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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 018
管理番号 1058603 
審判番号 審判1998-2004 
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-02-09 
確定日 2002-04-05 
事件の表示 平成 8年商標登録願第 81670号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「FRANCOARMANI」の欧文字を横書きした構成よりなり、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成8年7月24日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、その構成中に、イタリアのデザイナー「GIORGIO ARMANI」が商品「被服・靴・バッグ」等に使用して著名な商標「ARMANI」の文字を有するものであるから、これを本願指定商品について使用する関係がある場合、あたかもそれが上記の者の業務に係る商品又はその者と何等かの関係がある者の商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 当審において、請求人に対し、証拠調べ通知を通知したが、これに対し、請求人は、何ら意見を述べていない。

第4 当審の判断
1 当審における証拠調べ通知書によれば、次の事実が認められる。
(1)「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社 昭和53年7月20日 発行)において、「ジョルジュ・アルマーニ」、「Giorgio Armani<イタリア>」の項に、「イタリアのラルフ・ローレンと呼ばれるデザイナーです。・・・」と紹介されている。
(2)「舶来ブランド事典’84 THE BRAND」(サンケイマーケテイング 昭和58年9月28日発行)において、「ジョルジォ・アルマーニ」の「特徴」の項に、「・・・着る人の個性を生かしきる才能とセンスの良さがアルマーニの身上で、それが見事に開花した商品群といえよう。・・・ミリタリースタイル、肩パット入りのブレザー、皮素材を用いたジャケットなどがとりわけ好評で、ジョルジオ・アルマーニはまさにカジュアル時代の最先端を行くファッションだ。」及び「種類【インポート】紳士/コート、セーーター、ネクタイ、ベスト、シャツ、スーツ 婦人/レインコート、オーバーコート、ジャケット、スーツ、パンツ、ブルゾン、スカート、セーター、ブラウス、マフラー、ベスト、帽子」とそれぞれ記載されている。
(3)「男の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和59年12月1日 発行)において、「BLOUSON/ブルゾン」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ」(イタリア)の記載及び「レザーブルゾン 150,000円」と記載されている。
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「右 中 シルク100% 13,000円 左 ウール100% 13,000 円」の記載がそれぞれされている。
(4)「世界の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和60年5月25日 発行)において、「婦人服/Ladies Wear」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「ジャケット、スカート、ブラウス」等の商品の記載及び該写真が掲載されている。
(5)「世界の一流品大図鑑’91年版」(株式会社講談社 平成3年5月23日 発行)において、「LADIE’S WEAR/婦人服」の項に、「ジャケット、ショートパンツ、ドレス」及び「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の項に、「スーツ」及び「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」と記載されている。
同じく、「SWEATER/CARDIGAN」の項に、「セーター」及び「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ」 (イタリア)」と記載されている。
(6)「外国ブランド専用使用権者名簿」(社団法人日本輸入団体連合会)において、凡例として、「本書は、外国ブランド模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が記載され、また、「GIORGIO ARMANI」は、ブランドであり、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が専用使用権者として記載されている。
