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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117 |
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管理番号 | 1053788 |
審判番号 | 審判1998-31131 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-03-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1998-10-30 |
確定日 | 2002-01-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1126550号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第1126550号商標(以下、「本件商標」という。)は、「INGRAM」の欧文字を横書きしてなり、昭和46年11月29日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同50年6月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。 請求人の調査によれば、本件商標は継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。 さらに、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録は取り消されるべきものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出した。(1)本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において通常使用権者によって,メンズドレスシャツ等の被服について使用されている。 被請求人(本件商標の商標権者)は、蝶矢株式会社(住所 東京都中央区日本橋大伝馬町15番2号)に対して、1986年に「メンズドレスシャツ」について本件商標の通常使用権を許諾している。同通常使用権の許諾契約は3年毎に更新されており、現在も有効に存続している(乙第1号証)。 (2)本件商標の通常使用権者である蝶矢株式会社は、上記通常使用権許諾契約締結後の平成6年10月頃より現在に至るまで継続して、日本国内において本件商標を「シャツ(特にメンズシャツ)」について使用している。蝶矢株式会社は、乙第2号証の各写真に示されるように、本件商標を使用した「メンズシャツ」を、株式会社アオキインターナショナル(本社住所 横浜市都筑区葛が谷6‐56)において販売している(乙第3号証)。 乙第4号証として提出する仕入伝票に示されるように、本件商標は蝶矢株式会社によって、シャツについて本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において使用されている。すなわち、蝶矢株式会社は、乙第2号証の写真で示される本件商標を使用したメンズシャツを株式会社アオキインターナショナルにおいて販売している。 なお、乙第4号証として提出する仕入伝票には、本件商標「INGRAM」は記載されておらず、品名「600-3242 チェックガラシャツ」と記載されているが、品名「600-3242 チェックガラシャツ」が本件商標「INGRAM」を使用したメンズシャツを表すことは、乙第5号証において提出した仕様書より明らかである。すなわち、蝶矢株式会社が1997年12月3日に作成した仕様書(乙第5号証)には、ブランド「INGRAM」、品番「600-3242」と明記されている。本件商標を使用したメンズシャツは蝶矢株式会社の品番「600-3242」で取引されているものである。 乙第6号証は、蝶矢株式会社の本件商標を使用したメンズシャツの具体的な生産計画表(1998年7月13日付)である。こういった計画表に基づき本件商標を使用したメンズシャツは生産されている。 乙第7号証は、蝶矢株式会社の商品の在庫数・入庫数及び販売数の推移を表した表である。乙第7号証の下図の最下段に1997年2月6日時点の本件商標を使用したメンズシャツの在庫・入庫・販売数が示されている。なお、同表中の「IG」は「INGRAM」の省略記号である。 乙第8号証は、乙第2号証の写真に示されたメンズシャツの織ネーム、ラベル等を製造している会社の売掛金伝票である。これより、1998年9月9日前に「イングラム緑ネーム」、すなわち、第2号証に示されたメンズシャツの「INGRAM」ラベル織ネームが1500枚製造されたことが確認できる。 本件商標「INGRAM」を使用した「メンズシャツ」の1997年度及び1998年度の生産販売数量は以下のとおりである(乙第9号証)。 1997年 春物 6500枚 1997年秋冬物 5000枚 1997年 合計 11500枚 1998年 春物 1400枚 1998年 夏物 2000枚 1998年秋冬物 1200枚 1998年 合計 4600枚 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求前3年以内に、日本において、通常使用権者によって商品「メンズシャツ」について使用されていたものであるから、請求人の主張は理由がないものである。 4 当審の判断 被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証ないし同第9号証を総合勘案すれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権の通常使用権者「蝶矢株式会社」により、取消請求に係る指定商品中の「被服」に含まれる「メンズシャツ」について使用されていたと認めることができるものである。 そして、請求人は上記3の被請求人の答弁に対し、平成12年2月2日付けの上申書において、「被請求人が提出した答弁書の内容の検討が終わっていないので、本件の審理をいま暫く猶予願いたい。」旨述べるのみで、その後、相当の期間が経過した現在何等弁駁していないものである。 してみれば、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-08-07 |
結審通知日 | 2001-08-10 |
審決日 | 2001-09-12 |
出願番号 | 商願昭46-130546 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(117)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小野里 高次 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
滝沢 智夫 中嶋 容伸 |
登録日 | 1975-06-12 |
登録番号 | 商標登録第1126550号(T1126550) |
商標の称呼 | イングラム |
代理人 | 斉藤 侑 |
代理人 | 斉藤 秀守 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 竹内 耕三 |