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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 107 |
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管理番号 | 1057009 |
審判番号 | 審判1999-30316 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-05-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-03-12 |
確定日 | 2002-03-15 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2274926号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2274926号商標(以下「本件商標」という。)は、「セラブリック」の文字を書してなり、昭和63年5月11日登録出願、第7類「建築または構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として平成2年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中「セメント」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。 (1)本件商標は、その指定商品中「セメント」について継続して3年以上日本国内において使用した形跡が見当たらない。また、本件商標は、甲第2号証の原簿から明らかなように、少なくとも平成11年3月8日時点では、他人に専用使用権を設定した形跡、又は通常使用権を許諾した形跡がない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「セメント」について取消されるべきものである。 (2)乙第1号証のカタログだけでは、それがいつ作成され、いつ、どこで、どれだけ頒布されたのか分からない。また、本件商標は、「レンガ外壁パネル」のシステム名称であり、「押出成形セメント材」を個別に指称するものとは言えない。実際に本件商標のもとに「押出成形セメント材」が販売されたことの実績を示されたい。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。 乙第1号証として提出のカタログは、被請求人が現在使用中の「セラブリック30」のカタログである。この「セラブリック30」は、本件商標と同一性を有する商標であり、第32頁、第34頁、第35頁等に本件商標と同一の「セラブリック」が使用されている。 そして、乙第1号証は、レンガ外壁パネルであるが、その第35頁のセラブリック性能の仕様の欄に「ベース」として「押出成形セメント材」が使用されていることが明記されている。 したがって、被請求人は、本件商標の指定商品に本件商標を使用しているものであるから、本件商標に対する取消理由は根拠を欠くものである。 4 当審の判断 被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した「トステムの外装材カタログ/セラブリツク30」と題するカタログ(乙第1号証)によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「押出成形セメント材」について使用していたことを認めることができる。 この点について、請求人は、上記2(2)のとおり、乙第1号証のカタログの作成時期、頒布状況を把握できないこと、また、本件商標は「レンガ外壁パネル」のシステム名称であり、「押出成形セメント材」を個別に指称するものではない旨主張している。 しかしながら、乙第1号証のカタログは、表紙の表題部分の下に「’99.2.1現在」の表示がされていることからすれば、この時点以降、取引場裏に置かれていたものとみるのが自然であり、これに反する証拠も提出されていない。 また、乙第1号証は、確かに、全体的には「レンガ外壁パネル」についてのカタログということができるにしても、その第34頁(セラブリック構造)、36頁(セラブリックシステム構造)、37頁(セラブリック施行手順)の項に徴すれば、レンガを取り付けるベース部分は、「ベース12S」あるいは「ボーダーベースS」と表示されており、第35頁(セラブリック性能)の仕様の欄には、その「ベース」として「押出成形セメント材」が使用されていることが表示されている。 そして、第32頁のセラブリツク同質役物・付属品規格表の欄には「ベース12S」あるいは「ポーダーベースS」の規格及び販売価格が表示されていることが認められる。 そうとすれば、「押出成形セメント材」からなる「ベース12S」あるいは「ボーダーベースS」は、少なくとも当業者間においては、それ自体でも独立して取引の対象となっていたものとみるのが相当である。 しかして、取消請求に係る「セメント」は、粉末状のセメントばかりでなく、管、柱等のセメント基礎製品、さらには、一定の用途を目的として加工されたセメント製建築又は構築専用材料も含まれる概念であるから、被請求人の使用に係る「押出成形セメント材」も「セメント」の範疇に含まれる商品と認められるものである。 したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-01-10 |
結審通知日 | 2002-01-16 |
審決日 | 2002-01-31 |
出願番号 | 商願昭63-53046 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(107)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 市川 久雄、門倉 武則 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
滝沢 智夫 中嶋 容伸 |
登録日 | 1990-10-31 |
登録番号 | 商標登録第2274926号(T2274926) |
商標の称呼 | セラブリック、セラ |
代理人 | 後藤田 章 |