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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 028
管理番号 1053616 
審判番号 取消2000-30716 
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-03-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-06-21 
確定日 2002-01-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4015265号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4015265号商標の指定商品中「遊戯用器具、ビリヤード用具、囲碁用具、将棋用具、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具、チェッカー用具、手品用具、ドミノ用具、マージャン用具、おもちゃ、人形、運動用具」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4015265号商標(以下「本件商標」という。)は、「ロボテック」の片仮名文字を書してなり、平成7年9月6日に登録出願、第28類「遊戯用器具、ビリヤード用具、囲碁用具、将棋用具、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具、チェッカー用具、手品用具、ドミノ用具、マージャン用具、おもちゃ、人形、運動用具、釣り具」を指定商品として、同9年6月20日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由および被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次ぎのとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
1.本件商標は、請求人の調査によれば少なくとも本件審判請求日前3年以内に日本国において「遊戯用器具、ビリヤード用具、囲碁用具、将棋用具、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具、チエッカー用具、手品用具、ドミノ用具、マージャン用具、おもちゃ、人形、運動用具」について本件商標を使用していない。
2.被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は商品「おもちゃ」について本件商標を使用する具体的な準備を行っているから、本件審判請求の登録前3年以内に日本国において使用していないことに正当な理由があるとし、その不使用についての正当理由を立証するための証拠として乙第1号証から乙第6号証を提出している。
しかしながら、請求人としては不使用について正当な理由があるとする被請求人の答弁は到底承服することができない。
(1)我が国の商標法は、使用されている商標の保護を本来の目的としているものであるから、商標権者が登録商標を使用することを保護の前提としているものである。従って、一定の期間登録商標を使用していない場合には保護すべき対象がないものと考えられ、そのような不使用の登録商標に対し独占的な権利を与えておくことは第三者の商標選択の範囲を不当に狭める等の不合理が生ずるため、不使用による取消審判の制度が設けられたものである。
このような立法趣旨からしても、「不使用についての正当理由」は厳格に解釈すべきであり、特別立法により一定期間商標の使用が禁止されている場合や、商標権者が天災等により商標を使用することができなかった場合、手続の中断・中止の事由に該当するような事由が発生した場合等に限定されるべきものである。
被請求人が主張する正当理由には、被請求人の責めに帰すことができないやむを得ない事情もなく、本件商標を取消すことが社会通念上被請求人にとって酷であるという理由も全く見出すことはできない。従って、本件商標を使用していないことについて正当な理由があるとする被請求人の主張は到底容認することはできない。
(2)被請求人が証拠として提出した乙各号証によっても被請求人の主張は信憑性を欠くものと言わざるを得ないので、あえてその点についても弁駁を行う。
(イ)被請求人は、大手玩具メーカーである株式会社タカラ及び株式会社トミーとロボカップ国際委員会とで創立した「ロボカップトイズ」の企画に準拠した「ロボットおもちゃ」の企画を進めており、この商品名として商標「ロボテック」を採用したとして、乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
(ロ)確かに、乙第1号証ないし乙第4号証にはいずれも商品名として「ロボテック」が記載されているが、乙第5号証及び乙第6号証には「ロボテツク」の記載は全くなく、これらに記載されている商品名はいずれも「バトルクロス」である。
(ハ)一方、請求人はインターネットにより「ロボカップトイズ」に関する記事を抽出したところ、数多くの記事が掲載されていることが判明した。例えば、2000年3月4日付けの「子供向けのロボット競技・ロボカップトイズ」に関する記事(甲第2号証)、2000年3月14日付けの「ロボカップ・トイズの創設」に関する記事(甲第3号証)、2000年3月16日付け「2000東京おもちゃショー開幕」に関する記事(甲第4号証)などがあるが、これらの記事の中で紹介されている被請求人の商品名はいずれも「バトルクロス」であって、「ロボテック」なる商品名の記載はどこにもない。