(7)「外国ブランド権利者名簿」(社団法人日本輸入団体連合会 1993年3月 刊行)において、凡例として、「本書は、外国ブランド模倣商標品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が掲載され、また、「GIORGIO ARMANI」及び「EMPORIO ARMANI」がブランドであり、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が専用使用権者として記載されている。
(8)「服飾辞典」(文化出版局 昭和54年3月5日第1刷 発行)において、「ジョルジュ・アルマーニ」 [Giorgio Armani,1935?]の項に、「イタリア北部のエミリアに生まれる。医者になるため大学に行くが中退。20歳ごろは、サラリーマン。その後リナシェンテ(百貨店)に入社し、初めて男物の服づくりを手がけ、モードの面白さを知る。その後、ヒルトンで7年間、高級紳士服の仕事を続け、1975年にはじめて『アルマーニ』という自分の店を開く。紳士物のエッセンスを婦人服に生かし、わずか3年間で、『ジャケットの王様』といわれるほど名がひろまる。レーンコート、シャツ、皮革製品、ニットなど、スポーテイ感覚の服は現代の趣向に合い、今やミラノ・アルタ・モード・プロンタ(オート・クチュールのプレタポルテの意であるが、彼はオート・クチュールはつくらない。)のコレクションでは最も人気のあるスチリストの一人である。作品は、デコントラクテな傾向の都会派向きのもの、つまり、マニッシュな装いを好む人やジーンズ党にも人気がある。また、アンチ・ハリウッド派の映画衣装などもアルマーニのものが多く、最近の映画では、『サタデイ・ナイト・フィーバー』の衣装を担当する。ミラノに住み、1日8時間から9時間を仕事に費やす。何よりも仕事が好き、というアルマーニである。」との紹介記事が記載されている。
(9)「田中千代服飾辞典」(同文書院 1981年4月25日新増補第1刷発行)の「ジョルジュ・アルマーニ[Giorgio Armani]」の項に、1935年イタリアに生まれ、医大へ入学したが、3年で中退。方向転換してミラノの大百貨店ラ・リナシェンテの紳士服専門にバイヤーとして入社し、その後テーラードに定評のあるセルッテイ社の紳士服デザイナーになった。そして、1973年独立し、ミラノにアルマーニ社を設立した。最も得意とするのは、アルマーニ・スーツと呼ばれるベーシックなスーツである。・・・」と記載されている。
(10)「世界の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社 昭和56年5月25日 発行)において、「一流ブランド物語」の記事の「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」の「キング・オブ・ミラノ」の項に、映画『アメリカン・ジゴロ』で主演したリチャード・ギアの衣装は、ジョルジョ・アルマーニがデザインしたものでした。
アルマーニを特徴づけるVシェープモデルを特徴づける分厚いパッドと重心の低い細いえりはジゴロの、華やかで、浮き草のようにはかない生きざまを象徴していました。この映画のデザインを担当した時点で、アルマーニは、すでに「キング・オブ・ミラノ」の名をほしいままにしていました。ミラノといえば、イタリアのモードの都。伝統、優雅、上品といった事柄を重んじるパリに比べ、ミラノは新しいだけに、軽快、斬新、明るさが売り物です。そんなミラノで「キング」とよばれ、あるいは「婦人もののサンローラン」に対して「紳士もののアルマーニ」とよばれるまでになったのですが、もちろん、ここまでくるには、多くの努力とチャンスをものにする決断が必要でした。ジョルジョ・アルマーニは1936年、北イタリアのエミリアで生まれました。医科大学入学を夢みて、勉強に精出した時期もありますが、家庭の事情で、20歳のとき、ミラノのデパート・リナシェンテに就職しました。ここで、紳士服地メーカーとして、ぐんぐん成長していたのが、セルッテイ社でした。同社は1881年創業の毛織物の老舗でしたが、1953年、わずか19歳のニノ・セルッテイが3代目社長となり、超高級品志向の路線に切りかえ、世界中に名前を拡めつつありました。積極派のセルッテイは原料メーカーにあきたらず、1960年代の初め、服飾部門に進出、ヒットマン社を設立します。このヒットマン社に、アルマーニは出向の形で参画しました。営業マンからデザイナーへの道が開けたのでした。ヒットマン社には8年間在籍しました。後に「ヨーロッパのメンズモードの学校」とよばれるようになるのですが、それは、同社から経営者セルッテイはもとより、アルンマーニ、ロベルト・ブルーノ、シルビオ・ファーバなどがブテイックを開き、大成功したのを横目に見ながら、アルマーニも独立の機をうかがっていました。・・・」 と記載されている。
(11)「The一流品」(読売新聞社 1986年4月15日 発行)において、「GIORGIO ARMANI」【ジョルジョ・アルマーニ =イタリア】)の項に、長らく紳士服畑を歩いてきたアルマーニが、初めて婦人服のコレクションを発表したのは1975年のこと。素材選び、仕立て冴えを発揮して、働く女性のためのラインが生まれた。ミニタリールックや肩にパッドを入れたブレザーなどもアルマーニの発想。・・・」との記載及び「1983年に発表、フルーテイとフローラルブーケの香り」との記載及び「ARMANI」の文字が入った香水の写真が掲載されている。
