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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 104
管理番号 1049113 
審判番号 取消2000-31178 
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-12-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-10-04 
確定日 2001-11-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第2044129号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.本件登録第2044129号商標(以下、「本件商標」という。)は、「カミコス」の片仮名文字及び「KAMICOS」の欧文字を二段に横書きしてなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和60年4月5日登録出願、同63年4月26日に設定登録され、その後、平成10年5月26日に商標権存続期間の更新の登録がなされているものである。

2.請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中、「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を(一)のとおり述べるとともに、被請求人の答弁に対して、(二)以下の旨弁駁した。
(一)本件商標は、その指定商品中、「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、化粧品(薬剤に属するものを除く)」について商標権者が継続して3年以上日本国内において使用した事実がなく、原簿上登録された使用権者も存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(二)被請求人は、本件商標を取消に係る商品に使用している旨を主張し、証拠方法として乙第1号証乃至同第6号証(枝番を含む。)を提出しているが、同人の提出した証拠は、以下に述べるように、本件商標の使用を証明するものではない。
(1)先ず、被請求人は、乙第1号証として、商品「シャンプー」及び「リンス」の容器を撮影した写真を提出しているが、その上部の写真における当該容器の表面に大書されている主商標は「髪香」であって、本件商標とは全く相違する。
そして、当該「髪香」に振り仮名された「カミコ」及びその真下に表された「KAMICO」「シャンプー」又は「KAMICO」「リンス」と併せみると、当該商品名は「カミコシャンプー」「カミコリンス」と解される。
(2)一方、乙第1号証の上部の写真における当該容器中には、「GOZZY」「Good Odor」「Zests with Zippy」「Youth」「波線図」「KAMICOS」の文字等が、各々段違いで一塊に表示されており、これらの表示は、通常、商品の用途や原料や産地など商品のイメージアップに使用される記述であることが多く、副詞的ないし付飾的部分として需要者の注意力の低い部分であるところ、そのうちの「KAMICOS」のローマ字部分は、イタリアのシシリー島の地名「KAMIKOS(camico)」(甲第2号証)の表音と一致していること及び我が国では、一般的に「K」と「C」とは区別されないことから、該「KAMICOS」のローマ字部分は、商品の内容(例えば、原料の産地等)とみられるものである。
(3)次に、乙第1号証の下部の写真における当該容器の裏面には、商標「カミコス髪香シャンプー」又は「カミコス髪香リンス」が表示されているものの、本件商標は使用されていない。
(4)本件商標は、「カミコス」の文字と「KAMICOS」の文字とを上下に併記したものであり、上下の文字より同一の称呼を生ずるとしても、「KAMICOS」が、前記したイタリアのシシリー島(同島は、化粧品、顔料、植物の宝庫といわれる)の地名を表わすとすれば、この商標は、片仮名併記によらずして分離使用は認められないというべきであるので、前記使用商標は、到底、本件商標の使用と認められない。
(5)さらに、被請求人は、乙第2号証及び同第3号証として、商品をバーコード登録するための用紙の「JICFSJAN(商品)コード情報・登録票」を提出するとともに、乙第4号証としてバーコード登録された商品のデータの出力票をそれぞれ提出しているが、これらによって証されるのは、「カミコスカミコシャンプー」「カミコスカミコリンス」の表示をもって、単にバーコード登録がなされているということだけであって、本件商標が、取消請求に係る商品に使用された事実を証するものではない。
(三)被請求人は、補強証拠として乙第5号証乃至同第6号証(枝番を含む。)を提出しているが、商標は、商品の取引者、需要者が、当該商品を他人の商品と区別するために商品に付して目印とするものであり、それは、商品の表・裏のどこにあっても、また、どのように表示しても同じ機能を果たすというものではない。