これらの記事の執筆者が勝手に被請求人の商品名を「ロボテック」から「バトルクロス」に変更して記載することはあり得ないこと、更には、前述したように、商品名として「ロボテック」が記載されている乙第1号証には、株式会社プレックスの社名は記載されているものの株式会社プレックスによって作成された商品企画書と断定できるものはなく、また、乙第2号証ないし乙第4号証は被請求人の作成に係るものであること、これに対し、発信元が明記(TL2社の津村元史)されている乙第5号証のファクシミリ、及び、刊行物として頒布された乙第6号証の「広報資料」には「ロボテック」とは一切記載されずに「バトルクロス」のみが記載されている事実を総合的に勘案すれば、商品「おもちゃ」の商標として「ロボテック」の語が採用されたこと明らかであるとする被請求人の主張(答弁書第3頁下から2、3行目)そのものは信憑性を欠くものと言わざるを得ない。
(ニ)被請求人が商品名として「ロボテック」を採用したとしても、遅くとも平成12年(2000年)3月14日には、商品名を「ロボテツク」から「バトルクロス」に変更したこと明らかであるので、被請求人に正当理由があったとしても、当該正当理由は「バトルクロス」に商標を変更した時点で消滅したものといわなければならない。
即ち、乙第6号証は被請求人が株式会社タカラ、株式会社トミー及びロボカップ国際委員会と共に創設した「口ボカップトイズ」に関する広報資料である。この広報の第3頁目には、被請求人らのロボットの試作機の商品名、発売予定日、仕様等が紹介されている。そして、商品名の欄を見る限り株式会社タカラにあっては「試作機仮称」と、また、株式会社トミーにあっては「仮称」と明記されているのに対し、被請求人の場合は「バトルクロス」とはっきり記載され、「仮称」の記載もない。
この乙第6号証の発行者は被請求人、株式会社タカラ、株式会社トミー及びロボカップ国際委員会名であることは第1頁目の記載から明らかであり、しかも第2頁目には「この件に関する間合わせ先」として、被請求人にあっては「広報課」と明記されている。
従って、当然のことながらこの広報に記載されている記事の内容等について被請求人は熟知していたということができる。もし、被請求人が商品名として「ロボテック」の採用を意図していたのであればこの当該広報の商品名の欄に「ロボテック」と記載していたはずである。にも拘わらず、商品名の欄に「バトルクロス」として当該広報に記載した事実は、少なくともこの広報発行日の平成12年(2000年)3月14日以前に、被請求人は商品名を「バトロクロス」と変更(特定)したと解釈するのが合理的であるから、正当理由はこの時点で解消したものといわなければならない。
(3)更に、被請求人による乙第1号証ないし乙第4号証における「ロボテック」の表記は、商標法の趣旨からも、また、社会通念上も商標の使用と認めることはできない。
被請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証に商品名として「ロボテック」と記載されている旨を主張するが、乙第1号証ないし乙第4号証に記載されているのは「ロボテック」のみではなく「新世紀ロボ」及び「バトルクロス」も併記されている。
そして、この「新世紀ロボ」については平成12年5月10日付け商願2000-50927号(甲第5号証。)として、また、「バトルクロス」については平成12年4月14日付け商願2000-40065号(甲第6号証。)としていずれも被請求人によって商標登録出願がなされていることが判明している。
これらの各商標はいずれもハウスマークのような代表的出所標識としての商標ではなく、「ロボテック」と同様に商品商標であること明らかである。
このように、1つの商品に複数の商品商標を記載するということは、商品名として採用を決定したということではなく、「口ボテック」は「新世紀ロボ」又は「バトルクロス」と共に商品名の候補の1つにすぎなかったと解釈するのが妥当である。
被請求人が主張するように、商標として使用を採択した(使用する意思を有していた)というためには、少なくとも商標の特定は絶対的に必要でなければならない。
もし、被請求人のように1商品に複数の商品商標を記載することによって、それら全てが商標としての使用が認められるのであれば、同一又は類似の商品を含む使用していない登録商標を全て記載することにより、記載されている登録商標は全て不使用による取消審判を逃れられることになってしまう。
かような使用方法は、社会通念上も許されるものではなく、商標法の趣旨にも反する使用方法といわなければならない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次ぎのとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
1.請求人は、平成12年6月21日付審判請求書において、本件商標が、本件審判請求日前3年以内に日本国において「遊戯用器具、ビリヤード用具、囲碁用具、将棋用具、さいころ、すごろく、ダイスカップ、ダイヤモンドゲーム、チェス用具、チェッカー用具、手品用具、ドミノ用具、マージャン用具、おもちゃ、人形、運動用具」について使用されていないとして、前記指定商品についてその登録は取り消されるべきであると主張する。しかしながら、次のとおり、被請求人は、本件商標を商品「おもちゃ」について使用する具体的な準備をしており、本件商標を審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していないことについて正当な理由があるものであるから、請求人の主張には理由がないものである。