(12)「Hanako」(株式会社マガジンハウス 発行 1988年11月24日号)において、表紙中央部に、「羨望!アルマーニの服」との記載がある。
同じく、「時代を超えるイタリアの感性 憧憬のアルマーニ」の「”似合う自分”をめざすことが、人生の目的になる服?ジョルジオ アルマーニ」の項に、「・・・アルマーニの軌跡を簡単にご紹介しましょう。・・・アルマーニはファッションを”人生をよりよく生きるための手段”にまで昇華させたという点で、・・・」の記載及び「ブラウス、キュロットスカート、ジャケット、手袋、帽子、ストール、ブーツ」の記載、「傘、バッグ、ベルト、財布」等の商品の写真が掲載され、さらに、「ジョルジオ アルマーニ ブテイック東京店」の写真が掲載され、その写真中に、「GIORGIO ARMANI」の文字が記載されている。
また、「一歩手前の人へ。デフュージョンブランド、エンポリオ。」の項に、「EMPORIO ARMANI」(「EMPORIO」と「ARMANI」の文字の間には、中央に、「GA」の文字を白抜きにした左向きの鷲と思しき図形が配されている。)及び「ブラウス、コート、ブローチ、帽子、シューズ、セーター、マフラー、バッグ、ワンピース、ブルゾン、キュロットスカート」などが記載され、「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとおり、幅広いアイテム(スポーツウエアからイブニングまで)を手頃な価格で提供。・・・」と記載されている。
(13)「FASHION SHOPPING BIBLE’85 流行ブランド図鑑」(株式会社 講談社 昭和60年5月25日 発行)において、「GIORGIO ARMANI」「ジョルジオ・アルマーニ」の「帝国の築き上げたライフ・スタイルは、永遠不滅の騎士道に似る。」の項に、「ファッションに興味のある人間でG・アルマーニの名前を知らないなら、死んでもらいましょ。イタリアン・テーラード界に、それこそ彗星のごとく登場したのがG・アルマーニだったのだ。これは1975年のこと。この年のコレクションで、”キング・オブ・ブレザー”と呼ばれ、1997年「ルオモボーグ誌」にプレゼンテーションとして発表したミニタリー・ファッションが全世界に大きな反響をあたえ、アルマーニの名声を不動のものにしたのだった。・・・」との記載及び「スーツ、ストライプシャツ、ベルト、プリントネクタイ」等と記載されている。
(14)「MEN’S CLUB1990年8月号」(株式会社婦人画報社 1990年8月1日 発行)において「20世紀最高のファッションデザイナー ジョルジオ・アルマーニに学ぶ。」の項に、「1974年、ファッションの震源地、ミラノで彗星のごとくデビューしたジョルジオ・ アルマーニはわずか15年間で、イタリアはもとより、世界のファッション界を席捲したといえよう。スーツの王者ブレザーを着た国王キング・オブ・ミラノ、マエストロ・デイ・マエストロ<巨匠の中の巨匠>など、アルマーニに魅せられた数々の呼び名が示すように、彼なくして、ミラノいや世界のファッションが語れないほど強大な影響力を持ったデザイナーといえる。・・・現在は、ジョルジオ・アルマーニ、エンンポリオ アルマーニ、マーニ、アルマーニジーンズなどの代表的ブランドのほか、ジュニアクロージング、アンダーウエア、アクセサリー類、フレグランスなどもデザインしている。・・・」との記載、さらに、「ジョルジオ・アルマーニの最新コレクション。」、「クラシックなスーツ。アルマーニ流の正統派スタイル。」「ジョルジオ・アルマーニはトラデイショナリストのためにスタイルやパターンはクラシックでありながら、高度なテーラーリング技術を駆使して贅沢な素材遣いによってモダンな感覚を表現した服を発表している。」「着心地の良さとシンプルなエレガンスを追求したアルマーニのプロフェッショナルの服。」と記載されている。
同じく、「対象を限定しないエンポリオの服たち。」、「アルマーニの入門服として人気の高いエンポリオ アルマーニ、幅広い商品構成も大きな魅力だ。」との見出しのページには、「ジョルジオ・アルマーニのヤングブランドとして位置づけられているエンポリオ アルマーニ。エンポリオとはイタリア語で『市場』の意味で、年齢、職業、クラスを問わないデザインコンセプトで、ブランド誕生後9年間しかたっていないが、瞬く間に世界中で人気を集め、確固たる地位を築いた。比較的手頃な価格構成も大きな特徴で、若者がアルマーニのフィロソフィーを知るファーストステップの服としての意味合いも強い。エンポリオの1号店は1981年、ミラノでオープン、今では、ヨーロッパ、アメリカ日本を含むアジアで100店ものショップを持つほどに成長した。今シーズンのコレクションでは、アルマーニが昔から得意とするミリタリーテイストの服が目についた。その辺の事情をアルマーニはこう説明してくれた。エンポリオとアルマーニジーンズの服に関しては、・・・」と記載されている。
(15)「英和商品名辞典」(株式会社研究社 1990年第1刷 発行)において、「Giorgio Armani ジョルジオ・アルマーニ」の項に、「イタリアMilanoのデザイナーGiorgio Armani(1934(33,35?)?)のデザインした紳士・婦人既製服その他の衣料品・靴・革製バッグ・革小物・ベルト・香水など、そのメーカ?、・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており、人気を得ている。・・・」と記載されている。