そして、商標を権利者以外の者が使用すれば、侵害であるというのであれば、本件商標の権利者と写真の商品とは無関係であるから、写真の商品は侵害商品ということになる。
(イ)上記の証拠のうち、乙第5号証(更新時の商標の使用についての認定基準)は、かつて、更新の際に、使用証明を要求されていたときの基準であって、本件取消審判における使用についての基準ではないから、本件取消審判の使用の認定にあたっては、具体的な取引の事実における使用が立証されなければならない。
(ロ)同様に、乙第6号証の1及び2(件外「日本ソシア株式会社」の「売上伝票」と「物品受領書」)は、それらが(a)商標権者の使用でないこと(b)登録された通常使用権者の使用でないこと(なお、「株式会社加美乃素本舗」が通常使用権者であるという証左もない。)(c)伝票における商品名も「カミコス髪香シャンプー」「カミコス髪香リンス」であり、本件商標と相違すること(d)商品の製造許可者が明らかでないこと(e)取引数量が、「シャンプー」と「リンス」のいずれも「1ケース24本」のみであり、株式会社加美乃素本舗の商品の取引量としては、異常に少ないこと(サンプル量程度)から、1回限りの使用であって、継続して使用されていたものとは認められないこと(f)売上先(「日本ソシア株式会社」)について調査したが、電話番号さえも見つからない点で、被請求人の提出した証拠からは、本件審判請求に係る商品について未だに本件商標の使用がなされていない。

3.被請求人の主張の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、次の(一)のように述べ、証拠方法として、乙第1号証乃至同第6号証(枝番を含む。)を提出するとともに、請求人の弁駁に対し、(二)以下の旨答弁した。
(一)被請求人の通常使用権者である「株式会社加美乃素本舗」が、本件商標の使用と認められる商標「KAMICOS」、「カミコス髪香シャンプー」又は「カミコス髪香リンス」を、本件商標の指定商品中、「シャンプー」(せっけん類)又は「リンス」(化粧品)について平成8年から使用している。
なお、乙第2証乃至同第4証(「コード情報登録票」等)によれば、「カミコス カミコシャンプ-」「カミコス カミコリンス」という表示が、商品の販売のためにバーコード登録されていることがわかる。
(二)請求人は、被請求人が、本件商標の使用の事実を証する資料として提出した甲第1号証乃至同第4号証(乙第1号証乃至同第4号証の誤記。)を否定しているが、自他商品識別の目印として使用される表示は、商品の表面に表示されようが、裏面に表示されようが、商標の使用にほかならず、商標の使用の概念も権利者による使用も権利侵害による使用も同じ解釈がなされるべきところ、乙第1号証の上部の写真における当該容器の表面の下部には、「図形」と「KAMICOS」の文字が顕著に表示されているので、本件商標の構成文字である「カミコス」又は「KAMICOS」という文字のうち、下段における「KAMICOS」の文字が使用されている。
そして、権利者以外の者が、当該表示を使用するならば、それは権利侵害にほかならず、もしも、権利者が使用するとすれば、「登録商標の使用」となる。
(1)乙第1号証の下部の写真における当該容器の裏面には、「カミコス髪香シャンプー」(シャンプー)「カミコス髪香リンス」(リンス)の文字が表示されている。それにも拘らず、請求人は、これには、本件商標が使用されていないと主張しているが、それは解釈の相違であって、被請求人は、これが本件商標と同一性ある商標の使用と確信する。
(2)称呼・観念の共通する片仮名文字とローマ文字の商標は、その一方のみの使用をもって本件商標の使用と認定されることは、更新時の同一商標の使用の認定基準に照らし、明らかである。
(3)被請求人は、バーコードの登録が商品への商標の使用の前提となる証拠(乙第2号証及び同第4号証)を提出したが、これらのみをもって使用の根拠とするつもりなのではなく、他の証拠と相俟って全体として使用が構成されることを説明しようとするものである。
補強証拠として、被請求人は、通常使用権者である「株式会社加美乃素本舗」が、平成10年12月2日に前記商品の注文を受け、同4日に、件外「日本ソシア株式会社」に納品したことを表す「売上伝票」と「物品受領書」の写し[乙第5号証乃至同第6号証(枝番を含む。)]を提出したが、当該書面の日付は、本件審判請求の登録日より3年以内であり、使用の要件を満たしている。
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求前3年以内に、取消請求に係る商品に使用されている。

4.当審の判断
そこで、本件商標が、被請求人により本件審判請求の登録日前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用されているか否かについて判断する。
(一)本件商標と使用商標について
本件商標は、「カミコス」の片仮名文字及び「KAMICOS」の欧文字を二段に横書きしてなるのに対し、使用商標は、以下に述べる構成よりなるものである。
