知るファーストステップの服としての意味合いも強い。エンポリオのショップの1号店は1981年、ミラノでオープン、今では、ヨーロッパ、アメリカ、日本を含むアジアで100店ものショップを持つほどに成長した。今シーズンのコレクションでは、アルマーニが昔から得意とするミリタリーティストの服が目についた。その辺の事情をアルマーニはこう説明してくれた。「エンポリオとアルマーニジーンズの服に関しては、・・・」と記載されている。
(15)「英和商品名辞典」(株式会社研究社 1990年 発行)の「Giorgio Armani ジョルジオアルマーニ」の項に、「イタリアmilanoのデザイナーGiorgio Armani(1934(33,35?)のデザインした紳士・婦人既製服その他の衣料品・靴・革製バッグ・革小物・ベルト・香水など、そのメーカー、・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。・・・」と記載されている。
同じく、「Armani アルマーニ」の項に、「Giorgio Armani.」と記載されている。
(16)「エフピー 6月号」(株式会社学習研究社 1991年6月1日 発行)に、表紙に「アルマーニの世界戦略」との特集記事の紹介がされている。
(17)「世界の一流品大図鑑 ’95年版」(株式会社講談社 平成7年5月10日 発行)に、「LADIES’S WEAR」の項に、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と掲載され、「スーツ、ブラウス、ベスト、パンツ、スカーフ、キュロット」と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR」の項に、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載され、「ジャケット、パンツ、シャツ」と記載されている。
同じく、「PERFUME」の項に、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
同じく、「MEN’S PERFUME」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」と記載され、「オードトワレ」及び「オードトワレスプレー」と記載され、該商品の写真が掲載され、該商品の写真中には、それぞれ「ARMANI」と記載されている。
(18)「世界の一流品大図鑑 ’96」(株式会社講談社 平成8年5月12日 発行)に、「WEAR[紳士服・婦人服]」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に、「ニットジャケット、ニットパンツ、ドレス、ジャケット、パンツ」と記載され、「・・・余分な装飾を排除し、着る人の個性を大切にするアルマーニの新作は、スリムなフォルムとモノトーンのシャープなコンストラストが大きな特徴です。」と記載され、「シャツ、スーツ、ベスト」及び「オードトワレ スプレー」と記載され、さらに、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に「サングラス」と記載及び「ミラノ・ファッション界の”マエストロ・ディ・マエストロ”と称えられ、もっとも偉大なデザイナーと呼ばれるアルマーニ。・・・」と記載されている。
(19)「世界の一流品大図鑑 ’98」(株式会社講談社 1998年5月30日 発行)に、「LADIES’S WEAR/婦人服」及び「LADIES’S WEAR」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に、「ジャケット、パンツ、スカート」等と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に「スーツ、シャツ」と記載されている。
同じく、「KNIT WEAR」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に「パンツ」と記載されている。
同じく、「BLOUSE・SHIRT」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に、「シャツジャケット、シャツ」と記載されている。
同じく、「NECKTIE」の「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項に「今季のアルマーニは、織りについて こだわり、幅の狭いネクタイをリバイバルさせました。・・・」と記載されている。
(20 )「『ニセブランド商品にご注意!!』のパンフレット」(社団法人 日本団体輸入団体連合会 1999年)に、「海外有名ブランド品のニセモノがふえています」の見出しのもと、「・・・バーバリー、アルマーニの衣料、ロレックスの腕時計などといった海外有名ブランド商品は、消費者の間で根強い人気が あることから、これに便乗してニセモノの横行が目立っております。・・・」と記載されている。