同じく、「Armani アルマーニ」の項に、「→Giorgio Armani.」と記載されている。
(16)「エフピー 6月号」(株式会社学習研究社 1991年6月1日 発行)の表紙において、「アルマーニの世界戦略」の特集記事の紹介がされている。
(17)「世界の一流品大図鑑’95年版」(株式会社講談社 平成7年5月10日 発行)において、「LADIES’ WEAR/婦人服」の項に、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「スーツ、ブラウス、ベスト、パンツ、スカーフ、キュロット」と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の項に、「GIORGIO
ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「ジャケット、パンツ、シャツ」と記載されている。
同じく、「PERFUME/香水」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「オードパルファン」と記載されている。
同じく、「MEN’S PERFUME/メンズパフューム」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」及び「オードトワレ、オードトワレスプレー」と記載され、該商品の写真中には、それぞれ、「ARMANI」の記載が認められる。
(18)「世界の一流品大図鑑’96」(株式会社講談社 平成8年5月12日 発行)において、「WEAR[婦人服・紳士服]の項に、「ニットジャケット、ニットパンツ、ドレス、ジャケット、パンツ」と記載され、「・・・余分な装飾を排除し、着る人の個性を大切にするアルマーニの新作は、スリムなフォルムとモノトーンのシャープなコントラストが大きな特徴です。」と記載され、「シャツ、スーツ、ベスト」及び「オードトワレ スプレー」と記載され、さらに、、「サングラス」の各商品とその価格とともに、「GIORGIO ARMANI」及び「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の項において、「サングラス」の記載及び「ミラノ・ファッション界の”マエストロ・デイ・マエストロ”と称えられ、もっとも偉大なデザイナーと呼ばれるアルマーニ。・・・」と記載されている。
(19)「世界の一流品大図鑑’98」(株式会社講談社 1998年5月30日 発行)の「LADIES’S WEAR/婦人服」の項に、 「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」及び「ジャケット、パンツ、スカート」等と記載されている。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の項に、「GIORGIO
ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」及び「スーツ、シャツ、タキシード」と記載されている。
同じく、「KNIT WEAR/ニットウエア」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」及び「ニット、パンツ」と記載されている。
同じく、「BLOUSE・SHIRT/ブラウス・シャツ」の項に、 「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」及び「シャツ」と記載されている。
同じく・「NECKTIE/ネクタイ」の項に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」及び「ネクタイ」と記載されている。
(20)「『ニセブランド商品にご注意!!』のパンフレット」(社団法人日本輸入団体連合会 1999年)において、「海外有名ブランドのニセモノがふえています」」との見出しのもと、「・・・バーバリー、アルマーニの衣料、ロレックスの腕時計などといった海外有名ブランド商品は、消費者の間で根強い人気があることから、これに便乗して、ニセモノの横行が目立っております。・・・」と記載されている。

2 「GIORGIO ARMANI」及び「ARMANI」などの著名性について
以上の事実によれば、「GIORGIO ARMANI」はイタリアの服飾デザイナーであり、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、また、同人のデザインした商品は、「紳士服、婦人服、ジャケット、ネクタイ、帽子、革製バッグ、革小物、ベルト、靴、香水」など広範囲に及び、これらの商品はファッション関連商品ということができる。そして、これらの商品は、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ アルマーニ」の各文字からなる商標(ブランド)(以下「ARMANI」の商標という。)を使用した商品として紹介され、我が国においては、遅くとも本願商標の出願時までには、これらの商品の取引者・需要者間において広く認識され、その状態は現在も継続しているものと認められる。