すなわち、被請求人の提出した乙第1号証の写真(商品「シャンプー」又は「リンス」の容器を撮影したもの)のうち、上部の写真における当該容器の表面の最下部には、「KAMICOS」の文字が表示されており(以下、「使用商標1」という。)、該文字は、本件商標の構成文字の一である欧文字と同一の構成よりなるものであり、これよりは「カミコス」の称呼を生ずる。
なお、当該文字が商品の産地等を表示するものとして使用されているとみなければならない理由は認められない。
次に、乙第1号証の下部の写真における当該容器の裏面の最上部には、「カミコス髪香シャンプー」又は「カミコス髪香リンス」の文字が表示されている(以下、「使用商標2」という。)が、当該各構成文字のうち、後半における「髪香シャンプー」又は「髪香リンス」の文字は、いずれも「髪香」の漢字と商品の普通名称を結合したものであり、髪に香りを与えるシャンプー又はリンスという程の意味合いをもって、商品の品質を表すとみるのが相当であるから、自他商品識別力を有しないものである。
してみると、使用商標2については、その全体を常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の理由は見出せず、しかも、全体称呼が12音又は11音といずれも冗長であることを勘案すると、簡易迅速を尊ぶ商取引場裡において、使用商標2に接する取引者、需要者は、そのうちの「カミコス」の片仮名文字部分をも独立して自他商品識別標識としての機能を果たす主要部と捉え、それより単に「カミコス」とのみ簡略称呼して商取引等に資する場合も充分にあるというのが相当である。
そうとすると、各使用商標は、本件商標とは全体の構成が相違するとしても、本件商標の構成文字の「KAMICOS」又は「カミコス」の文字部分のそれぞれを使用しているということができるので、全体として、本件商標と社会通念上同一の範疇に属する商標が使用されているといって差し支えないものである。
(二)使用事実を裏付ける証拠について
被請求人の提出に係る乙第1号証の下部の写真における当該容器の裏面の最上部には、使用商標2が見受けられ、また、その下部のバーコードの右側付近には、「シャンプー」について「4987046890016」、そして、「リンス」について「4987046890023」の数字が見受けられるところ、当該数字と使用商標2のいずれか一方又は双方が、被請求人の提出に係る乙第2号証又は同第3号証、乙第4号証、そして、乙第6号証の1(売上伝票)及び乙第6号証の2(物品受領書)にも表示されていることが認められる。
そして、乙第6号証の1(売上伝票)は、通常使用権者(「株式会社加美乃素本舗」・・・「神戸市中央区熊内橋通3丁目3-25」所在)が、「大阪市北区西天満3丁目4-4」所在の件外「日本ソシア株式会社」に宛てた書面であって、その日付は、本件審判請求の登録日前3年以内の1998(平成10)年12月4日付となっていること及び乙第6号証の2(物品受領書)は、前記「日本ソシア株式会社」が、同日付で受領した旨の押印のある書面であって、通常使用権者に宛てられたものであること、さらには、被請求人(「株式会社ビメーク」・・・神戸市中央区熊内橋通3丁目3番23号」所在)の所在地と通常使用権者の所在地とは甚だ近接していること、使用許諾に係る書面の提出がないからといって、被請求人が、通常使用権者に通常使用権を許諾したと主張していることが、被請求人の提出に係る全証拠に照らすとあながち不自然とはいえないことなどを総合勘案すると、充分にそれと認め得る通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の範疇に属する商標を取消請求に係る商品「せっけん類(薬剤に属するものを除く)」に属する「シャンプー」又は「化粧品(薬剤に属するものを除く)」に属する「リンス」に使用していたものと認めることができる。
したがって、通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件審判請求の予告登録日前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用していたものと認められるので、商標法第50条の規定に該当するとして、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-09-10 
結審通知日 2001-09-13 
審決日 2001-09-26 
出願番号 商願昭60-34900 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (104)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 茂木 静代上田 克已 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 泉田 智宏
鈴木 新五
登録日 1988-04-26 
登録番号 商標登録第2044129号(T2044129) 
商標の称呼 カミコス 
代理人 村田 紀子 
代理人 村越 祐輔 
代理人 吉崎 修司 
代理人 館石 光雄 
代理人 萼 経夫 
代理人 武石 靖彦 
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