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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z41 |
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管理番号 | 1051963 |
審判番号 | 不服2000-9763 |
総通号数 | 26 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-06-29 |
確定日 | 2001-11-15 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第 74940号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「車文化の創造」の文字よりなり(標準文字による商標)、平成10年9月2日登録出願、指定役務については、当審において、平成12年10月20日付提出の手続補正書により、第41類「自動車運転・道路交通法の教授」と補正したものである。 2 原査定の理由 原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『車文化の創造』の文字からなるものであるが、その指定役務との関係からして、全体として『車に係る文化の創造』といった意味合いを想起させるにすぎないから、これを本願指定役務に使用するときには、『車に係る文化の創造に関する知識の教授』であること、つまり、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張の主旨 請求人は、下記の主旨の主張をし、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 本願商標構成中の「車文化」なる用語は、新聞や雑誌・テレビ等において目にしたことがなく、広辞苑を見ても、国語事典を見ても、さらに現代用語辞典を見ても「車文化」の字句は掲載されていない。よって、「車文化」とは具体的にどのような内容を指し、定義されるのか明らかでなく、普通一般に使用されている字句でもないことから、この「車文化」なる字句は、造語の一種であり、これ自身が特別顕著性をもつものといわなければならない。本願商標がこのままで登録されても良いことは、指定役務を「技芸・スポーツ又は知識の教授」として登録された、登録第3365900号に係る商標「パソコン家庭教授」、指定役務を「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」として登録された、登録第435263号に係る商標「環境文化」を見ても明らかである。 そして、本願の平成12年10月20日付提出に係る手続補正後の指定役務との関係で考慮すると、本願商標の指定役務はそれ自身自動車運転免許を取得したり、自動車を整備したりするための極めて実務的なもので、そのことが直ちに文化の創造につながるものではないので、本願指定役務の質(内容)を表示するものとはならないことから、特別顕著性を有するものであり、商標法第3条第1項第3号には該当せず、登録されるべきである。 4 当審の判断 本願商標は、前記したとおり「車文化の創造」の文字よりなるところ、車と文化との関係は、近年、車の使用により余暇生活の幅を広げるなど、密接な関係があることは顕著な事実といえる。そして、企業が商品の生産や役務を提供するにあたって、文化的側面を無視して活動することはできないのが現状である。 そうとすると、かかる現状において、本願商標が使用された場合、取引者・需要者は、「車にかかわる文化を創造する」という程の意味を表しており、ひいては、それを通じて企業として社会に貢献したいとの表明であると直ちに理解認識するものと認められる。 そして、「車文化」の語が造語といえないことは、1993年(平成5年)1月21日付日本経済新聞本紙夕刊1面の「街で自動車好きの人が自分の車の話をしているのを聞くと」と題する記事中に「自動車販売の不振の中で、大型の四輪駆動車などレジャー用の車は売れ行きが好調だという。アウトドアライフへの関心の高まりなどが背景にあるようで、メーカーも新型車を次々に投入している。車で余暇生活の幅を広げることは時代の流れであり、日本の車文化が成熟してきたことの表れでもあるだろう。」との記載があり、また、1996年(平成8年)7月22日付日本経済新聞本紙地方面/中部特集の「4駆の安全協会旗揚げ、運転者の意識改革に一役」と題する記事中に「『四輪駆動車の正しい取り扱い方法の啓発活動を通して、クルマ文化に貢献する』を旗印に今年三月、愛知県豊田市に設置された日本四輪駆動車安全運転協会(JAFSA)。RV(レクリエーショナル・ビークル)車人気はとどまるところを知らないが、一方で運転マナーの欠如による自然破壊や、事故の多発が社会問題化している。RV車の機能向上ばかりに目が奪われる中、使い手のレベルアップがどこまで図られるのか。同協会の取り組みに関心が集まっている。(中略)JAFSAでは、初級から上級まで、コース別に四輪駆動車の正しい取り扱いと安全運転についての統一カリキュラムを作成。これに基づき、竹村理事長の呼びかけで集まった、さなげなど四事業所が会員として講習会を開いている。まだ、公的な団体とは認められていないが、受講者に対しては修了証も発行する。」との記載があり、また、1989年(平成元年)10月17日付東京読売新聞朝刊第13面には、「自動車交通の国際基準作りへ研究会 車文化の違いをどう克服(解説)」と題する記事があり、その解説中に「自動車交通の分野での国際基準づくりがいかに難しいかは、一九五二年に制定された世界共通の道路標識(国連標識)が、日本を含めていまだに多くの国で完全には採用されていないことを見ても分かるし、国民性を超越した国際基準が必要かどうか自体も議論になるだろう。しかし、二十世紀の象徴でもある自動車文明が今、さまざまなゆがみを抱えていることは論をまたない。」との記載があり、また、1996年(平成8年)1月9日付日本経済新聞本紙朝刊第2面の「新商品のマナー徹底を(社説)」の記事中に、「東京都あきるの市が、四輪駆動車の河川内への乗り入れを防ぐために秋川の河川敷に盛り土で車止めを築くことになった。同市では『清流を守るために制限は仕方がない』と言っている。四駆に代表されるRVの人気は急上昇中だが、一方でマナーの悪い運転者による自然破壊などが問題になっている。街中では携帯電話による騒音が増えるなど、新しい商品は使い方を誤ると新たな公害源になる。RVはオートキャンプなどの野外生活を簡単に楽しむための道具として、新たなクルマ文化をつくりつつある。従来の乗用車とは性格が違うため、楽しみ方のルールをまだよく知らない運転者が多い。(中略)最近ヒットしている商品には生活文化を変えるようなものが多い。企業は、生活の中に根づかせるためのマナーなどソフトもあわせて提供すべきだ。」とあることからも裏付けられる。 また、請求人は、補正後の指定役務は、それ自身自動車運転免許を取得したり自動車を整備したりするための極めて実務的なもので、そのことが直ちに文化の創造につながるものではない旨主張しているが、実務的又は世俗的なものであっても、それを普及させる活動が文化の創造に寄与することはあるから、本願の役務についても、前述の意味合いを直ちに理解するものというのが相当である。 そして、本願商標は、その指定役務の質(内容)を表示するに止まり、自他役務を識別できる標識部分を有しないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消す限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-03-13 |
結審通知日 | 2001-03-16 |
審決日 | 2001-03-27 |
出願番号 | 商願平10-74940 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z41)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩崎 良子、今田 尊恵 |
特許庁審判長 |
板垣 健輔 |
特許庁審判官 |
八木橋 正雄 上村 勉 |
商標の称呼 | クルマブンカノソーゾー |
代理人 | 伊藤 捷雄 |