2.乙第1号証は、被請求人の委託を受け、件外株式会社プレックスが作成した平成12年2月3日付商品企画書である。乙第1号証によれば、商品「おもちゃ」の商標として「ロボテック」「ROBOTEC」の語が採用されていることは明らかである。
3.乙第2号証及び乙第3号証は、被請求人が作成した平成12年2月25日付新商品企画書及び仕様確認書であり、乙第1号証に記載されたおもちゃの企画を被請求人が採用し、この企画を進めていることを示すものである。ここでも、その商品名として「口ボテック」の語が採用されている。
4.乙第4号証は、被請求人が作成した平成12年3月1日付事業部商品化計画書であり、乙第2号証及び乙第3号証に示された企画及び仕様に則って、これを製品化するにあたり作成されたものである。乙第4号証によれば、商品「おもちゃ」の商標として「ロボテック」の語が採用されたことは明らかである。
また、商品情報発売予定日欄には「2000/12/10」との記載があり、2000年(平成12年)12月10日に向けて発売の準備を進めていることがわかる。
5.乙第5号証は、被請求人が平成12年6月16日に受信した件外TL2社からのファクシミリであり、乙第4号証に関する修正見積書である。TL2社は、乙第4号証の商品情報の仕入先欄に記載されているとおり、商品を被請求人に納入する業者である。すなわち、乙第5号証は、乙第4号証に示す計画書により、商標「口ボテック」が採用された商品の製品化が進行していることを示すものである。
6.前記商品は、被請求人を含む大手玩具メーカー3社とロボカップ国際委員会とで創設した「ロボカップ・トイズ」の規格に準拠した製品として発売予定のものである。ここにロボカップ国際委員会(The RoboCup Federation)とは、ロボットによるサッカー世界大会を実現させ、ロボット・サッカーを利用して人工知能、ロボット工学などの研究・教育を推進するために設立された団体で、スイスのベルン市に非営利科学・文化団体(Non‐Profit Science and Cultura l Corporation)として法人登記されたものである(乙第6号証)。また、「ロボカップ・トイズ」は、サッカーゲームを模した競技を行うために各メーカーが発売する統一規格のロボットおもちゃを指す商品ジャンルであり(乙第6号証)、この統一規格に準拠した製品であること示すために、個々の商品に「ロボテック」「ROBOTEC」の語を冠することを予定しているものである。
7.以上のことからみて、被請求人が、本件商標「口ボテック」を商品「おもちゃ」について使用する具体的な準備をしていることは明らかであり、本件商標を審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していないことについて正当な理由があるものである。

第4 当審の判断
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、そのその指定商品に係る商標登録の取消しを免れず、また、指定商品について登録商標を使用していないことについて認められる正当な理由としては、地震、台風、その他の天災地変、類焼、放火、破壊、その他第三者の故意または過失によるもの、法令による全面的な禁止、許認可手続の遅延、公権力の発効により登録商標の使用を予定していた商標権者、専用使用権者または通常使用権者が、その責めに帰すことができない事情により、使用を予定していた商品について登録商標を使用することができなかった場合に限られると解されるところである。
そして、被請求人は、その請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを何等証明することがなく、また、被請求人が答弁書で種々述べる不使用の理由は、いずれも自己の都合によるものと認められるものであり、上記不使用についての正当な理由に該当するものとはいい得ないものである。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る商品について、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが使用していなかったものと認められ、かつ、使用しないことについて正当な理由があったものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-11-08 
結審通知日 2001-11-13 
審決日 2001-11-27 
出願番号 商願平7-91885 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (028)
最終処分 成立  
前審関与審査官 須藤 祀久 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 滝沢 智夫
中嶋 容伸
登録日 1997-06-20 
登録番号 商標登録第4015265号(T4015265) 
商標の称呼 ロボテック 
代理人 戸谷 雅美 
代理人 小林 彰治 
代理人 我妻 由佳子 
代理人 高田 修治 
代理人 安形 雄三 
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