2 「GIORGIO ARMANI」及び「ARMANI」などの商標の著名性について
以上の事実によれば、「GIORGIO ARMANI」はイタリアの服飾デザイナーであり、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、また同人のデザインした商品は、「紳士服、婦人服、ジャケット、ネクタイ、帽子、革製バッグ、革小物、ベルト、靴、香水」など広範囲に及び、これらの商品はファッション関連商品ということができる。そして、これらの商品は、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ アルマーニ」の各文字からなる商標(ブランド)(以下「ARMANI」の商標という。)を使用した商品として紹介され、我が国においては、遅くとも本願商標の出願時までには、これらの商品の取引者・需要者間に広く認識され、その状態は現在も継続しているものと認められる。
また、前記の職権による証拠調べをした、1990年株式会社研究社発行の「英和商品名辞典」「Giorgio Armani(ジョルジョアルマーニ」の項の「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。」との記載、1988年11月24日株式会社マガジンハウス発行「hanako」における「憧憬のアルマーニ」の掲載記事、「一歩手前の人へ。普及版デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しのもと、「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者達の為に作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとおり、幅広いアイテム(スポーツウエアからイブニングまで)を手頃な価格で提供。・・・」との記事、「外国周知商標集(伊編)」(独立行政法人工業所有権総合情報館備え付け)、「外国ブランド専用使用権者名簿」によれば、「GIORGIO ARMANI」のほかに、デフュージョンブランド(普及版ブランド)として、「EMPORIO ARMANI」のブランドを、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が、「ブラウス、コート、パンツ、ジーンズ、ブローチ、帽子、シューズ、バッグ」等の商品について使用し、これも取引者・需要者間に広く知られているものと認められる。
また、「ARMANI」がイタリアで一般的な姓であるとしても、我が国において一般的な名前であるとは認められないし、「ARMANI」の文字を含む「ARMANIの商標」は、それがイタリアでの一般的な名前であるかどうかに関係なく、前記認定のとおり、我が国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者・需要者間に広く認識されている商標といえるものである。

3 商品の出所の混同について
本願商標は、前記のとおり、「LUCIANOARMANI」の欧文字を横書きしてなるものである。そして、これはその全体が13文字であり、これより生ずる「ルチアーノアルマーニ」の称呼も長音を含めて10音であり、商標としてもまた称呼としてもやや冗長なものといえる。さらに、その全体の「LUCIANOARMANI」が一般に親しまれた特定の熟語を表すものであるとか、特定の人名を表すものとして知られているとかの事情は認められない。
一方、前記認定のとおり、「ARMANI」の商標は、ファッション関連商品について取引者・需要者間に広く認識されているものであり、また、その普及版ブランドとして、「EMPORIO ARMANI」を使用し、これもまた広く知られているものであること、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ アルマーニ」は、イタリアの服飾デザイナーとして著名であり、「アルマーニ」とも略称されていること、本願商標の指定商品は、「かばん物,袋物」のファッション関連商品といえるものであることよりすれば、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、取引者・需要者は、前記の著名な「GIORGIO ARMANI」の商標に関連するブランドであるのではないかなどと連想、想起し、その商品が「ジョルジオアルマーニ」又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。
そして、この混同を生ずるおそれは、本願商標登録出願時から現在に至るまで継続しているものと認められる
請求人は、本願商標は、同一の書体で一連に書してなるものであり、さらに、人名であることからして、不可分一体の商標であり、本願商標と引用商標とは、非類似であり、さらに、商品の出所について混同のおそれはない旨主張しているが、本願商標は、13文字により構成され、これより生ずる「ルチアーノアルマーニ」の称呼も長音を含めて10音であり、商標としても、称呼としてもやや冗長なものといえる。
また、「ARMANI」がイタリアで一般的な姓であるとしても、我が国において一般的な名前であるとは認められないし、「ARMANI」の文字を含む「ARMANIの商標」は、それがイタリアでの一般的な名前であるかどうかに関係なく、「GIORGIO ARMANI」は、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、我が国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者・需要者間に広く認識されている商標といえるものであり、さらに、請求人の挙げる事例は、本件とは事案を異にするものであるから、請求人の主張は、採用できない。

4 結び
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、原査定は取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-12-27 
結審通知日 2002-01-11 
審決日 2002-03-18 
出願番号 商願平8-48245 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (018)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 旦 桂子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 米重 洋和
宮下 行雄
商標の称呼 ルチャーノアルマーニ、ルチアーノアルマーニ 
代理人 若林 拡 

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