また、前記の職権による証拠調べをした、1990年株式会社研究社発行
「英和商品名辞典」「Giorgio Armani(ジョルジョアルマーニ)」の項の「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。」との記載、1988年11月24日株式会社マガジンハウス発行「Hanako」における「憧憬のアルマーニ」の掲載記事、「一歩手前の人へ。普及版デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しのもと「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとおり、幅広いアイテム(スポーツウエアからイブニングまで)を手頃な価格で提供。・・・」との記事、工業所有権情報館備え付け「外国周知商標(伊編)」、「外国ブランド権利者名簿」によれば、「GIORGIO ARMANI」のほかに、デフュージョンブランド(普及版ブランド)として、「EMPORIO ARMANI」のブランドを、「ジョルジョ アルマーニ ジャパン株式会社」が、「ブラウス、コート、パンツ、ジーンズ、ブローチ、防止、シューズ、バッグ」等の商品について使用し、これも取引者・需要者間に広く知られているものと認められる。
また、「ARMANI」がイタリアで一般的な名前であるかに関係なく、前記認定のとおり、我が国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者・需要者間に広く認識されている商標といえるものである。

3 商品の出所の混同について
本願商標は、前記のとおり、「FRANCOARMANI」の文字を書してなるものである。そして、これはその全体が12文字であり、これより生ずる「フランコアルマーニ」の称呼も長音を含めて9音であり、商標としても、また、称呼としてもやや冗長なものといえる。さらに、その全体の「FRANCOARMANI」が一般に親しまれた特定の熟語を表すものであるとか、特定の人名を表すものとして知られているとかの事情は認められない。
一方、前記認定のとおり「ARMANI」の商標は、「ファッション関連商品について取引者・需要者間に広く認識されているものであり、また、そのデフュージョンブランドとして「EMPORIO ARMANI」を使用し、これもまた広く知られているであること、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ」は、イタリアの服飾デザイナーとして著名であり、「アルマーニ」とも略称されていること、本願商標の指定商品が「原革,原皮,なめし皮、毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」のファッション関連商品といえるものであることよりすれば、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、取引者・需要者は、前記の著名な「GIORGIO ARMANI」の商標に関連するブランドであるのではないかなどと連想、想起し、その商品が「ジョルジオアルマーニ」又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。
そして、この混同を生ずるおそれは、本願商標登録出願時から現在に至るまで継続しているものと認められる。
また、「ARMANI(アルマーニ)」が「CHANEL(シャネル)」「PRADA(プラダ)」「CARTIER」(カルティエ)」「DIOR(ディオール)」等の様に、氏名のどちらか一単語を使用して有名になったブランドでない限り、その様な一般の個人の「氏名」の一方の一単語を特定の人物のもののように主張することは不合理である旨主張しているが、上記3のとおり、認定し得るものであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は、過去の登録例及び異議決定例を挙げ、本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、本件とは事案を異にするものであるから、請求人のこの点に関する主張も採用できない。

4 結び
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、原査定は取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-12-27 
結審通知日 2002-01-11 
審決日 2002-02-18 
出願番号 商願平8-81670 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (018)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩浅 三彦 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 宮下 行雄
米重 洋和
商標の称呼 フランコアルマーニ 

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